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偶然の音楽 の商品レビュー

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72件のお客様レビュー

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爽快でどんどん読みす…

爽快でどんどん読みすすめます。意外な出来事の連続が、なるべくしてなったような納得間。また人間のうちにある、狂った感覚があまりにもリアルに描かれていて、読んでいるうちに自分も露になるようで怖かったです。

文庫OFF

妻に去られ、あてのな…

妻に去られ、あてのない旅に出た男の物語。オースター作品が好きな人なら納得の一冊でしょう。

文庫OFF

父の遺産が転がり込ん…

父の遺産が転がり込んできたナッシュは、一年間アメリカ全土を車で旅をしていたところ、ポーカーの名手であるポッツィと偶然で出会う。二人はある億万長者の二人組と全財産を賭けてポーカー勝負をするが、負けて借金を抱えることに。仕方なく借金返済のために壁を作る仕事をすることになる。ところが。...

父の遺産が転がり込んできたナッシュは、一年間アメリカ全土を車で旅をしていたところ、ポーカーの名手であるポッツィと偶然で出会う。二人はある億万長者の二人組と全財産を賭けてポーカー勝負をするが、負けて借金を抱えることに。仕方なく借金返済のために壁を作る仕事をすることになる。ところが。。。ちょっと変わったロード・ノベル。

文庫OFF

スピード感溢れる展開…

スピード感溢れる展開が魅力。しかし、全篇通してやるせない雰囲気漂う作品です。

文庫OFF

偶然転がり込んだ遺産…

偶然転がり込んだ遺産。そして偶然の出会い。世界から切り離された状況の中で、壁を築き上げるという作業と相反して何かか崩れ落ちていく感覚。話に引き込まれる一方で閉塞感が付きまとった作品でした。

文庫OFF

2024/05/24

最近読んだ小説の中では最も引力のある小説だった。 そしてきっとまた読み返したくなる作品である様に思う。 これを薦めたくなる様な人に会ってみたいな。

Posted byブクログ

2024/05/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

偶然の音楽 主人公は会ったことも覚えていない父親から大金を相続し、そのお金で全米を車で 回る生活を始める。自由に移動しながら感じる閉塞感。その先に本当の閉塞環境が待っていた。旅の途中で知り合ったジャック・ポッツイーというポーカーで身を立てている若者に残りのお金を託して、宝くじを当てて大金持ちになった2人組の大金持ちとポーカーの勝負を行う。その結果としての借金。その返済のための壁作り。本当の閉塞環境の中で、主人公は正気と狂気の間をゆったりと行き来しはじめる。 アメリカ文学独特の乾いた文体と不思議な環境の奇妙な物語。 偶然には意味が無いと思うのか?それとも神の采配と思うのか? 人はその間のバランスを取ることによって正気を保つ。 竹蔵

Posted byブクログ

2024/05/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ナッシュは、サーブを走り続けた頃の身に余る自由よりも、牢獄のように囲まれたところで自由を奪われ重労働制限された自由が居心地が良いように思えた。 フラワーとストーンは有り余ったお金の使い道に困り、ポーカーが面白くてやっているというより、人間の本性を試すのが面白くてやっているようだった。壁にはあまり興味が無さそうな。それより、人間が欲なしに生き抜けれるのか知りたいように思えた。 カジノの要素になると、映画カイジやイカゲームを彷彿とさせたが、時代の流れからしたら、勿論、ポールオースターがインスピレーションを受けたのではなく、受けるとしてもカイジやイカゲーム側だと思った。

Posted byブクログ

2023/06/09

赤いサーブ。。クラシック音楽。。なんか既視感と思ったらドライブマイカーか。ひたすら車を走らせる場面では自然とあの映画の車内での「音」を思い出していた。 柴田さんのあとがきがずーんと来た。 「本当の物語は、動くのをやめたところからはじまるのだ。動くことをやめて、他人とかかわり合い...

赤いサーブ。。クラシック音楽。。なんか既視感と思ったらドライブマイカーか。ひたすら車を走らせる場面では自然とあの映画の車内での「音」を思い出していた。 柴田さんのあとがきがずーんと来た。 「本当の物語は、動くのをやめたところからはじまるのだ。動くことをやめて、他人とかかわり合いはじめたときに人はどのような倫理的決断を迫られるかーーあるいは、どのような選択を通して他人をそして自分を救うことができるのかーーが問題なのだ」

Posted byブクログ

2023/05/10

前半に出てくるエピソードが全部金の話なのがおもしろい。最初は主人公ナッシュの行方不明だった父からの遺産の話、次に相棒ポッティのたまに来て散財する父との幼少期の思い出話し、最後にポーカーの相手となるフラワ&ストンの宝くじの話。どれも短編小説にしてほしいくらい楽しい。 ナッシュはな...

前半に出てくるエピソードが全部金の話なのがおもしろい。最初は主人公ナッシュの行方不明だった父からの遺産の話、次に相棒ポッティのたまに来て散財する父との幼少期の思い出話し、最後にポーカーの相手となるフラワ&ストンの宝くじの話。どれも短編小説にしてほしいくらい楽しい。 ナッシュはなにかから逃げているような感じがします、ですので転がり込んできた遺産で買った新車の赤いサーブ900でアメリカ中を走りまくるのは逃避行の旅になるのだろう。ナッシュの住むボストン、娘の住むミネソタ、亡き父の住んでいたカリフォルニア、最後の舞台となるニューヨーク。実際の距離と小説の中の時間間隔がおかしいのは、ナッシュが何の目的もなく金が尽きるまで走りまくっているのを表している。 金が尽きそうになったころに出会うポッティ、なぜ彼を相棒にしたのだろう。 ・ポーカーの達人と見込んだ、カモから金を巻き上げ残金を増やして旅を続けるため。 ・ポッティから自分と同類のにおいがした、旅の仕上げを手伝ってもらうため。 理由はどちらもあるような気がします、どちらにしても旅の終わりはそんなに先ではないとわかっていたのでしょう。 ラストでハイドンとモーツァルトの逸話が出てきます。ナッシュは自分がハイドンとモーツァルトどちらに似ていると感じたのだろうか。ひと仕事終えた人間の選択がどうだったのか、そして謎めいたラストシーン。なかなか想像力を掻き立てられました。

Posted byブクログ