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ゲルマニウムの夜 の商品レビュー

3.6

47件のお客様レビュー

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 暴力は、こちらに躊…

 暴力は、こちらに躊躇するひまを与えず、いやおうなしに迫ってくる。だから、観念の世界をぐわっとひっくり返す力がある。露悪的なえぐさではないが、デリケートな男性は読まない方がいいと思われます。

文庫OFF

グロかったぁと思って…

グロかったぁと思ってしまいました。でも、やっぱり読んでしまうんです。

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芥川賞受賞作。動物好…

芥川賞受賞作。動物好きの方にはオススメできないです。

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2021/08/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

思わず吐き気を催しそうな表現に辟易しながらも読み進めてしまえる不思議な感覚。ふと思い出して再読しました。 他人の言動や行動にふと、謂れのない怒りを彷彿させ冒涜の限りを尽くす姿に何故か愛おしさとか、なんとも言えない感情が出てきます。

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2017/12/18

ピカレスクロマンとジャンル分けはできるのかもしれないけれど、ジャンル分けって不毛だなと思うだけの中身があるような気がする。読まれるべき毒のある小説だと思う。

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2017/09/27

冷酷で暴力的で傲慢な男なのに、どうしたって主人公の朧に惹きつけられるし、読み進めるうちに親しみさえ覚えてしまう。まるでリヤカーを後押しする幼い収容生たちのように。最高のピカレスク小説。

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2017/02/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

私にはよくわからない芥川賞作品が多い中、これは面白かった!エロくてグロい描写が多いですが、哲学的なことも投げかけられます。宗教とはなんなのか?そう言えば、中世?には免罪符なるものがあったな、と思い出しながら読みました。

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2015/08/05

花村萬月で芥川賞ときたら、鬱々としたバイオレンスというイメージだけど、そのとおり。本作は「ハードボイルド純文学」という感じ。 のっけから、暴力とリビドー、その下地が、それらを相容れないような宗教的に外界から切り離された世界。宗教の純潔さと現実の醜さ、性衝動と死体と汚物にまみれた...

花村萬月で芥川賞ときたら、鬱々としたバイオレンスというイメージだけど、そのとおり。本作は「ハードボイルド純文学」という感じ。 のっけから、暴力とリビドー、その下地が、それらを相容れないような宗教的に外界から切り離された世界。宗教の純潔さと現実の醜さ、性衝動と死体と汚物にまみれた、もう芥川賞選考員が大好きなテーマでしょ? 文章の方は知識や薀蓄、絶妙な固有名詞を独特のリズム感で綴っていく。しかし乱暴なわけではなく、言葉選びもかなり丁寧にされていると感じた。決して奇をてらった文章ではない。 圧倒的な言葉の前に、読むしか無いという状況になるのは、昨今の芥川賞受賞作よりも優れているのではないかと思う。口に石を噛ませてから殴る蹴る、溶けていく豚の死体、痰を入れたレーションをすすらせるなど、最初から最後まで、もう目を背けたくなるような文章ばかりだが、それを踏まえても、続きを読ませてしまう文章力は素晴らしい。 背徳版の「車輪の下」であろう。 なお、文庫版にあたって、フランシス・ベーコンの表紙を変えてしまったのはなぜだろう?ベーコンの絵のイメージと合致した内容と言えたのに。 とはいえ、続けてこのシリーズを読む体力はございません。あと、まったく子供向けじゃないのであしからず。

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2014/07/20

暴力とかセックスとか。 その様なテーマの本にあまり興味もないけど。 表現がエグいなぁと思ったが、読んでいて、特に快も不快もなかった。 あと、宗教みたいなものとか。 『宗教みたいなもの』 というのは、特に私自身がその信者じゃなくても、なんとなく理解できる内容であったこと。 例え...

暴力とかセックスとか。 その様なテーマの本にあまり興味もないけど。 表現がエグいなぁと思ったが、読んでいて、特に快も不快もなかった。 あと、宗教みたいなものとか。 『宗教みたいなもの』 というのは、特に私自身がその信者じゃなくても、なんとなく理解できる内容であったこと。 例えば、海外の小説などでは、宗教的価値観の違いというか、その考え方を理解できない時がある。そういう意味では、本当に、厳密な意味での宗教をテーマにした、とも言い難いのか、と。 一番の読みどころは、『王国の犬』の、朧と、モスカ神父の問答。 『舞踏会の夜』の、朧と教子の、神についての会話も面白かった。 漢字が若干難しかった。

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2013/09/14

1998年芥川賞受賞作、「ゲルマニウムの夜」とその主人公を中心に展開される王国記が収められたもの。 修道院が舞台になっていて、匂い立つような退廃、腐臭と美が描かれていて、しょうじきいってラノベ的なものかとおもってしまった。芥川賞受賞作ときいて想像するものとはまったくちがっていて戸...

1998年芥川賞受賞作、「ゲルマニウムの夜」とその主人公を中心に展開される王国記が収められたもの。 修道院が舞台になっていて、匂い立つような退廃、腐臭と美が描かれていて、しょうじきいってラノベ的なものかとおもってしまった。芥川賞受賞作ときいて想像するものとはまったくちがっていて戸惑ってしまったので、あっわたしってやっぱり保守的な人間なんだ、とかおもってがっかりした。というのはまあどうでもよくて、ここで描かれているのは絶対的なものへの希求。「世間」にはもちろん、正義とも悪ともつかないさまざまなことがあり、それはわかっているのだけれども、でもどこかに絶対的なものがあってもいいんじゃないか、それはここに、宗教にあるべきなんじゃないのか。聖職者による児童虐待、性欲にまみれる人間たち、ある種都合の良いともとれる告解システム、に対する主人公の怒りと軽蔑が充満していて、綺麗じゃないならぜんぶ汚くあれと言わんばかりのそのあり方。花村萬月は王国記で宗教に取り組みたい、神はいないということを描きたい、と言っていた。ただ、花村萬月にとっては最も付託するべき要素であったかもしれないけれど、執拗な暴力描写や不潔さも、同性愛も、こういうのを言うならこうだよね、みたいな固定観念というか、定型っぽすぎて入り込めないわたしがいて、それが残念です。

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