非対称情報の経済学 の商品レビュー
情報の非対称性に興味があり手に取る。 非対称情報の経済を、ギャンブルや保険、更には政治の例を用いて説明している。 入門書だから、簡単な事例に留まるも、 個人的には、も少し突っ込んだ話を期待したなぁ。 ま、基礎が分かったら、自分で考察して下さいってことかな? 新古...
情報の非対称性に興味があり手に取る。 非対称情報の経済を、ギャンブルや保険、更には政治の例を用いて説明している。 入門書だから、簡単な事例に留まるも、 個人的には、も少し突っ込んだ話を期待したなぁ。 ま、基礎が分かったら、自分で考察して下さいってことかな? 新古典派経済に飽きてしまったあなたにオススメな一冊。
Posted by
スティグリッツの提唱する、非対称情報下の経済学では、情報が非対称=完全でないことから、新古典派経済学が説明できない経済現象を説明できる。 新古典派経済学では、様々な要因を省いて考えている(たとえば、情報の取得費用は0=完全情報)が、現実世界ではそうではないですよ、ということ。 ...
スティグリッツの提唱する、非対称情報下の経済学では、情報が非対称=完全でないことから、新古典派経済学が説明できない経済現象を説明できる。 新古典派経済学では、様々な要因を省いて考えている(たとえば、情報の取得費用は0=完全情報)が、現実世界ではそうではないですよ、ということ。 たとえば、中古車市場では、売り手は中古車が優良なのか故障車なのか知っているが、買い手は個々の車がどちらなのか一見ではわからない。 わかりやすく書いてあるが、経済学やってない身としては、むずかしいところもあった。。
Posted by
伝統的経済学について述べた後、完全競争市場の前提条件に疑問を問いかける。 1.商品の同質性・・・メーカーによって味の違うビール(つまり質が違う財)でも、「すべて同じビール」とみなしていいのか? 2.情報の完全性・・・飲んだことのない地ビールの味を、消費者は購入前から知っている...
伝統的経済学について述べた後、完全競争市場の前提条件に疑問を問いかける。 1.商品の同質性・・・メーカーによって味の違うビール(つまり質が違う財)でも、「すべて同じビール」とみなしていいのか? 2.情報の完全性・・・飲んだことのない地ビールの味を、消費者は購入前から知っているだろうか?また、販売しているもの(財)の定価が製造原価に対して適切なものかどうか、消費者は知ることができるのだろうか? 3.所有権・・・売買の取引成立には、取引対象商品の所有権(所有者)が明確に定義され、その所有権が保護されなければならない。環境問題は、空気が誰のものか明確でなく、保護されないために生じているとも考えられる。(ex.空気は、生産活動を行う工場のものか?それとも近隣住民のものなのか?) 新しい市場では、情報は不完全・非対称であるとし、市場がどのように機能するかを考える。 *中古車市場のケース(中古車の購入者:質の良い中古自動車かどうかをプロ並みに見抜くことは困難。中古車の販売者:中古自動車の質、市場での適正価格etc...購入者が知らないたくさんの情報を保有している。⇒情報非対称) *保険市場のケース(保険料をやみくもに上げると、病気になりにくい(もしくは自動車事故を起こさない)ユーザーがいなくなり、病気がちな(もしくは事故をよく起こす)加入者の割合が増え、保険会社の保険料負担が逆に増えてしまう。) 他に、「組織と制度」についてや「マクロ経済学」についても、情報非対称性を用いた議論が展開されている。
Posted by
[ 内容 ] 二〇〇一年「非対称情報下の市場経済」という経済分析の発展に対する貢献で、三人のアメリカの経済学者にノーベル経済学賞が与えられた。 その一人のジョセフ・スティグリッツ・コロンビア大学教授(クリントン政権下の経済諮問委員会委員長、世界銀行の上級副総裁・チーフエコノミスト...
