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わが上司 後藤田正晴 の商品レビュー

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15件のお客様レビュー

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2010/11/28

サムライの国ニッポン、ここにあり。 危機管理のノウハウで著名な佐々淳行さんの本だから買った。 すばらしい。 この本を読むと、サムライの魂を持った官僚という人達はすごい人達だなあと思う。 僕の哲学は、「誰がいちばん」なんて潰し合いなどせず、皆がその持てる力をそれぞれ出し合っ...

サムライの国ニッポン、ここにあり。 危機管理のノウハウで著名な佐々淳行さんの本だから買った。 すばらしい。 この本を読むと、サムライの魂を持った官僚という人達はすごい人達だなあと思う。 僕の哲学は、「誰がいちばん」なんて潰し合いなどせず、皆がその持てる力をそれぞれ出し合って、全体としていい国、いい世界にしたらいいじゃない、というものだが、この本を読んで、僕の考えは周りにいい人達ばかりだったら通用するけれど、必ずしもいい人達ばかりではない世間では通用しないと悟った。 後藤田五訓; 1.省益を忘れ、国益を想え 2.悪い、本当の事実を報告せよ 3.勇気を以て意見具申せよ 4.自分の仕事でないと言うなかれ 5.決定が下ったら従い、命令は実行せよ これは上に立つ人が見識のある人ならば必ず下の人達にそうあって欲しいと想うはずの訓戒だ。そうではなくて、自分の周りに「イエスマン」ばかりを侍らすような上司は真性の上司ではない。 P.177 内閣五室長会議の席上。国広道彦外政審議室長がいう。 「アメリカが日本はなお一層輸入拡大をはかり、内需を振興して対米輸出黒字の削減に努力をしてほしいと申して参りました」 後藤田官房長官が叫ぶ。 「なにィ?またそんなこと、いうてきよったか。アメリカ経済が不況なのは自分の内政が悪いからじゃ。それぞ日本のせいにしよって。中曽根内閣は”バイ・アメリカン”というて、総理が先頭に立っていりもせんアメリカのネクタイ買うたりして輸入拡大の努力、しとるやないか。けしからんぞ、アメリカは!!(この辺から次第に興奮して)そんなのは内政干渉や。国広君、君もいかんぞ、君までがアメリカの肩、持ちよって、ダメだよ、君!!」  国広外政審議室長は、ケロリとして答える。 「私は、官房長官、『アメリカがこう言ってきました』と報告してるんです。アメリカがいってることで私をお叱りになってもどうも・・・・」  官房長官「・・・・・・」(一同笑い)  的場順三内閣内政審議室長が烈しく論ずる。 「いま問題の行政改革ですが、各省一律一局削減っていったって、どうせすぐ『部』をつくってしまうからいくらやっても同じです。大切なのは経費削減です。公務員給与を含めて支出の見直しをすることこそ行革です。  ストライキばっかりやってる政府所管の”現業”の給与がなんで一般職公務員より10%も高いんですか。けしからんですよ。行革はまず政府所管の”現業”の給与10%カットから始めるべきです」  後藤田官房長官は、苦い顔をして叱る。 「的場君、ふつうの月給とりにとってな、10%の給与引下げというものは大変なことなんだぞ、家族もいるんだ。君は大蔵省からきたからそんな血も涙もないこと、いえるんだ。君のような奴は地獄へゆけ!!」  的場内政審議室長は間髪をいれずいった。 「官房長官、お伴、致します」 後藤田官房長官は虚をつかれてたじろぐ。 「なにィ?ワシに地獄へゆけと、君はいうんか、ワシはそんなとこにはいかんぞ」  思わず一同笑い出してしまう。こんな憎まれ口を叩きながらも、的場室長が盲腸炎で入院したときくと、すぐ見舞いにいったものだ。 どうです、素晴らしいこのやりとり。国士の会話、大人の会話。みんな心根は一緒だけど、多事争論。 この時とくらべると、日本の民主主義の成熟度は却って落ちていると想わざるを得ない。ああ、現代政治の愚かさよ。

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2009/10/04

佐々さんが後藤田さんについて書かれている本です。 警察時代に限らず、内閣官房長官時代の事や それに準じたエピソードが満載でとても面白いです。 この本を出すにあたり 佐々さんが後藤田さんに本出版の許可を貰いにいったら 『自分はもう公人じゃない、私人だから 名誉棄損で個人を訴える...

佐々さんが後藤田さんについて書かれている本です。 警察時代に限らず、内閣官房長官時代の事や それに準じたエピソードが満載でとても面白いです。 この本を出すにあたり 佐々さんが後藤田さんに本出版の許可を貰いにいったら 『自分はもう公人じゃない、私人だから 名誉棄損で個人を訴える事も出来る。 変な事書いたら覚悟しとけ』 と言われたエピソードが後藤田さんらしいというか(笑) 日本で最も恐れられた政治家で偉人だった半面 自室でこっそりお芋を食べてるとか(笑) 可愛いらしい好々爺的一面もあって、とても興味あるおじいちゃんです。 この人ほどの力量のある政治家は今の平成の世の中には 残念ながら存在せず、本当今だからこそ居て欲しいと 心底思える日本の誇るべき政治家だったと思います。 お孫さんに期待したい所ですな(笑)

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2009/10/04

難しかったです。 よど号ハイジャックや日本赤軍当時のことをよく知らないので、最初の方はチンプンカンプンでした。 後藤田さんが官房長官になって内閣安全保障室が設置されると話が面白くなってきて、最後まで楽しく読めました。

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2011/07/25

この人の書いた「危機管理のノウハウ」という本は随分以前に読んで、非常に面白かったという記憶はある。この本は、後藤田正晴の伝記ではあるが、作者自身の「ああした、こうした」が半分くらいを占めている。それでも、まぁ、面白いと言えば面白いのだけれども。

Posted byブクログ

2009/10/04

実名で書かれた人々のエピソードには「やっぱりな」と「マジッすか」が同じくらいあって、政界にも役人にも、まともな人物を見分けるのはつくづく難しいと感じる。佐々さんも後藤田さんも一線から退いてしまった今、誰を頼りに生きていけばいいのさ、という気分になってくる。「危機管理」ダイジョブか...

実名で書かれた人々のエピソードには「やっぱりな」と「マジッすか」が同じくらいあって、政界にも役人にも、まともな人物を見分けるのはつくづく難しいと感じる。佐々さんも後藤田さんも一線から退いてしまった今、誰を頼りに生きていけばいいのさ、という気分になってくる。「危機管理」ダイジョブかニッポン?!

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