人間の絆(上) の商品レビュー
タイトルから想像した…
タイトルから想像した内容と違った。下まで一気にとまでは言わないが、読ませる面白さがあります。
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モームが、唯一自分自…
モームが、唯一自分自身のために書いた精神的半自伝小説。不自由な足ゆえに劣等感に苛まれ続けるフィリップに、自らの精神形成を託して描いた人生遍歴の物語。
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足の不自由な少年を主…
足の不自由な少年を主人公に描かれた著者の半自伝小説。難しい内容かと思ったが、読みやすくまたとても面白く読むことができた。「中」「下」巻と続きます。
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モームの半自伝的小説。岩波文庫版は上・中・下の三巻。 そっくりそのまま彼の人生をなぞったものではなく、 モームに似た境遇の少年の話、として読むのがいいのかな、と思う。 裕福な家庭に生まれたが、両親との死別により イギリスの牧師館に引き取られることになった少年フィリップ。 叔父は...
モームの半自伝的小説。岩波文庫版は上・中・下の三巻。 そっくりそのまま彼の人生をなぞったものではなく、 モームに似た境遇の少年の話、として読むのがいいのかな、と思う。 裕福な家庭に生まれたが、両親との死別により イギリスの牧師館に引き取られることになった少年フィリップ。 叔父はカチコチの牧師。 叔母と狭い世界の中で、つましく面白みのない生活を送っている。 この牧師館の生活の描写の丁寧なこと。 華やかなことはなにもなく、心が浮き立つようなこともない。 慣習と信仰と頑固でできた日々の暮らしが、 面々と綴られていて、その精細さにモームの筆力を感じる。 後に文芸、芸術の世界に身を投じるようなフィリップにとって この閉ざされた環境がどんなものであったか。 学校に進むも、内気で感受性の高いフィリップは落ち着くことができない。 好意を持っている学友との付き合い、先生とのやり取りが 客観的な振り返りを交えて、淡々と積み重ねられていく。 自意識が強く、深く考え、 ともすぎれば考え過ぎるフィリップの思考を辿るのは少しほろ苦いが、 留学、職業見習い、そしてまた留学と 人生のかじ取りを進めていくにつれ、 彼の揺れる心を追い続けたくなる。 モームの人物描写が一級なので、 魅力的な人間もそうでない人間も非常に興味深い存在となるのが面白い。
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メモしてた文章をなんとなく放出↓↓ これ下巻まで読んだら上巻の記憶なくなりそうなので中巻を経て上巻の感想を。 上巻は、読むのに時間がかかった。 対象人物の表記がコロコロ変わるから最初めちゃくちゃ混乱した。 (例えば同じ人のことを次の文では彼とか人名とか役職で表記する) でもその...
メモしてた文章をなんとなく放出↓↓ これ下巻まで読んだら上巻の記憶なくなりそうなので中巻を経て上巻の感想を。 上巻は、読むのに時間がかかった。 対象人物の表記がコロコロ変わるから最初めちゃくちゃ混乱した。 (例えば同じ人のことを次の文では彼とか人名とか役職で表記する) でもそのおかげで客観的に読めたみたいで、主人公に同感する訳でもなく終始なんだか得も言われぬ感情で読んだ。人の容姿についての表現が詳しすぎるくらい詳しい。
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教養小説だが、綺麗事ではない皮肉まじりな視点で人や物事を見つめ表現しているのがとても好きだ。次郎物語や車輪の下はいい本だと思うが、親や教師がなって欲しい人物像を投影している感じがして好きになれなかった。 上巻ではフィリップの生い立ちや目指すものが人に影響はされて聖職者から会計士...
