見知らぬ妻へ の商品レビュー
8話からなる短編集 どれもそれぞれに切なかったです。 そしてどれも好きです。 「かくれんぼ」を読んで昔のいじめっ子を思い出しました。 「うたかた」を読んで自分の近い将来を思いました。 高齢化社会まっしぐらの今、こういう終わり方を考えている方って結構多いかも・・と。 自分も...
8話からなる短編集 どれもそれぞれに切なかったです。 そしてどれも好きです。 「かくれんぼ」を読んで昔のいじめっ子を思い出しました。 「うたかた」を読んで自分の近い将来を思いました。 高齢化社会まっしぐらの今、こういう終わり方を考えている方って結構多いかも・・と。 自分も時折考えるからです。 でも、自分には迎えに来てくれる人がいないなぁ・・と寂しくなりました。 切ないけれど、セピア色のどこか懐かしい、そして優しい思いの伝わってくる作品でした。
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素直になりなよ~!ってツッコミを入れたくなる。 ノスタルジーだかロマンだか、なんだか知らないけどこんな風に綺麗にまとめちゃっていいのかな…
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8つの短篇はどれも悲哀や孤独、人生を考える上での虚しさを感じてしまう。とりわけ子供の頃のイジメた記憶から45歳になっても逃れる事が出来ない「かくれんぼ」は切ない。いつの間にか自分自身も過去の記憶へ誘われ、同じような事がなかったかと考えてしまい、なかなか寝付かれなくなった。
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表題作「見知らぬ妻へ」は、切ない。 体を売って日本で働こうとする中国人の女。 その不法入国を免れるため、形式的な結婚を請け負った男。 男は、それで報酬を得た。それだけの関係であったはず。 でも男は、女を愛しく感じ始める。 「なぜ?」 体を売りながらも、その男の前では”妻”であろう...
表題作「見知らぬ妻へ」は、切ない。 体を売って日本で働こうとする中国人の女。 その不法入国を免れるため、形式的な結婚を請け負った男。 男は、それで報酬を得た。それだけの関係であったはず。 でも男は、女を愛しく感じ始める。 「なぜ?」 体を売りながらも、その男の前では”妻”であろうとする女の純情さに、家族との幸福を失った男の虚しさが引き寄せられたせいだろう。 女は、体を売って帰ってきたアパートで、形式的夫婦生活を繕うためだけでなく、”妻”として振る舞おうとする。 お互いの事情を詳しく知らないが、自らの力では、どうしようもない流れの中に生かされている者同士であると感じ合ったせいだろう。 やがて中国人の”妻”は、深い闇の世界へ、身を沈めざるえなくなってしまう。互いの感情は、抗う事の出来ない非情な運命に押し流されてしまう。 その流れは、男と離れて暮らしながらも唯一心の繋がりを留めていた娘との関係さえも、断ってしまう。 この短編は、相当に切ない。 他の浅田作品のように、僅かなりとも希望や安らぎといったものがありません。物語の結末が非情であるのは、人には、抗う事の出来ない人生が存在することを気付かさせているのでしょう。 ■「うたかた」 夫に先立たれ一人暮らしの老婆が、子供たちが巣立ったあとの団地の中で、一人静かに亡くなっていく様を描いた話。 一人暮らしの侘しさを感じさせない。 逝ってしまった夫との慎ましくも幸せだった 記憶の日々に包まれている。 この老婆がこんな心境になれたのは、なぜだろうか? ただ慎ましやかに暮らしたのではなく、 その日々の暮らしに感謝の気持ちを持っていたせいだと思う。 なんでもないような日々の積み重ねが人生を紬だし、彩どることを知らねばならないと思った。
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韓国でも知られているのか、韓国人の友達に勧められて。寂しいと言えばいいのか、切ないと言えばいいのか。表題作はラブレターに似てますね。
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少し悲しい短編集。どの作品も心の何処かをキュッと締め付ける。一冊の中に自分自身を垣間見る事ができるかも。 「うたかた」の夫婦の様に、共に歳を重ねたかったな…。
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姫椿と前後して読んだけど、こっちのほうが、私の中の浅田次郎さんのイメージかな。おばあちゃんの団地の話が好き。そろそろ霞町物語みたいの読みたいな~
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知人から薦められて読んだ本です。8つの短編で、ほとんどがハッピーエンドではない終わり方なので、読んだあと落ち込む…。でも後に行間に込められた思いがじわじわくる。いい本ってこういうのなのかな。個人的には星の数通り。
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・ 踊り子 ・ スターダスト・レビュー ・ かくれんぼ ・ うたかた ・ 迷惑な死体 ・ 金の鎖 ・ ファイナル・ラック ・ 見知らぬ妻へ
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短編集。色々と古いんだけど、「うたかた」に何度でも涙。 「幸せって、目に見えるのね」。老人というモチーフだけで泣けてしまうよ。
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