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エリック・ホッファー自伝 の商品レビュー

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31件のお客様レビュー

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2020/07/06

沖仲仕の哲学者。本来の思索者たるべく賢人を風の中に放り投げた。 気晴らしをするものはなにもない。あるのはバルコニーから見える景色。

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2019/06/24
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☆実現しなかったもう一つの人生に触れる思いだ。構想された真実(物語)なのだ。 ・ルナン イスラエル民族史 ・ハムスン 飢え、放浪者 ・ラーゲルレーブ イェスタ・ベルリング物語 p.167 1日6時間、週5日以上働くべきではない。本当の生活が始まるのは、その後。学習する人生。技術の習得に身を捧げるべき

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2019/03/31

エリック・ホッファー自身の歩みが物語的な面白さに溢れており、彼の人々に対する観察眼や各場面での対応などにとても引き込まれる。 日々の生活の中で何かを考え続けることや、何かを学ぶことが己の人生をいかに豊かにするか、改めて気付かされた。

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2018/12/22

115、  真に「もてる者」とは自由や自信、そして富さえも他人から奪わずに獲得できる人たちのことである。彼らは自らの潜在能力を開発し通用することでこれらすべてを獲得する。  これに対して、真の「もたざる者」とは、他人から奪わなければ何も得ることができない人達である。彼らは他人から...

115、  真に「もてる者」とは自由や自信、そして富さえも他人から奪わずに獲得できる人たちのことである。彼らは自らの潜在能力を開発し通用することでこれらすべてを獲得する。  これに対して、真の「もたざる者」とは、他人から奪わなければ何も得ることができない人達である。彼らは他人から自由を奪うことによって自由を感じ、他人に恐怖を植えつけることによって自信を深め、他人を貧しくすることによって裕福になる。

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2017/06/22

くらしの中で「哲学」して生まれた、ちょっとした言葉が深いところに響いてくる。この本の中で、作者がモンテーニュのエセーを評しているように。 アメリカの社会史としても興味深い。 「一九三三年にフランクリン・D・ローズヴェルトが大統領になる前のアメリカは、自己憐憫とはまったく無縁だ...

くらしの中で「哲学」して生まれた、ちょっとした言葉が深いところに響いてくる。この本の中で、作者がモンテーニュのエセーを評しているように。 アメリカの社会史としても興味深い。 「一九三三年にフランクリン・D・ローズヴェルトが大統領になる前のアメリカは、自己憐憫とはまったく無縁だった。言葉を交わした人間の誰一人として、自分の不幸を他人のせいにする者はいなかった。人生を語るときは、ほとんど例外なしに「悪いのは自分なんですが」と前置きする作法になっていた。」 こういう国から、どうしてトランプ大統領が生まれたのか、 疑問は尽きない。

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2017/04/30

日雇労働、季節労働、港湾労働と社会の最下部に身をおき続け、独学で本を読み、思索した哲学者の自伝。 幼いときに40才まで生きないだろうといわれたホッファーは、その倍以上の人生を生きる訳だが、ここで描かれるのは、その前半40才までの話。 そして、ここまでのホッファーは、まだ著...

日雇労働、季節労働、港湾労働と社会の最下部に身をおき続け、独学で本を読み、思索した哲学者の自伝。 幼いときに40才まで生きないだろうといわれたホッファーは、その倍以上の人生を生きる訳だが、ここで描かれるのは、その前半40才までの話。 そして、ここまでのホッファーは、まだ著作家ではなく、放浪の労働者である。「私はいかにして哲学者になったのか」という回顧録ということかな。 といっても、難しいことは全く書いてある訳ではなく、社会の最下部を浮遊する人生が、とても淡々と描かれていく。 大不況時代における季節労働者なわけで、悲惨を絵に描いたような苦労話を想像してしまうのだが、人と人との出合いから生じるさまざまなエピソードには、むしろ明るさ、楽しさすら感じられる。 金や権力といったものより、世界の最下部を支える単純労働のほうが、確実に実体のあるものであり、安定した存在であるという考え方、というか生き方が実践されているんだろうな。 驚くのは、ホッファーがするモンテニューやら、ゲーテの話を周りの季節労働者が聞き入ったり、カフェで議論が始まったりすること。 アメリカの30年代って、こういう時代だったんだろうか? 人々は、苦境のなかで、自然と本質的なことに向かい合っていたんだろうなー。 ホッファーの他の本もすこし読んでみよう。