教養小説だが、綺麗事ではない皮肉まじりな視点で人や物事を見つめ表現しているのがとても好きだ。次郎物語や車輪の下はいい本だと思うが、親や教師がなって欲しい人物像を投影している感じがして好きになれなかった。 上巻ではフィリップの生い立ちや目指すものが人に影響はされて聖職者から会計士、画家へと移り変わっていくことが描かれている。やっぱりクロンショーとの出会いが大きいと思う。「人間は人生でたったひとつー自己の快楽、それだけを求めているのだ」という言葉を否定しながらも感情を強く揺さぶられている。
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主人公フィリップ・ケアリが9歳から21歳までのたどる道。 9歳のフィリップは父母を相次いで亡くし、伯父夫婦に引き取られることに。フィリップは生まれつき左足を引きずらなくては歩けない障害がある。伯母は優しかったが、牧師の伯父は真面目ではあるが面白みのない人間。牧師館で暮らす日々。...
主人公フィリップ・ケアリが9歳から21歳までのたどる道。 9歳のフィリップは父母を相次いで亡くし、伯父夫婦に引き取られることに。フィリップは生まれつき左足を引きずらなくては歩けない障害がある。伯母は優しかったが、牧師の伯父は真面目ではあるが面白みのない人間。牧師館で暮らす日々。 寄宿学校に行くようになるがはじめはいじめられる。しだいに勉強も面白くなり、良い教師に会い、友人もでき少年時代が過ぎる。大学に進む年頃になって、伯父の勧める聖職にはつきたくなく、ドイツ留学を望み紆余曲折の末、ハイデルベルクに行く。ドイツ留学を終えて、休暇には年上の女性と付き合う青春。その後ロンドンに出て事務弁護士の見習いになることに。しかしそれも一年で辞め、今度は画家になろうとあこがれのパリに行き画塾に入り、芸術論を戦わせる。 あらすじを言うと単調のようであるが、モームの筆運びと構成はうまい。「人間は絆で創られる」と次第にわかってくる。何がなし懐かしい響きの成長記。行方昭夫氏の翻訳も2001年と新しいし、うるさい注釈が全くないのがいい。ま、こちらの知識不足で知らない有名な画家や作家・音楽家などあるが、わからなくても大した影響はない。 ***** 実はわたくしこの小説再読なのだが、内容は全く忘れている。結婚したばかり、姑とお勧め本を交換しあって借りた本だった。ちなみにわたしはデュマの『モンテクリスト伯』を貸した。『人間・・・』は3冊、『モンテ・・・』はたしか7冊あった。「読むのに大変だった」と文句を言われたのを覚えている。たしかにいくら「手に汗を握るおもしろさ」と思ってもね、本の好みのジャンルが違えばね。わたしも多分「お説教くさい」と思って内容を忘れてしまったのかもしれない(笑)今にして思えばそんなことはない。
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名作と言われているが、話の内容が平凡すぎて脱落。そもそも主人公が好きになれない。 いつか読める日が来るかしら。
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およそ30年前高校生の頃に読んで、数年前に新訳が出ているのを機に読み直しました。面白さは今も変らずですが、高校生の頃は気がつかなかった、又は思いもしなかった事が見えてきて興味深かった。やはり若い頃読んだ名作は年とった時に読み直すと面白さが倍増しますね。上巻、中巻、下巻それぞれの巻...
およそ30年前高校生の頃に読んで、数年前に新訳が出ているのを機に読み直しました。面白さは今も変らずですが、高校生の頃は気がつかなかった、又は思いもしなかった事が見えてきて興味深かった。やはり若い頃読んだ名作は年とった時に読み直すと面白さが倍増しますね。上巻、中巻、下巻それぞれの巻末の解説も面白かった。モームその人の人物評も。彼がオスカー・ワイルドの逮捕(同性愛を理由に逮捕されたらしい)にビビって慌てて偽装結婚した件なぞは、当時のイギリスの様子が伺えて興味深い。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
哀しいくらい分かるなあと共感できてしまう。他人に勝手に期待して裏切られたような気持ちになったり、劣等感にさいなまれた挙句、優越感にとりつかれたり、阿呆な恋をして抜け出せなくなったり。 共感できる分だけその馬鹿さも分かってしまう。ミルドレッドに翻弄される場面では目も当てられないような気分になった。 ミルドレッドは碌な女ではない。けれど、その惨めな最期を鑑みても生き切ったな、という妙な清々しさは覚えて憎めない。
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