梅原猛著作集(9) の商品レビュー
■古代アジアに現れた比叡山というユニバーシティ■2006.7.22 ■歎異抄、唯円から見た親鸞 この本の中で親鸞は、弟子が書いた「歎異抄」を通じて描かれています。しかしこの親鸞の紹介はどうにも煮え切らない。梅原氏の仕事としては珍しく詰めが感じられない。 別途レビューして...
■古代アジアに現れた比叡山というユニバーシティ■2006.7.22 ■歎異抄、唯円から見た親鸞 この本の中で親鸞は、弟子が書いた「歎異抄」を通じて描かれています。しかしこの親鸞の紹介はどうにも煮え切らない。梅原氏の仕事としては珍しく詰めが感じられない。 別途レビューしている「『歎異抄』入門」も著者は同じですから、詳しくはそちらでということになります。http://booklog.jp/users/barworld/archives/456963267X ■仏教思想を完結し体現してみせた空海 一方、最澄が如何に日本仏教の発展に貢献したかということが緻密に立証されていきます。同時代の空海が孤高の光の世界に荘厳せられた生き神であったのに対して、やや年長で幼少時代から日本の将来を肩に背負っていたエリート親鸞は、完成された教義ではなく、仏の教えが将来に渡って刷新されて行くシステムを作ったと云うのが著者の評価です。 ■期待を背負い礎となった最澄 当時の日本ではあらゆる学問は僧が受け持っていた事を考えると、比叡山は一種のユニバーシティであったと云うのは著者の慧眼であると思ひます。最澄にそのつもりが有ったのか無かったのかに関わらず、その後の比叡山が、時代を画する名僧を次々と輩出することになったのは事実であります。 ■梅原氏に依る歎異抄全文現代語訳なども追録 本書には単行本『三人の祖師―最澄・空海・親鸞 (仏教文化選書)』もありますが、全集の方が出版が後で、幾分かの追録があるようです。ソフトカバーの携帯性を採るか、全集の保存性の良さ(ものによっては字組や装丁などの仕事の細かさ)を採るかは悩むところです。
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