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2016/08/06

読みたいメモ:The Ordeal of Change 田崎淑子・露木栄子訳『変化という試練』(大和書房、1965年)が良いらしい。

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2017/12/22

“沖仲士の哲学者”と呼ばれるエリック・ホッファー(米国・1902~1983年)の、40歳頃まで(沖仲士になる前まで)が綴られた半生記である。 ホッファーは、独系移民の子としてニューヨークに生まれ、7歳で母親と死別し、直後に視力を失うものの、15歳で奇跡的に視力を回復した。18歳で...

“沖仲士の哲学者”と呼ばれるエリック・ホッファー(米国・1902~1983年)の、40歳頃まで(沖仲士になる前まで)が綴られた半生記である。 ホッファーは、独系移民の子としてニューヨークに生まれ、7歳で母親と死別し、直後に視力を失うものの、15歳で奇跡的に視力を回復した。18歳で父親が死去した後、暫くロサンゼルスで暮らすが、20代後半の自殺未遂を機に季節労働者としてカリフォルニアの農園を渡り歩き、その間、労働の合間に独学で物理学・数学・植物学をマスターする。その後、勤務していたレストランでカリフォルニア大学バークレー校柑橘類研究所所長に、その植物学とドイツ語の能力を認められる機会にめぐり逢い、一時は研究員として働くが、結局もとの放浪生活に戻ってしまう。。。 ホッファーが40年間に体験した出来事は、まるで小説のようなドラマティックなものが多く、それがこの自伝の面白さにもなっているが、その一方で、彼の人生に臨むスタンスは実にシンプルで淡々としたものであり、それがホッファーという一人の人間の大きな魅力なのだろう。 本半生記には登場しない40代後半以降、ホッファーは、多くの作品を執筆するほか、大学の教壇に立ったり、テレビに出演したりするが、彼の人生の原点は、本書に記された40歳までの半生にあるように思う。 ホッファーは、67歳の時の著作『波止場日記』の中で「私が満足するのに必要なものは、ごくわずかである。1日2回のおいしい食事、タバコ、私の関心をひく本、少々の著述を毎日。これが、私にとっては生活のすべてである」と語っているが、物質的な欲望に限界と疑問を感じる今、ホッファーのような精神性に支えられた人生に強く憧れを抱くのである。 (2007年5月了)

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2017/12/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

【引用】 ・慣れ親しむことは生の矛先を鈍らせる。おそらくこの世界において永遠のよそ者であること、他の惑星からの訪問者であることが芸術家の証なのであろう。 ・近代人は(中略)ようやく自由を手に入れたものの、今度は、「かれ自身の魂の救済を、しかも四六時中、行わねばならなくなった」。自らに対して、そして社会に対して、自らの価値を日々証明し、自らのっ存在を理由づけなければならなくなった。 (中略) われわれは、往々にして、自分自身に満足できず、「自分自身と異なったもの」になりたいと熱望する。 ・情熱とよばれる情念の大半には、自己逃避がひそんでいる。何かを情熱的に追及する人は、すべて逃亡者に似た特徴をもっている。 ・情熱的な態度というものは、外からの刺激に対する反応であるよりも、むしろ内面的不満の発散なのである。

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2014/12/21

これも、読書の腕前から知った本。 こちらは文句なしに面白かった。恥ずかしながら、初めてエリック・ホッファーのことを知り、魅せられた!彼の人生そのものが、小説のよう。 肉体労働から生み出される思想。 興味津々。 難しそうだが、いつか彼の著書も読んでみたい。

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