赤ひげ診療譚 の商品レビュー
100刷を超える世代ほ超えて読み継がれた秀作である。清貧な名医「赤ひげ」新出去定に呼び出された遊学から戻った保本登の診療にまつわるあれこれの話である。『三度目の正直』『徒労に賭ける』が特に良かった。貧しさ、正義、因業、欲望、愛欲が作者の巧みな筆で生き生きとまざまざと描かれている。...
100刷を超える世代ほ超えて読み継がれた秀作である。清貧な名医「赤ひげ」新出去定に呼び出された遊学から戻った保本登の診療にまつわるあれこれの話である。『三度目の正直』『徒労に賭ける』が特に良かった。貧しさ、正義、因業、欲望、愛欲が作者の巧みな筆で生き生きとまざまざと描かれている。作者の没年のあとに生まれたのが残念である。これも因業か。
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まどろっこしくて、高校時代に『樅ノ木は残った』を挫折して以来、何故かしら山本周五郎とは全然縁がなく、現在に至っていた。 しかし、齢五十を越えて読む山本周五郎は実に心地佳い。 そうか。山本周五郎は、若造の高校生なんぞが読んではいけない、それなりの人生経験を持つ大人のための小説だった...
まどろっこしくて、高校時代に『樅ノ木は残った』を挫折して以来、何故かしら山本周五郎とは全然縁がなく、現在に至っていた。 しかし、齢五十を越えて読む山本周五郎は実に心地佳い。 そうか。山本周五郎は、若造の高校生なんぞが読んではいけない、それなりの人生経験を持つ大人のための小説だったのだ。
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赤ひげのもとで働くことになった傷心の青年医師。彼のひねくれた心が次第にほぐれていく様子が面白い。患者の話をひたすら聞いて、赤ひげ先生の思いを聞いて、医者の仕事は聞くことが大事なんだな。 赤ひげ先生は、罪はその人自身ではなくつきつめれば貧困のせいだという。 だけど、最後に登も言っ...
赤ひげのもとで働くことになった傷心の青年医師。彼のひねくれた心が次第にほぐれていく様子が面白い。患者の話をひたすら聞いて、赤ひげ先生の思いを聞いて、医者の仕事は聞くことが大事なんだな。 赤ひげ先生は、罪はその人自身ではなくつきつめれば貧困のせいだという。 だけど、最後に登も言っていたが、どんな環境にいたって人間として立派な人もいれば、裕福でも最悪な人柄の人もいる。 最後の2人のやりとりがまたいい。これからも2人言い合いながら診療を続けていくんだろうな、もっと読みたいなと思った。
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赤ひげの所に「気違い女」が入院してきた。しかし、男に蹂躙され、悲しい思いを持ち続けた女は夜叉として関係した床を刺殺するので、隔離されているのであった。 いろんな患者もいろんな生活苦で悩んでいる。
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樅の木は残った以来の山本周五郎作品だと思う。 空気感の描写が独特で、ふわっとしている感じに馴染めない印象があったが、人気作家である理由が本作品でわかった気がする。 もっといろいろな作品が読みたくなった。 時間を空けてから再読してみたい。
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主人公は赤ひげ先生じゃなくて、そこに新しく入った医師。初めは嫌厭してたのに赤ひげ先生や医師としての使命(?)に改心していくところが興味深かった。 貧困とは心も病むものだというのは初めて知ったかも。生きていくのにお金に不自由しないというのは、かなりいい世界なんだな。
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2013/11/22 思っていた感じとは違ったけど、とてもいい作品。 仕事がすごく忙しくて読むのにかなり時間がかかったので、次読む時はもう少し集中して読みたい。 保本がどんどん変わっていく姿がいい。
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幕府の藩医というエリートコースを歩むべく、長崎で医学を学んだ保本登は、小石川養生所の赤ひげと呼ばれる医長、新出去定に呼び出され、医員としてはたらくことになる。そこでは貧しい人々に医療を施しており、決して綺麗な仕事ではないため、登は去定に反発するが、次第に去定の人間性に惹かれ、養生...
幕府の藩医というエリートコースを歩むべく、長崎で医学を学んだ保本登は、小石川養生所の赤ひげと呼ばれる医長、新出去定に呼び出され、医員としてはたらくことになる。そこでは貧しい人々に医療を施しており、決して綺麗な仕事ではないため、登は去定に反発するが、次第に去定の人間性に惹かれ、養生所を去って良くなっても残ることを決意する。 実は、登がちぐさに裏切られ、ここで頭を冷やせってことだったんだけど… 駄々っ子みたいに反発してた登が心を開いて、汚い仕事も進んでやるようになるところがすごい。 多少、去定がスーパーマンみたいな所もあるけど、ここまで人情味あふれる作品って素晴らしいと思う‼ 温かみがあって、ホントに素敵な作品*\(^o^)/*
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赤ひげって、もっと温和な仁者をイメージしてたけど、こんなに力強い描かれ方をしてるとは。 子供が自ら命を絶つシーンは涙無くては読めなかった。
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「赤ひげ」を主人公とせず、社会の底辺を生きる人々と、それを見つめる人物の成長とを描く。でも「赤ひげ」という人間のことは最後までわからず、その出自は描いて欲しかった。あとラストがあっさりしすぎ。もっと盛り上げられたのでは。
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