[ 内容 ] 二〇〇一年「非対称情報下の市場経済」という経済分析の発展に対する貢献で、三人のアメリカの経済学者にノーベル経済学賞が与えられた。 その一人のジョセフ・スティグリッツ・コロンビア大学教授(クリントン政権下の経済諮問委員会委員長、世界銀行の上級副総裁・チーフエコノミストを歴任)の直弟子・藪下史郎早稲田大学教授がこの「新しい経済学」をやさしく解説し、また日本経済失速の原因を明らかにする。 [ 目次 ] 第1章 伝統的経済学の限界 第2章 新しい経済学の誕生 第3章 非対称情報下の市場 第4章 モラルハザードと経済活動 第5章 組織と制度 第6章 マクロ経済学と非対称情報 第7章 九〇年代の日本経済と金融不安 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
Posted by
スティグリッツの、というより経済学説史のような文章構成でそれぞれの長所と短所に言及してあり、後半は各論。 経済学はいつの時代も完全じゃなかったですね。
Posted by
簡単で物凄くわかりやすく書かれているのはいいんだけど、タイトルに「入門」とか一言入ってたらもっと良かったし星5だったと思う。 伝統的な新古典派ミクロ経済学の限界を提示して、スティグリッツと非対称情報の経済学の略歴、そして非対称情報の経済学の解説って感じ。 確かに今習ってるミクロ経...
簡単で物凄くわかりやすく書かれているのはいいんだけど、タイトルに「入門」とか一言入ってたらもっと良かったし星5だったと思う。 伝統的な新古典派ミクロ経済学の限界を提示して、スティグリッツと非対称情報の経済学の略歴、そして非対称情報の経済学の解説って感じ。 確かに今習ってるミクロ経済学の理論では現実を描き出すのに限界があるんだろなってのわかる。まぁ今は教科書で非対称情報下での動きもモデル化して載せてるけど。 非対称情報の経済学ではモラルハザードと逆選択がメインなものなのかな、この二つをさまざまな例を挙げて説明。保険や中古車市場ってのは有名な例さね。 また安定性や公平性と効率性を同時に達成するのは非常に困難で、どちらかを優先するならどちらかを犠牲にしなければならないって当たり前の話も深みを持って納得できた。 日本の雇用制度にもそれなりのメリットがあること、そして制度が「ナッシュ均衡」であるとゆうのも新しい視点。 そして非対称情報の経済学をマクロにも応用して、効率賃金理論や屈折需要曲線、金利と非対称情報についてなども勉強になったし。 またこの本を通して初めてバランスシート不況とゆうものをおおまかに理解できた。 日本に必要な改革は単なる規制の撤廃だけではなく、情報の非対称性をなんとかすることとインセンティブを高める租税制度などもっと考えなきゃならないことがあるんだとも実感。
Posted by
現在我々が直面する保険や中古車市場の問題に関しても売り手と買い手の持つ情報のズレが存在する。これらの問題は情報化社会・成熟社会で必然的に起こる。情報の非対称性により変化する需要供給曲線の説明も簡単にされている。
Posted by
モラルハザードや逆選択について簡潔にまとめられている。 これからの時代、人の行動を経済学的に分析することはより重要になってくるはず。 半歩進んだ視点を大切にしなければ~
Posted by
情報の非対称性という概念を知りたい、と開発経済の先生に聞いたらお勧めしてくれた本。 薄いし、読みやすい。 「新しい経済学」とよばれるこの分野が、スティグリッツやアカロフといった開拓者の途上国での経験をもとに生まれた、という原点を知って、 いままでの経済学で説明できない不可解なこ...
情報の非対称性という概念を知りたい、と開発経済の先生に聞いたらお勧めしてくれた本。 薄いし、読みやすい。 「新しい経済学」とよばれるこの分野が、スティグリッツやアカロフといった開拓者の途上国での経験をもとに生まれた、という原点を知って、 いままでの経済学で説明できない不可解なことがらは新しい経済理論をつくって説明しようとするのが経済学者なんだなぁ、とわかった。 そして自分のとりたいアプローチは経済学ではないなということも直感できた。
Posted by
新古典派経済学の仮定を覆す1冊。 スティグリッツ経済学の入門書です。 経済学の勉強を始めたくらいの人でも簡単に読めます。
Posted by