紅一点論 の商品レビュー
アニメ特撮の中で描かれる紅一点、女性とその環境をいつもの毒舌で語るのだが、同じ著者の他の作品のように思えなかった。アニメ特撮評論の孫引きを読まされている印象があった。どうも鋭さと毒が少ない気がしたんだが。 んまあ文芸作品の評論と違って映像作品の該当部分を引用することは不可能だか...
アニメ特撮の中で描かれる紅一点、女性とその環境をいつもの毒舌で語るのだが、同じ著者の他の作品のように思えなかった。アニメ特撮評論の孫引きを読まされている印象があった。どうも鋭さと毒が少ない気がしたんだが。 んまあ文芸作品の評論と違って映像作品の該当部分を引用することは不可能だからしょうがないと言えばそうかもと納得させる。 エヴァの説明のあらすじでああそうかと再確認したことがあった。本編は何回も見てたはずだが彼女の要約の切れ味にあらためて驚かされた。 伝記の話になってようやく彼女の作品らしく感じた。 ちょっと異色な作品だと感じる。少し残念な本。
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男の中に女がひとり、というドラマなどで見慣れた光景を斬る。いや社会の上層部も、「たくさんの男と少しの女性」でできているのだが。。 「たくさんの男と少しの女性」の語源は王安石の詩の一部だそうだが、これらは小学生向けの伝記シリーズ、TV・映画によって幼少期から摺りこまれる。氏は質の...
男の中に女がひとり、というドラマなどで見慣れた光景を斬る。いや社会の上層部も、「たくさんの男と少しの女性」でできているのだが。。 「たくさんの男と少しの女性」の語源は王安石の詩の一部だそうだが、これらは小学生向けの伝記シリーズ、TV・映画によって幼少期から摺りこまれる。氏は質の問題として、紅一点のヒロインは「ひとりだけ選ばれて男性社会の仲間に入れてもらえた特別な女性」という点をあげる。もっと正確に言うなら、選者は男性である。この観点で取り上げたのはジャンヌ・ダルク、ナイチン・ゲール、キュリー夫人などの伝記人物から、リボンの騎士、セーラームーン、ヤマト、ガンダム、エヴァンゲリオン、コナン、ナウシカ、もののけ姫など。こ れら男性にお墨付きを得られたヒーロを、ばっさばっさと類型し分析する。アニメの国のヒロインは男の視聴者のためのセクハラ天国だとバッサリ。ロリコンの衣装もさることながら、ドラエモンでさえしずかちゃんの入浴シーンが用意されている。 女性を長年やってれば、この紅一点感覚が暮らしにくさの原点かも、と思い当たる。
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アニメのヒロインをフェミニズム的視点で評論するという、ありそうでなかった本。エヴァ世代なので、エヴァの章は特に興味深かったです。
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大学の図書館で借りて読んだ本。アニメ・特撮・伝記の中のヒロインの描かれ方を取り上げ、女性がどういう役割を強いられてきたかを論じている。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ドラえもんにおけるしずかちゃん。ゴレンジャーにおけるモモレンジャーの位置づけがよくわかる。何故かキャリアを持つ女性像は悪の黒幕として登場する。
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購入:2009/10/26 世間的に絶賛されている物語でも、女性の描き方に着目してみると、ほーんと、男性の願望が投影された類型的な女性ばっかりであることよ。 そういう意味で「妊娠小説」につながるものを感じる。
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やっぱりやっぱりミナコ様! 妊娠小説からずっと、その目のつけどころの素晴らしさは群を抜き、 そうしてその分析力は高まる一方。 エヴァンゲリオンやゴレンジャーのヒロインと、 キュリー夫人とナイチンゲールが同じ土俵で語られるこのカイカン! 切り取られるその姿がまた、胸をすく。 ...
やっぱりやっぱりミナコ様! 妊娠小説からずっと、その目のつけどころの素晴らしさは群を抜き、 そうしてその分析力は高まる一方。 エヴァンゲリオンやゴレンジャーのヒロインと、 キュリー夫人とナイチンゲールが同じ土俵で語られるこのカイカン! 切り取られるその姿がまた、胸をすく。 以前有川浩を「読むセラピー」と評したが、 この本はまさに、「読む外科手術」。 あなたの胸の奥の奥までえぐり出されて、お日様の下にさらされてぺかぺかだ。 こんなのあり?なんだこれ? ナイチンゲールは知ってても、確かにそう、実際はなにがすごだったんだっけ? ヘレンケラーって三重苦を乗り越えて、どうすごかったの? えぐり出された傷につめられたものは多分、そこにあった肉体の代わりじゃなくて、 なんかそう、冷たくて固くてすごいもの。 読み終わったときあなたはそうきっと、一部別な人になってると、あたしは思うよ。
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いはやは面白かった! 日本のアニメから伝記まで、男女差を視点に切り込む切り込む。 ドラえもんのしずかちゃんに女の子の友達がいないのはなぜか?や、女の子の戦いは、愛のための戦い、など、ついうなずきたくなるものばかり。 著者の『モダンガール』のときも、そこまでいってもいいの?と思っ...
いはやは面白かった! 日本のアニメから伝記まで、男女差を視点に切り込む切り込む。 ドラえもんのしずかちゃんに女の子の友達がいないのはなぜか?や、女の子の戦いは、愛のための戦い、など、ついうなずきたくなるものばかり。 著者の『モダンガール』のときも、そこまでいってもいいの?と思ったけれど、切り口のするどい文体で、楽しめる。男性はきらいかもしれないけれど、楽しめない人は心がせまいかも。
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厳密にいうとジェンダー論ではない。レヴィ・ストロースの『神話論理』等をもじったお笑い構造主義論だろう。筆者の執筆意図は十全には果たせていないかもしれない。しかし、サブカル題材のキャラ分析は驚くほかないし、伝記書人物の紹介には知らなかったことも多く(幼い頃伝記を読みふけったものの一...
厳密にいうとジェンダー論ではない。レヴィ・ストロースの『神話論理』等をもじったお笑い構造主義論だろう。筆者の執筆意図は十全には果たせていないかもしれない。しかし、サブカル題材のキャラ分析は驚くほかないし、伝記書人物の紹介には知らなかったことも多く(幼い頃伝記を読みふけったものの一人として)目を見張った。特に、キュリー”夫人”をローザ・ルクセンブルグと並置したところなどは快哉をおくりたい。批評としては傑作。
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これこそ、わかりやすい、エンターテイメント的ジェンダー論、という1冊。 オトコ社会で頑張って生きている女子、 男女平等とアタマでは理解している男子の皆さん必読。 とにかく、うまいです。
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