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一神教vs多神教 の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2024/01/14

2023年に読んだ本の中で最も面白かった。 聞き手の三浦雅士氏のおかげもあってとても分かり易い説明になっており、どんどん読み進めることができる。 読後はイスラエルとパレスチナ、アメリカとイランがギクシャクした関係になった背景か何となく理解できたような気がした。特に唯一絶対神に支え...

2023年に読んだ本の中で最も面白かった。 聞き手の三浦雅士氏のおかげもあってとても分かり易い説明になっており、どんどん読み進めることができる。 読後はイスラエルとパレスチナ、アメリカとイランがギクシャクした関係になった背景か何となく理解できたような気がした。特に唯一絶対神に支えられた正義に宿っている憎しみとか、戦争、攻撃に対する拠り所にしているところなど、とても上手く説明できている。 著者は確かに学者っぽくない。こう考えると上手く説明できる、という域を超えて証明したりしていないので仕方ないが、この人はそれでいいと思うし、それだからこそ魅力的な作品が生まれたのだと思う。もしそれをして一神教の信者を打ち負かしたりしたら、それは正義を振りかざす絶対性論者と同じになってしまう。

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2019/01/16

すごくよく分かる!と同調する個所と首を傾げてしまう箇所があり、論理を信じたいと思う部分への箇所がぐらつくものだから踏み止まってしまう、とそんな印象。歴史的にそれは、と思っても、その歴史自体否定されたら、では著者様の根拠となるものって?となってしまうのだけど、そこを乱暴にこう!と出...

すごくよく分かる!と同調する個所と首を傾げてしまう箇所があり、論理を信じたいと思う部分への箇所がぐらつくものだから踏み止まってしまう、とそんな印象。歴史的にそれは、と思っても、その歴史自体否定されたら、では著者様の根拠となるものって?となってしまうのだけど、そこを乱暴にこう!と出されているようで、一層離れてしまうような。でも現在の米とかイスラムテロとか欧米とかの状況はひどくはまる。そして、一神教の国々の争いに、果たして多神教の日本が首突っ込んでいいのかという、一抹の恐ろしさが。

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2014/02/18

いろんな点で興味深い本ではあるが、理論の飛躍、裏付けの頼りなさが気になる。対話本だから仕方ないのか。 個人的にはトンデモ理論的に楽しませて貰いました。 語られていることが正しいか正しくないかは別として、絶対的な正義には必ず悪や悪に対する憎しみがセットになっていることには納得。 自...

いろんな点で興味深い本ではあるが、理論の飛躍、裏付けの頼りなさが気になる。対話本だから仕方ないのか。 個人的にはトンデモ理論的に楽しませて貰いました。 語られていることが正しいか正しくないかは別として、絶対的な正義には必ず悪や悪に対する憎しみがセットになっていることには納得。 自我のあり方を宗教の話に広げ、また最後に自我や個人的な問題に戻っているのは面白い。 そして最後の締めが、一神教でも多神教でもどちらでも良いと(笑) 岸田先生、自由だなぁ。

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2013/07/22

絶対的なるものに依っていると、 相反する意見を服従させようとしてしまうから、 相対的に考えたほうが折り合いをつけやすい、 ということを岸田秀さんは一貫して主張している。 その目線から一神教と多神教を語る本。 一神教の起源はユダヤ教であり、ユダヤ人というのは、 エジプトから脱して...

絶対的なるものに依っていると、 相反する意見を服従させようとしてしまうから、 相対的に考えたほうが折り合いをつけやすい、 ということを岸田秀さんは一貫して主張している。 その目線から一神教と多神教を語る本。 一神教の起源はユダヤ教であり、ユダヤ人というのは、 エジプトから脱してカナンの地へ行った人たちのことである。 ユダヤ人という人たちがいて、 エジプトで奴隷として働かされ差別されていたわけではなく、 差別されていた人たちがモーセによって引き連れられ、 パレスチナへやってきて、ユダヤ人となった。 ユダヤ人は神と契約してその信者になる。 赤の他人同士である。自然発生的な、血の繋がった民族神とは異なり、 養子縁組をした神である。 また、キリスト教は、ローマ帝国によって押し付けられた宗教である。 押し付けられた宗教に改宗した人々は、また別の人々へ改宗を要求する。 また、唯一絶対の正しさを主張し他の主張を容認しない。 家庭内暴力を受けた人がまた自分の子どもへ家庭内暴力を 振るってしまうという連鎖を連想した。 P162-163 「個人によって程度は違いますが、われわれは多かれ少なかれ民族や国家に自我を仮託していますからね。というより、民族や国家も自我のひとつの表現形態じゃないですか。民族でも国家でも仲間が傷つけられると、自我も傷つくのです。」 これは民族や国家というレベルではなくてももっと身近で、 自分の趣味や熱を入れているものへ自我を仮託しているケースも 考えられる。

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2009/10/07

多分、こんな内容の本は日本くらいでしか出版できないのでしょうね。 間違った国で出版されると、暗殺されかねないくらいの内容です。 かといって、過激な内容では決してないと感じます。現在の混沌とした世界情勢について語っているだけなのです。

Posted byブクログ