友情 の商品レビュー
1932年ドイツの冬の日、ユダヤ人とドイツ貴族の少年たちは出会い…の表紙見返しのあらすじ冒頭でもう結末は予想ができるので、どんな風に出会ってやり取りをして別れるのか、の経過を見守る心持ちで読んだ。 それほど重要ではなかった自分の中にある「国」という要素が突如重い意味を持ち始め、...
1932年ドイツの冬の日、ユダヤ人とドイツ貴族の少年たちは出会い…の表紙見返しのあらすじ冒頭でもう結末は予想ができるので、どんな風に出会ってやり取りをして別れるのか、の経過を見守る心持ちで読んだ。 それほど重要ではなかった自分の中にある「国」という要素が突如重い意味を持ち始め、大人も子供も周囲がすべて掌を返していく中、聖域とは成り得なかった二人の関係は、形を変えて時代を経ても有り得る。大切だったものが壊れた後には、そうでなかったものより視界に入れたくなくなる。けれど、心に打たれた楔は何十年も抜けず、捨てることもできた筈のものにいつか向き合わざるを得ない。 終わり方が簡潔だからこそ、そのラストに至るまでの部分に何があったかを読者に委ねる広がりがある作りだなあと思いました。
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綺麗な風景が浮かんでくる話し方を楽しめた。注が多かったことと世界史を習っていないとなかなか難しい内容だった。その時代の状況がよく理解できて知識も深まった気がする。
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お涙頂戴的なおセンチな本と言われようが、これを読んで涙したことは事実。もう一度読み返したいが、どこの段ボール箱に入っているか不明。
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忍び来る戦争の足音の中で芽生える民族を越えた友情。 短めで残酷なシーンの無い戦争物語なので読書感想文やその手のレポートにもオススメ。 どうか友情があまりにも遠くなる前に読んで下さい。
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転校生というのは今時だと それだけでいじめの対象になったりと 大変なことが多いらしいが 一方でこの小説に出てくるコンラディンのような内向的な魅力ある子が転校生となると そのミステリアスな部分がさらに増幅され、より一層の抗いがたい魅力を放つことがあるのかもしれない。 そしてさらにはお互いが孤独の中で唯一認め合う存在となった場合には おそらく一生涯忘れえぬ幸福な出会いとなるはずだったのに、、、 第2次世界大戦のナチスによるユダヤ人迫害が 具体的にそこに生きた人の心理にどんな影響を及ぼしたか ということが あまり直接的な表現ではないが 通奏低音として小説全体を通しての暗いトーンを作り出していて 改めてそのことを考えさせられた。 最後の一行でのどんでん返し というか 仕掛け は本当にドラマチックで衝撃的。 原題はreunion でこれはまさにこの作品の本質を端的に表していると思うが 残念ながら日本語で 再団結などと直訳しても どうもニュアンスが違う気がする。 友情 では すこしおおざっぱすぎる気がするが 日本語ではうまく該当する言葉がないのだから しょうがないのだろう。 きっと翻訳というのは思ったより難しい作業で 訳者のセンスが問われるものなのだろう と思った。 中学生の息子にも是非読んでほしいと思う本だった。
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最後の一行を読んだのち、帯の「命さえも投げ出していい友情」を見返して胸が熱くなりました。ラジオドラマにもなっていたらしい。是非聴いてみたいです。
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深夜に読み終えた。最期の一文が熱い鉄棒みたいに心臓に押し当てられて苦しい。 自分の思い通りに友情を運ぶことも終えることも、選べない時代によくぞ出会ってくれたなと。
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聖書の一節に惹かれ友の為に死ぬことを誇りと感じる主人公の少年。 彼はユダヤ人。唯一と惹かれた友達はドイツ人だ。 ヒトラーのユダヤ人への迫害が始まり、二人は決定的に別たれていく。 最初に拒絶したのがどちらなのかも分からない。 ただ最終的に友の為に死ぬ誇りを持っていたのは友達の方だ...
聖書の一節に惹かれ友の為に死ぬことを誇りと感じる主人公の少年。 彼はユダヤ人。唯一と惹かれた友達はドイツ人だ。 ヒトラーのユダヤ人への迫害が始まり、二人は決定的に別たれていく。 最初に拒絶したのがどちらなのかも分からない。 ただ最終的に友の為に死ぬ誇りを持っていたのは友達の方だった。 それは結果的にそうなったというだけのことだ。 けれど、その因果の描き方がシンプル故にとても見事だった。
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ユダヤ人の少年とアーリア人の少年の友情の話。 リユニオン、は決して友情とは訳さないが、それでも構わない。
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