かめくん の商品レビュー
レプリカメのかめくんの日常をゆるゆると描いた四畳半系SF。 かめくんの世の中の観察の仕方とか、ぼんやり考えた考察とか、ゆるゆる描かれています。 食べ物が美味しそうです。 和みます。そしてちょっと切ないです。
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導入部分から中盤にかけては、童話的な感じを読み手に与える。読み進めていくうちに、徐々に深い場所へと読み手を誘う感じである。「かめくん」というレプリカメの視点を使って、現実社会の疑似世界を読み解いていくという印象だ。文章自体は話している感じであり、それは「かめくん」が言葉を話せな...
導入部分から中盤にかけては、童話的な感じを読み手に与える。読み進めていくうちに、徐々に深い場所へと読み手を誘う感じである。「かめくん」というレプリカメの視点を使って、現実社会の疑似世界を読み解いていくという印象だ。文章自体は話している感じであり、それは「かめくん」が言葉を話せないのを補っているのだと思うのだが、ただ単なる「木星旅行」「アンドロイド」「機械」というSFではなく、SFの仮面を被った現代の問題(それはアイデンティティであるとか、人間関係の問題であるとか)をえぐり取った小説である。探してでも読む価値はある。
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最初物語の中に入っていくのが困難だったが、入ってしまえば、そこはもうかめくんの甲羅の中。 戦争をちらつかせながらも、間延びした黄昏の雰囲気を歩くかめくんのいる風景は、何故か切ない。 結局この小説はたった一言に尽きる。 「かめくんはかめくんであってかめくんでしかないのであった。...
最初物語の中に入っていくのが困難だったが、入ってしまえば、そこはもうかめくんの甲羅の中。 戦争をちらつかせながらも、間延びした黄昏の雰囲気を歩くかめくんのいる風景は、何故か切ない。 結局この小説はたった一言に尽きる。 「かめくんはかめくんであってかめくんでしかないのであった。」
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
カメ型ヒューマノイド――通称レプリカメ――のかめくんの目を通して伝えられる、ちょっと不思議で変な近未来の世界。 ##### あくまでも、ちょっとだけ変な世界なのだ。だからなんか変だなと思うだけで、なんとなく納得してしまう。それでも、よくよく考えると結構へんだったりする。でも、誰一人どうしてそうなったのかは知らない。 「かめくん」ではこれといって大きな事件が起こるわけでない。ただ、前の仕事から解雇されたかめくんがクラゲ荘というアパートに越してきて、新しい仕事をさがし、新しい環境になれていくというだけだ。だが、そういったなかに素朴なかめくんの心情やら、よくわからない超日常的な出来事が織り交ぜられている。 例えば、前の住人がおいていったクーラーを取り外すのに、銃を撃ったり爆破したり金属バットで殴ったりと、まるで戦争のような大騒ぎをしたりする。実際に広い意味での戦争らしいのだけど。 こういった変なことは、ほとんど「木星戦争」の名残らしい。しかし、その「木星戦争」自体終わったのか、まだ続いているのかどうかわからないというへんちくりんなしろものなのだ。 まあ、こんな感じの話なので、これ以上内容についてふれられないのだが、ひとつだけ心に残った引用を。 "あのな、猫ってのは、かわいいもんだろうが。猫、な。いや、カメと猫は仲がいいのかどうか、おれは知らんのだけども、だけど、まあ猫はかわいいわけだよ。この猫、いつも見てるからもう見飽きちゃって、最近かわいくないわ、なあんて、そういうことはないわけだよ。それなんだよ。それとおなじことなんだよ。やっぱりさ、猫はかわいいんだよ、何度見てもな" そのとおり。猫はかわいい。何度見てもね。 SFだけど、肩に力を入れる必要はぜんぜんない。猫はかわいいなぁとか思って、だれーっというような感じで読むのがよろしいかと。 もちろん、自分とは何だろう、カメと人間の違いって何だろう、戦争ってなんだろう、というような哲学的な思考をしながら読んでも楽しめるけど。
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二足歩行で歩く機械亀[レプリカメ]のかめくんのお話。 かめくんはアパート暮し。仕事はフォークリフトの運転。パンのみみと紅玉とするめが好き。図書館と図書館でアルバイトしているミワコさんが好き。喋ることはできないけれど、モデム内臓ワープロで書類を作成したり、みんなの質問に頷くことで...
