百鬼園随筆 の商品レビュー
いいですねえ、内田百閒。 随筆と謳つてゐますが、創作集として読みました。実話が元になつてゐるだらうと思ふものの、第一級の小説作品だと感じてをります。 冒頭の「短章二十二篇」が素晴しい。単に我儘で自己中心的な人物には書けぬ逸品と申せませう。研ぎ澄まされた五感を遺憾なく駆使し、読者に...
いいですねえ、内田百閒。 随筆と謳つてゐますが、創作集として読みました。実話が元になつてゐるだらうと思ふものの、第一級の小説作品だと感じてをります。 冒頭の「短章二十二篇」が素晴しい。単に我儘で自己中心的な人物には書けぬ逸品と申せませう。研ぎ澄まされた五感を遺憾なく駆使し、読者にご馳走を提供してゐます。 「ヨーヨー」に「揺揺」なる漢字があるとは知りませんでしたな。ふふ。 「貧乏五色揚」では、専ら借金の話であります。この人の金銭感覚はわたくし共凡人とはかけ離れてゐるため、周囲が通俗的な助言をしても一向に改善の兆しは見られません。 さういへば『阿房列車』でも、無用の汽車旅をするために、わざわざ借金の申し込みをしてゐました。 「七草雑炊」の作品群では、作者のユウモワセンスが炸裂してゐます。これらの作品群を読んで、クスリともしない人がゐるなら、残念な人と申せませう。わたくしは声を出して笑つてしまつた。 本心よりお勧めの一冊と述べることにします。 惜しむらくは、本来の表記(いはゆる歴史的仮名遣ひ)で収録されてゐる旺文社文庫版が好いのですが、中中入手が容易ではないので、新表記の新潮文庫版をあげときます。ちよつと口惜しい。 http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-97.html
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始めのうちは、この文章にどう対していいか、わかりかねた。 借金をして、金策に走り回る姿が、淡々と描かれる。 あるいは、何度も世話になった金貸し業の男と、その家庭がちらりと描かれる。 うっかりすると、大正期の私小説が描く日常なんだけれど・・・ おかしさもあるけれど、後でだんだん...
始めのうちは、この文章にどう対していいか、わかりかねた。 借金をして、金策に走り回る姿が、淡々と描かれる。 あるいは、何度も世話になった金貸し業の男と、その家庭がちらりと描かれる。 うっかりすると、大正期の私小説が描く日常なんだけれど・・・ おかしさもあるけれど、後でだんだんとしみじみとした感じを受ける。 不思議な感覚だった。
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とても楽しい一冊だった。内田百閒先生の大ファンになってしまった。 お金の工面の話、飛行機の話、どれを読んでも内田百閒――あるいは百鬼園――ワールド。偏屈で強情で、でも憎めない。文章も美しく、すらすらと読み進められる。これも出来れば歴史的仮名遣い版を是非読んでみたい。 ラストの...
とても楽しい一冊だった。内田百閒先生の大ファンになってしまった。 お金の工面の話、飛行機の話、どれを読んでも内田百閒――あるいは百鬼園――ワールド。偏屈で強情で、でも憎めない。文章も美しく、すらすらと読み進められる。これも出来れば歴史的仮名遣い版を是非読んでみたい。 ラストの梟林記はちょっとほろりとさせられる。素敵な余韻だった。今すぐにでも百閒先生の他の著作も読んでみたい。まだ百閒先生を知らない方にも是非おすすめ。
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おすすめは百鬼園先生幻想録。飛行機の話はとてもユーモアがあってそこらの下手なお笑い番組よりよっぽど面白い
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随筆としてのよさはもう触れるまでもない素晴らしさですのであえて飛ばしますが、とにかく読んでてこんな妙な不安を覚えた本はそうはないっていうか、百間先生の借金ぶりがもうね! 前半は知人に借りていた借金が、後半ではだんだんよからぬところに借りにいく描写が増えるこのかんじがもうすごい不安...
随筆としてのよさはもう触れるまでもない素晴らしさですのであえて飛ばしますが、とにかく読んでてこんな妙な不安を覚えた本はそうはないっていうか、百間先生の借金ぶりがもうね! 前半は知人に借りていた借金が、後半ではだんだんよからぬところに借りにいく描写が増えるこのかんじがもうすごい不安、すごい心配になる、そうなったときには百間先生に心掴まれてる!
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嫌味はない。 どこか真っ直ぐで はたまた、どこか抜けている。 だからこそ 愛おしく感じてしまうのだろうか。 「おいっ!」と何度も突っ込みたくなるようなそんなお方。 ユーモア溢れる百閒さんにあっぱれ!
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随筆だからといって、本当のことが書いてあるわけではない。 余韻の残る文体と洒脱な視線で描かれた美しい嘘かもしれない本当。 芥川による表紙の絵も楽しいじゃないか。
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読み終わるまでに大分時間を掛けた。 彼がどんな家庭でどんな思想を胸にどんな行いをし、どう過ごしたか。 この随筆を読むとパーツパーツが組み合わさって輪郭が生まれる。 見栄と虚構と率直さ。 シンプルな自分主義が愛しい。 川上弘美の解説も好い。 イヤダカラ、イヤダ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
内田百間は借金で有名らしいが,実体験を元にした(と思われる)借金関係の随筆がよい.とらえどころがなく,クールである.村上春樹はこの系統に連なるのでは?
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正直、あんまり好きじゃない。。。かな。。。 表現や文体なんかはとっても素敵だと思うんですが、その、内容が強烈過ぎて、、、、 ほかの作品なら、、もっとすっと読めるのかな?と思いました。
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