邪魔 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
始まりは、小さな放火事件に過ぎなかった。 似たような人々が肩を寄せ合って暮らす都下の町。 手に入れたささやかな幸福を守るためなら、どんなことだってやる。
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独身時代に読んだことがあるはずなのに、全く覚えておらず、、もう一度読み返してみた。主婦になった今の心境と重なるのか、めちゃくちゃ印象に残る作品だった。主婦、刑事、不良少年、どれをとっても複雑にからみあう「邪魔」が絶妙でかなり面白い作品でオススメしたい。
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おもろすぎる…こんなに面白い本があるのか… 読み終わってみてタイトルの「邪魔」が何なのか考えたけど、個人的には恭子の「母として」「女として」与えられた役割に収まることが「邪魔」だったのかなと思った。あとは、「邪魔物」になる3人を描いた作品だったのかなと思った。 いつもの日常が足元...
おもろすぎる…こんなに面白い本があるのか… 読み終わってみてタイトルの「邪魔」が何なのか考えたけど、個人的には恭子の「母として」「女として」与えられた役割に収まることが「邪魔」だったのかなと思った。あとは、「邪魔物」になる3人を描いた作品だったのかなと思った。 いつもの日常が足元から少しづつ崩れていくのを3人の登場人物の視点から描いているんだけど、ジワジワ侵食されていく感じが秀逸。 刑事ものとしてももちろん面白い。犯人は序盤でわかるんだけど、そっから物語が展開していくテンポが良いし、続きがどうなっていくのかが気になりすぎてサクサク読めた。 恭子の今までは助手席で誰かが運転してくれる人生だった、みたいな一文妙に記憶に残ってる。 波風立てたくない人だった恭子がドンドンいい意味でも悪い意味でも大胆な人になっていって「もうええじゃないですか」ってなった。守りたかっただけなのにね…。全ての役割から解き放たれた恭子はどこにいったんだろう。 久野のお義母さんの真実全然気づかなくて明かされた時鳥肌たってしもた。久野の奥さんを思う気持ちとかお義母さんに対して大事に思うシーン、泣けた。 明日はちらし寿司作ろうかな。
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視点は3人だが、メインは主婦の恭子と刑事の久野。他に登場人物も多く、群像劇の様相だが、全員の状況や心象を掘り下げているわけではないので、少し冗長に散らかった印象は残る。 それでも、ちょっとした犯罪行為(冷静に見れば大した事件では無い)をきっかけに、どんどん人生が崩壊していく展開に...
視点は3人だが、メインは主婦の恭子と刑事の久野。他に登場人物も多く、群像劇の様相だが、全員の状況や心象を掘り下げているわけではないので、少し冗長に散らかった印象は残る。 それでも、ちょっとした犯罪行為(冷静に見れば大した事件では無い)をきっかけに、どんどん人生が崩壊していく展開にぐいぐいと惹きこまれる。 というか、そういう話を読みたくて選んだのだが、期待に十分に応えてくれた。 いわゆる世間のどこにでもいる普通の人が、あさましかったり、おぞましかったり、嫌な面をこれでもかとさらけ出してくれるのも良い。 そんな中、刑事久野の立ち位置は独特で、救いのようでもあり、絶望のようでもある描写になっていて、印象深い。
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文庫版上下巻で読了。 上下巻合わせて800ページくらい。 長い。が、長さを感じさせない。 先が気になりグイグイ読める。 流石、英朗だ。 人生とはそんなもんなのかもしれない。 そう感じた。
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不倫、おやじ狩り、放火。何の関連もない小さな事件が積み重なり、関わった人々の人生を大きく狂わせていく。奥田英朗得意の群集劇サスペンス。相変わらず、緻密な構成で読み応えがある。 主要人物の刑事、主婦、高校生の3人が堕ちていく様はあまりにリアル。夫のささいな不良行為がきっかけで、平...
