創造的論文の書き方 の商品レビュー
論文を創るということはどういう心持ちで、どのようなことをすればいいのか、が非常に平易に、わかりやすく書かれている。 何回も読んでみたい書だ。
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小田博志フィールドワーク入門のおすすめ本である。フィールドワークについてはほとんど言及していないが、論文の書き方である。しかも付録から考えると修論の書き方がメインである。レポートの書き方ではなかった。
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研究始めたての頃に読みたかった本。 ハーシュマンの本、ちゃんと読んでこればよかったな。 ハーシュマンの本では ①理論の概念集合とそれらの関係 ②その理論がどんな現実から抽象化されて出てきたか が勉強になる。 ①と②を持ち合わせた研究が後世色んな人に影響を与える。 ・文章を書く...
研究始めたての頃に読みたかった本。 ハーシュマンの本、ちゃんと読んでこればよかったな。 ハーシュマンの本では ①理論の概念集合とそれらの関係 ②その理論がどんな現実から抽象化されて出てきたか が勉強になる。 ①と②を持ち合わせた研究が後世色んな人に影響を与える。 ・文章を書くことついて 論文はパーツごとに書いて何度もそれらの間を行き来するうちに、始めて全体像が見える、そこから各パーツの論理的な関係を考えて並べ変えたりしてみる。(すごく共感) 読者はリニアーにしか読めないから、論文のどのパートがどう関係しあって結論にいたるのかを意識する。 ・文章修行術 読んでいて心地いい著者を3人くらい見つけて読み漁る
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音楽への見立てや様々な例え。本当に分かりやすく腹落ちする。論文だけでなく書籍を書くにもこの本の知見を活かすのが良いと思う。何度でも読み返したい。
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【創造的論文の書き方】 ・佐々木さんにお薦めいただいて読了 ・論文を書く機会は院に進まない限りないかと思うが、普段の業務においても大切だと覆う点をいくつか挙げる ①「アマは自分のために文章を書く」「プロは相手のために文章を書く」 ②仮説とは、発見したりどこかから降ってくるもの...
【創造的論文の書き方】 ・佐々木さんにお薦めいただいて読了 ・論文を書く機会は院に進まない限りないかと思うが、普段の業務においても大切だと覆う点をいくつか挙げる ①「アマは自分のために文章を書く」「プロは相手のために文章を書く」 ②仮説とは、発見したりどこかから降ってくるものではなく、自分で育てていくものである ■①「アマは自分のために文章を書く」「プロは相手のために文章を書く」 ・つい自分の仕事ぶりや労力を分かってほしくて、本筋から外れた情報や内容を文章として書き表してしまうことはよくあること。本書は論文の書き方であるとはいえ、提案書や報告書においてもこれは当てはまるか ■②仮説とは、発見したりどこかから降ってくるものではなく、自分で育てていくものである ・佐々木さんが「示唆を通して顧客に価値を与えるのがコンサルである」と発言されているが、この内容の通りかと思う。どこからか降ってくるような奇抜なものではよい示唆とは言えず、没になる概念や情報を繰り返し吟味しながら生み出す示唆をいかに自分からひねり出せるか。 そのために、学習の流れを絶やしてはいけないと思う(奥村)
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論文執筆や研究の方法について書かれた本は、最近ではわりと多い。ただ初版発刊当時は類書は少なかったのだろう。今日であれば、他のリサーチデザインのテキストと見比べて、よさそうであれば読むことを勧める。理由は、対話編・概論編において、比喩の用い方が独特なためだ。これは著者の所属する研究...
論文執筆や研究の方法について書かれた本は、最近ではわりと多い。ただ初版発刊当時は類書は少なかったのだろう。今日であれば、他のリサーチデザインのテキストと見比べて、よさそうであれば読むことを勧める。理由は、対話編・概論編において、比喩の用い方が独特なためだ。これは著者の所属する研究科で扱う細かい知識がある読者を前提にしているように見える。研究方法を説明する上での事例は、平易な方がよいと思う。その方が本書の本質である方法論を理解しやすい。ただし、付録である論文の書き方のメモには、一読の価値がある。修士論文の指導の際、ここに書かれている多くのことを何度も言われた。今では、そのとき論文を書いているから理解できたように感じる。
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伊丹先生のアナロジー(眼鏡とか風呂とか)たっぷり。論文作成だけでなく資料作成や思考プロセス強化にも使える本だと思います。 特に印象に残ったのは以下。 ・説得の方法にはデータ、分厚い記述、精緻な論理(演繹的な)がある。 →データでの仮説実証を絶対視するのではなく、様々な方法を組み...
