ゲルマニウムの夜 の商品レビュー
周囲の雑踏を排して、ただただ人間一人を眺めようとするが、人間は周囲の影響を受けて成長していく。周囲の環境は選びようがなく、その中で生きていくために人間は適応していく。有無を言わさず。
Posted by
読書会の課題図書でなかったら多分僕はこの作家を読むことはなかっただろう。 残酷性があるので抵抗があったが、読み進めていくうちに、主人公のことが好きになっていった。 性に関しては愛らしくすら思える。 残虐性と純愛さは実は近い場所にいるのかもしれない。 神、宗教、支配する者とされる...
読書会の課題図書でなかったら多分僕はこの作家を読むことはなかっただろう。 残酷性があるので抵抗があったが、読み進めていくうちに、主人公のことが好きになっていった。 性に関しては愛らしくすら思える。 残虐性と純愛さは実は近い場所にいるのかもしれない。 神、宗教、支配する者とされる者、偏愛と残虐。 抑制され、コントロールされた暴力。 言葉の奴隷、つまり神の奴隷。 花村萬月という人は、キリスト教を特に勉強もしていないようだし、聖書もドストエフスキーもトルストイも読んでいないらしい。つまり「自分の経験」+「自分の地力」みたいなものだけで作品を作っている。それは逆にすごいとも思えるし、そうでないとも思える。
Posted by
良い意味でクレイジー。宗教的な題材ゆえ、うまく説明できないが、聖性と暴力という、対極に位置する要素を結節している点が巧みである。本作の舞台「王国」は宗教施設=聖域なのであるが、そこに漂うのは聖性ではなく暴力性である。また、主人公・瓏はタブーを犯し、神父にも神を愚弄するような質問を...
良い意味でクレイジー。宗教的な題材ゆえ、うまく説明できないが、聖性と暴力という、対極に位置する要素を結節している点が巧みである。本作の舞台「王国」は宗教施設=聖域なのであるが、そこに漂うのは聖性ではなく暴力性である。また、主人公・瓏はタブーを犯し、神父にも神を愚弄するような質問をぶつけている。あきらかに「反宗教的」な人物ではあるが、しかし不思議なことに、どこか宗教的・哲学的な匂いもしている。暴力で宗教を描き、宗教で暴力を描いているのである。このようなアンビヴァレンツにうんと唸らされてしまった。また、巻末の対談も非常に興味深い。本文は人を選ぶ内容だと思うので、受けつけない場合はこちらだけでも読むことをおすすめする。なお、収録作では表題作がもっとも面白かった。
Posted by
花村萬月の作品。ひさしぶりだわ~。 あれは10年くらい前だっけ? 『ぢん ぢん ぢん』読んだのは。 すっごい分厚い本だったけど、読み応えのあった本だったな~。 これは短編小説みたいな感じのする本でした。 うーん、かなり刺激のある斬新なストーリーでした。 読んでて気持ち悪くなっ...
花村萬月の作品。ひさしぶりだわ~。 あれは10年くらい前だっけ? 『ぢん ぢん ぢん』読んだのは。 すっごい分厚い本だったけど、読み応えのあった本だったな~。 これは短編小説みたいな感じのする本でした。 うーん、かなり刺激のある斬新なストーリーでした。 読んでて気持ち悪くなった箇所が多々。。。あった。 うーん、読み終わった後、かなり考え込んじゃうよね~。 なんだか修道院なのに、外の話をしてるような でも、それが神に許されちゃう。。。そんな矛盾を朧が証明してくれてるんだけど こういうのってあり~??? でも、実際修道院で育った作者曰く、「あり」だそうですよ~。 んん、なんて言っていいか。。。。 ただね、私としてはここまで書かれてかなりグロテスクな内容なんだけど 芥川賞受賞出来るんだ~、って思った。。。。 私小説の王道ですね~。 まぁ、後記に載ってる対談「神を信じるか?」っていうのはね、 私としては、信じる者だけ信じればいいし、 信じたいときだけ信じればいいんじゃない?って思うのよね。 その人の思想の自由だから とやかく言って答えを見つけるって方が間違ってるのよ。
Posted by
宗教小説。 主軸のテーマが興味ないので評価が低い。 過激な性描写と暴力描写が先に目に付いて読み進めてしまった。 表題ではない話だが告解で神父とのやりとりは秀逸。宗教の矛盾をストレートに描いているところに好感。
Posted by
告解のシーン 舞踏会の夜のシーンが印象的だった。 朧のカリスマなキャラクターが良い 睾丸や豚の死骸の描写が生々しく匂いそうである。
Posted by
暴力や性の描写が多い。 だけど不思議と綺麗です。 人の持つ、負の部分を包括してしまうからこそ見えてくる、人の本質が描かれています。 哲学的な小説です。
Posted by
祈りの反復(同じ言葉を同じリズムで唱える)ことと、性行為の反復はイコールではないか。それは自我なき反復、快楽の本質であり至上ではないか。 果敢な真理探究の姿勢と、思わず唸ってしまうような力強い文章。 清濁を“ぶちこんだ”ような、「混沌」とした物語を読み終えた後、しばし放心状態で...
祈りの反復(同じ言葉を同じリズムで唱える)ことと、性行為の反復はイコールではないか。それは自我なき反復、快楽の本質であり至上ではないか。 果敢な真理探究の姿勢と、思わず唸ってしまうような力強い文章。 清濁を“ぶちこんだ”ような、「混沌」とした物語を読み終えた後、しばし放心状態でした。
Posted by
王国記Iらしい。 II以降は多分読まない。 暴力で周囲の男手なづけるとか 美貌の女とSexしまくりとか のくせ上司には絶対服従とか で、服従した上には時を見て弱みを握るとか 田舎の中学生の思い描いた、「成り上がり」ストーリー。 じゃないかなぁ。 私ごときには、そうとしか読め...
王国記Iらしい。 II以降は多分読まない。 暴力で周囲の男手なづけるとか 美貌の女とSexしまくりとか のくせ上司には絶対服従とか で、服従した上には時を見て弱みを握るとか 田舎の中学生の思い描いた、「成り上がり」ストーリー。 じゃないかなぁ。 私ごときには、そうとしか読めず、芥川賞の価値がようわからん。
Posted by
初花村萬月 暴力、セックス、そして神様 主人公の思想、分かるようなやっぱり分からないような…。深い事を言っている気はするんですが。私にはこの作品はまだ早かったのかもしれません 歪んだ話だなと思いました。面白くないわけじゃないんですが読んでいて不快感が凄かったです。 シリーズ物の一...
初花村萬月 暴力、セックス、そして神様 主人公の思想、分かるようなやっぱり分からないような…。深い事を言っている気はするんですが。私にはこの作品はまだ早かったのかもしれません 歪んだ話だなと思いました。面白くないわけじゃないんですが読んでいて不快感が凄かったです。 シリーズ物の一作目らしいのですが続きを読む気には今のところなりません…。 でも萬月さんの他の作品は是非読んでみたいと思いました。 またいつかこの本も読み返してみたいです
Posted by