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人間の絆(上) の商品レビュー

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12件のお客様レビュー

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2011/02/07

サムセット・モームは好きなイギリス人作家。10代の時に読んで感銘を受けて、自分の中では人生のベストテンに入る。人生楽あれば苦もあるさって話だけど(要約し過ぎかな)、人間への愛情ある洞察が好き。

Posted byブクログ

2010/08/19

「そういうときにはこれ読めばいい」 そう薦められて読み始めたものの、そういうときってどういうときだったのかあんまり覚えてはないです。 モームさんの自伝だそうです。 上巻では、幼少時に両親に先立たれ国教会神父のおじにお世話になる。不自由な足にコンプレックスを抱えながら進学し、...

「そういうときにはこれ読めばいい」 そう薦められて読み始めたものの、そういうときってどういうときだったのかあんまり覚えてはないです。 モームさんの自伝だそうです。 上巻では、幼少時に両親に先立たれ国教会神父のおじにお世話になる。不自由な足にコンプレックスを抱えながら進学し、留学する中で友人に感化される。2つめの留学地フランスでは絵の勉強をするがそこで出会った詩人と会話を重ね・・・ みたいな流れで話が進んでいきます。 なんか見栄とか才能とか優越感とか裏切りとかすぐ共感してしまう身近にある「人」の描写ばっかりで読んでて飽き飽きしてきますが、別に人とかその程度のもんってことでしょうか。 最後の詩人の言葉の開き直ってる感がよかったです。 「人は自分の喜びのために行動し、たまたまそれが他人をも喜ばせれば、善行をなしたとみなされる。施しをすることに快楽を見出せば慈悲深い人となり、他人を助けるのに快楽を見出すなら公共心に富むと称賛される」 「快楽」を下位に、義務、慈悲、正直を上位に位置づけていると主人公を「捉えて」いるようです。 そういった価値の序列化にnoを突き付けるのなら自ら価値の序列化を肯定することになりますもんね。 価値観の多様性を重んじながら、価値観の多様性を重んじないことを否定するのと同じです。 とは言うものの、そういった「主張することによる主張の矛盾」も人間の中に自然に生まれてしまうもの。 「人間について、もっとも私を驚かせたのは、彼らが矛盾に満ちているということだ。首尾一貫した人間など、ただの一人もお目にかかったことがない。まったく相容れない諸性質が同一人物の中に存在し、それでいて、もっともらしい調和を生んでいるのには驚かざるをえない」 『サミングアップ』からの引用が巻末にありました。 そういうところに面白みを感じ、読者を楽しませることをモットーに作品を残したそうです。 上下巻のみと思ったら中巻もあるようでけっこう萎えましたが、また気が向いたら読んでみようと思います。

Posted byブクログ