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かめくん の商品レビュー

4.1

20件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

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2019/03/12

名作の誉れが高いのでだいぶ前に200円で買っていたのを読んだのだが確かに名作である 特にイラストがいい 表紙   9点前田 真宏    展開   7点2001年著作 文章   8点 内容 865点 合計 889点

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2018/11/12

かめくんの日常を描く空想科学日常小説。日常とギャグの狭間の不条理な物語。レプリカメと呼ばれるかめくんが自分が何者なのかと考える思考と感情の流れは、ヒトがヒトたる所以に繋がるものかも知れない。

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2018/01/09

作者の頭のなかには「かめくん」がいて、かめくんを好きに生活させるうちにこのような作品にまとまっていったのだろう、という過程はわかる。過程はわかるが、それゆえに物語としての充実度という意味での若書き感が強い。この辺が作家作品論的な分岐で、ちゃんとしたストーリーを書いていく方向に向か...

作者の頭のなかには「かめくん」がいて、かめくんを好きに生活させるうちにこのような作品にまとまっていったのだろう、という過程はわかる。過程はわかるが、それゆえに物語としての充実度という意味での若書き感が強い。この辺が作家作品論的な分岐で、ちゃんとしたストーリーを書いていく方向に向かうか、街の描写に重きを置く方向に行くか、というY字路があったことだろう。わりとエポックメイキングな作品に読める。

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2013/05/19

近未来モノなんだけどノスタルジーを感じるような。80年代のSF日常漫画を読んでいるような雰囲気。地の文で唯一口語で話される「カメににてるね。」という表現が印象に残る。最終章ではなんともいえず切なくなった。

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2012/12/03

SFマガジン1月号の”クリスマスツリーに飾られる”が面白かったので読んだのだが、これはその前日談?それとも冬眠後の話なのか。変わらないかめくんの周りで世界は大きく変容したようだ。そこらへんのことも読みたい。 日常と虚構の戦争が行われている世界。かめくんの甲羅の内側に構築された世界...

SFマガジン1月号の”クリスマスツリーに飾られる”が面白かったので読んだのだが、これはその前日談?それとも冬眠後の話なのか。変わらないかめくんの周りで世界は大きく変容したようだ。そこらへんのことも読みたい。 日常と虚構の戦争が行われている世界。かめくんの甲羅の内側に構築された世界。大きな物語の喪失というか、そもそもそれが存在しないことに気付いた人間は、それでも自らの物語の内側にしかいられない(フレーム問題?)。そんな現代の姿を連想した。 なんにしても平易な文書とかめくんのキャラがよい。

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2012/10/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

普通の人間ではない。亀でもない。 意思疎通も普通の人間同士のようにはいかない。 それでも人間がする職業につき、人間のようにアパートに住み、人間が利用するように図書館へ行く。 でもやっぱり人間じゃなく、亀の形の機械でしかない。 普通の人間と同じ感覚や知識を後付で身につけたとしても。 のほほんとした世界なのだが、実は「虐殺器官」「屍者の帝国」「あなたのための物語」などにも通じるテーマを見た。 かめくんが自分の習得した感覚や感情を、他の人が素通りしていくようにも思える。 人間ならそれに抵抗して、憤ってみたり悲しんだりするのかもしれないが、かめくんは当たり前に受け入れてしまう。 それは、そうとうショックに感じられる。それは、適合しきれない社会に対して傷つかないよう自分の感覚を鈍麻させて生きている私たちの姿を、つきつけられたからではないか。 「1000円しかない」と記者会見で言わされるよりは、りんごやパンの耳やするめでも美味しいと思って生活するかめくんのように生きよう。 かめくんがレプリカメでしかないように、私たちも社会の部品でしかないのなら。 そうしているうちに、かめくんが結局どこへ行ったのか想像がつくようになって、それが巡り巡って、自分の生き方を誰かに頼らなくても実践できるようになるかもしれないから。 なんか、こう、ほのぼのでありながら、私たちに対して教訓めいているのだ。 いわゆるマイノリティとか、蔑まれている生活保護受給者とか、学校や会社で仲間ハズレになっている人は、かめくんをよく考えてみたらどうだろう。 あえて初版を探して読んでみた。 2012/10/28 追記 なんと、著者の北野勇作氏ご本人から「ありがとうございます。」の返信を頂いた。 こちらこそ、お読みいただいて恐縮です。 https://twitter.com/yuusakukitano/status/262472570694164480 https://twitter.com/yuusakukitano/status/262510305014341632

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2012/07/26

ふざけたタイトルながら、SF史・文学史に残る傑作です。人ならざる存在がいかにして世界を認識するのかという問いへの思考実験でありシミュレーション。世界を認識するとはただ外界からの刺激に反応するのではなく、自らの中に世界を再構築するプロセスであると同時に身体性に直結する冒険でもある。...

ふざけたタイトルながら、SF史・文学史に残る傑作です。人ならざる存在がいかにして世界を認識するのかという問いへの思考実験でありシミュレーション。世界を認識するとはただ外界からの刺激に反応するのではなく、自らの中に世界を再構築するプロセスであると同時に身体性に直結する冒険でもある。そこに真正面から取り組んだ前衛文学なのです。

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2011/09/15

かめくんはかめではない。かめくんである。 かめくんは空を見て猫を見て何を見た? 何を思った?何を感じた? それがかめくんである。 今日もどこかで思いにふける。

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2011/06/15

淡々と凄いなぁ……というSF小説。 内容を説明してもたぶん、なんも説明したことにならない。 ただ、最後の章で思いっきりぼろぼろと泣いた。 感情がわかっても表せないかめくんの代わりに……。・゚・(ノд`)・゚・。

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2021/02/20

のほほ〜んとあたかかくなってしまった。 そして、最後にほろっ一抹の寂しさ。 近未来の大阪(通天閣とかでてるんで)を舞台の なんともいえん味わいがヤラレタ!って感じだ。 ほのぼの感が高かっただけに最後のむなしさが一層引き立つ。

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