不倫、おやじ狩り、放火。何の関連もない小さな事件が積み重なり、関わった人々の人生を大きく狂わせていく。奥田英朗得意の群集劇サスペンス。相変わらず、緻密な構成で読み応えがある。 主要人物の刑事、主婦、高校生の3人が堕ちていく様はあまりにリアル。夫のささいな不良行為がきっかけで、平凡な幸せを楽しんでいた主婦がすべてを失っていくのは、あまりに救いがなく、不運で片づけるには悲しすぎる。 2002年発表の小説だが、努力しても報われない、誰も幸せにならない、そんな時代が近づいていることを予感していたようだ。
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主婦、不良少年、警察組織と暴力団、それらが放火事件で少しづつ繋がっていく。ヒリヒリする展開が続いてこちらも不穏な気にさせられる。それぞれの心理描写が巧みで一気に引き込まれる。
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2001年 大藪春彦賞 受賞作 /2015年 テレ東ドラマ化 長い導入の後、ヒリヒリするような展開が待っている。親父狩りをしている不良少年 渡辺裕輔、ごく普通のパート主婦 及川恭子、同僚の刑事の素行調査をしている 九野薫、警察組織と暴力団、それらが小さな 放火事件で少しずつ繋がっ...
2001年 大藪春彦賞 受賞作 /2015年 テレ東ドラマ化 長い導入の後、ヒリヒリするような展開が待っている。親父狩りをしている不良少年 渡辺裕輔、ごく普通のパート主婦 及川恭子、同僚の刑事の素行調査をしている 九野薫、警察組織と暴力団、それらが小さな 放火事件で少しずつ繋がっていきます。 警察小説 と言ってもいい。そういった 小説を読むたびに 警察という組織は暴力団とよく似ている、と思ってしまいます。(あくまでも小説上の話だけれど) 権力を盾にした揺るぎのない 縦社会。 上からの命令は絶対。そんな中で神経をすり減らしていく九野刑事は、7年前突然失ってしまった最愛の妻の大きなトラウマを抱えていて、PTSDの症状も出ています。この九野刑事を中心にストーリーは動いていきます。 私が興味深く思ったのは、男性の作家でありながら主婦の心情や、スーパーでパートとして働く主婦たちの内輪の様子も生き生きと描けていることです。 警察組織や暴力団という男社会 を描きながら、市井の主婦が変貌していく様がストーリーに深みを与えています。 デビューから 3作目でこれをかける奥田英朗 という作家はただものではない。それを裏付ける 一冊です。
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だいぶ初期のものみたいですね。 すでに群像劇がお得意の奥田さん。 いろんな人物が複雑に絡み合って、 邪魔しあって、 苦悩の多く人生ままならない様子が描かれるが、 苦しみの淵から抜け出せそうな者、 懲りずに周遊するような者、 どん底をさまようであろう者、と 色々な結末であった。 ...
だいぶ初期のものみたいですね。 すでに群像劇がお得意の奥田さん。 いろんな人物が複雑に絡み合って、 邪魔しあって、 苦悩の多く人生ままならない様子が描かれるが、 苦しみの淵から抜け出せそうな者、 懲りずに周遊するような者、 どん底をさまようであろう者、と 色々な結末であった。 この結末としては、やはりそれまでの行いの問題ですかね。
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不眠症の刑事、平凡なパート勤務の主婦、不良少年。 この三人を軸に、街で起こった小さな放火事件から 少しずつなにかが壊れていく。 長編小説。ぎっしりと詰まった文にどっしりとした厚み。 読んでいくうち、主婦の及川恭子に感情移入してしまって、えらく気分がめり込んでしまった。 もう、そ...
不眠症の刑事、平凡なパート勤務の主婦、不良少年。 この三人を軸に、街で起こった小さな放火事件から 少しずつなにかが壊れていく。 長編小説。ぎっしりと詰まった文にどっしりとした厚み。 読んでいくうち、主婦の及川恭子に感情移入してしまって、えらく気分がめり込んでしまった。 もう、それはすごく気の滅入る状況で、 花壇作りや台所を磨く事に逃避しようとしたりするあたり、同じ主婦としては読んでてたまらなかった。 刑事の九野もなんとも切なくてやりきれない。 その壊れ方が、ものすごく、悲しいの。 とにかく、小市民のあたしには切なくて辛い小説だった。 でも、内容の割に読後、さっぱりしているのはなんでだろう? たぶん、ここが奥田英朗氏のすごい所だと思う。 その懐の広さに感動。
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