伊丹先生のアナロジー(眼鏡とか風呂とか)たっぷり。論文作成だけでなく資料作成や思考プロセス強化にも使える本だと思います。 特に印象に残ったのは以下。 ・説得の方法にはデータ、分厚い記述、精緻な論理(演繹的な)がある。 →データでの仮説実証を絶対視するのではなく、様々な方法を組み合わせていくのが社会科学には求められるのでは。これにより既存研究の見方が変わった。気をつけよ。 ・複眼的な思考(大きく狭く考える) →大きな視野を持ちながらも深い論理を展開していく。同時ではなく使い分け。 ・書くことで思考をドライブする →見えることでインスピレーションを受ける。公的に考えることで論理のつながりに配慮するようになる。
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社会学系の大学院や学部の学生を対象に書かれた論文の書き方の心得。 社会学系の論文を書くことに関し、前半はゼミの卒業生との対話として、後半はそれを整理した概論として、「研究の仕方」、「文章の書き方」としてまとめている。 好みもあるだろうが、後半の概論が読みやすい。ただし本書は、...
社会学系の大学院や学部の学生を対象に書かれた論文の書き方の心得。 社会学系の論文を書くことに関し、前半はゼミの卒業生との対話として、後半はそれを整理した概論として、「研究の仕方」、「文章の書き方」としてまとめている。 好みもあるだろうが、後半の概論が読みやすい。ただし本書は、論文にまつわる心得、もしくはエッセイに類するものである。本書を読めばそれだけで論文が書けるというものではない。それは他のHow To本や達人の書いたものと同様であり、ことさらに本書に非があるわけではない。 「よいテーマ」とは何か、「仮説」を育てていくプロセス、論文としての「現実」のまとめ方、それを「文章として表現していく」上での心得や「文章化する価値」など、なるほどと思う読者も多いのではないかと思う。特に私は、論文の終わらせ方についての、「『止めを打つ』ということが大切さ」と「望ましい止め」についての部分に共感した。「望ましい止め」とは、未来への拡がりを述べるというよりは、より大きなものの一部であることを述べるとよいという主旨の主張である。 「宙に目をやり、自分のしたことが何の一部だったのか、振り返る」 それは、創造的論文以前に、大人の態度としても美しいではないか。
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本棚を整理してたら出てきた。けっきょく読まずに論文書いちゃって、なんのために買ったのやら。というか買ったことすら記憶にないぞ、いつ買ったんだ。 著者と院生とが論文について議論する対話編と、テーマの設定から論文のかき揚げまでをまとめた概論編の2つのパートに別れる(それと付録の論文の...
本棚を整理してたら出てきた。けっきょく読まずに論文書いちゃって、なんのために買ったのやら。というか買ったことすら記憶にないぞ、いつ買ったんだ。 著者と院生とが論文について議論する対話編と、テーマの設定から論文のかき揚げまでをまとめた概論編の2つのパートに別れる(それと付録の論文の書き方メ 対話編と概論編とは重複する部分も多くて、概論編のほうが当然にまとまっている。 ただ、大事なのは概論編よりも対話編のほう。初めて論文を執筆することの困難は、完成された成果物=ゴールの想像つかなさと、それに至るプロセスの想像つかなさがあって、後者のほうが難しいように思う。前者は他人の論文を読めばぼんやりとはいえ想像できるのに対して、後者はどこにも出ていないからどうにもわからない。 で、本書において、概論編は成果物であり、対話編は概論編を生産するためのプロセスの記録という対応関係になっている。あくまでも著者と院生の議論であり、研究のプロセスとは異なるものの、通常は表側には出てこないプロセスの部分が開示される(本として成立した時点で成果物であり本当のプロセスは別にある、というのは置いとくとして)。あー、こういう思考・検討のプロセスを経て、概論編にたどり着くのね、というところがなんとなくイメージできる気がするのは少しだけ安心感を与えてくれる。
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創造的論文とは、意義があることを説得的に伝える論文のこと。細かく言えば、仮説の発想と論証の創造性が高いということです。 この本は、創造的な論文を書く段階に至るまでの考え方を提示してくれます。 創造的論文は最後まで創造的です。読んだ人が未来の展望が描けるような終わりです。それは、仮設の発想の段階がしっかりしていないと出来ません。仮説を発想するためには、理論と言うメガネによって現実を捉える必要があります。 「仮説と論証の螺旋」というものが、とても重要なキーワードだと思います。
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