二足歩行で歩く機械亀[レプリカメ]のかめくんのお話。 かめくんはアパート暮し。仕事はフォークリフトの運転。パンのみみと紅玉とするめが好き。図書館と図書館でアルバイトしているミワコさんが好き。喋ることはできないけれど、モデム内臓ワープロで書類を作成したり、みんなの質問に頷くことでこたえたりして、コミュニケーションをはかっている。興奮すると鼻をぶしゅぶしゅ鳴らす。 そんなかめくんなんだけれど、なんだか独白が面白い。なんとなくなんだけどいつも何かを考えていて、かめくんなりに腑に落ちるところまで答えを出している。コンピューターに記録されていくのかな? でも、今時の人間っぽい。そ〜だな、20代後半から30代前半の男性なのでは。そして哀愁あり。愚痴ではないのだけど、独りきりのレプリカメってところで淋しさが出ちゃうのだ。 turboがかめくんに会ったら、甲羅をぺしぺし叩いて「かたいな、おまえ」とか言いつつ応援したい! うん。
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木星戦争用に開発されたカメ型ロボ「レプリカメ」の中の一体であるかめくん。しかし何故かかめくんは普通に倉庫でフォークリフトを運転して働いて、下町にアパートを借りて住む。 周囲は何だか怪しく、自分が何者かなんてこともいまいち不明。でもおかまいなしに、かめくんは淡々と生活する。 り...
木星戦争用に開発されたカメ型ロボ「レプリカメ」の中の一体であるかめくん。しかし何故かかめくんは普通に倉庫でフォークリフトを運転して働いて、下町にアパートを借りて住む。 周囲は何だか怪しく、自分が何者かなんてこともいまいち不明。でもおかまいなしに、かめくんは淡々と生活する。 りんごを食べ、本を読み、考え、ワープロを打つ。 マイペースな姿に癒されますね。
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他の方のレビューをみて絶版だと知りました。いろいろ考えるかめくんの話。大阪阿倍野近辺の描写が理解しやすい。
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空想科学超日常小説って紹介が書いてあって、なんじゃこりゃw とか思って読んだ・・・うん、おもしろいんだけど、なんだろう。なんか読むの疲れた(ノ∀`)
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かめくんは働き、ワープロを打ち、本を読み、そして推論する。一所懸命に。 かめくんは来るべき・それとももう終わってしまったせんそうのためにつくられた人造兵器だ。 でも、わたしたちとかめくんの間に違いなんてなにもない。 ただ一所懸命に自分の頭で推論し(実はそれが誰かのプログラミングだ...
かめくんは働き、ワープロを打ち、本を読み、そして推論する。一所懸命に。 かめくんは来るべき・それとももう終わってしまったせんそうのためにつくられた人造兵器だ。 でも、わたしたちとかめくんの間に違いなんてなにもない。 ただ一所懸命に自分の頭で推論し(実はそれが誰かのプログラミングだったとしても)生きていくだけなのだ。
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カメ型アンドロイド「かめくん」のお話。 なんか本の紹介みたいなのがあって、「カメ型アンドロイド」って単語が出てて「こりゃ、おもしろいに違いない!」と思って読んだんだけどたいしたことはなかった。 かめくんの日常生活を淡々と書いてあるんですね。 「かめくん」のいいとこは挿絵がとて...
カメ型アンドロイド「かめくん」のお話。 なんか本の紹介みたいなのがあって、「カメ型アンドロイド」って単語が出てて「こりゃ、おもしろいに違いない!」と思って読んだんだけどたいしたことはなかった。 かめくんの日常生活を淡々と書いてあるんですね。 「かめくん」のいいとこは挿絵がとてもうまい!話のシュールさに合ってます。 かめくんは優しいいい子ですよ。
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