歴史をかえた誤訳 の商品レビュー
通訳でも言葉の使い方…
通訳でも言葉の使い方一つで意味が違ってとらえられてしまうと大問題に発展してしまう。ちょっと恐い感じもした。
文庫OFF
2001年新潮OH!文庫版。 鳥飼の文章は流れがよく読みやすい。タイトルのような事例が吉田茂、中曽根、海部、宮沢ら政治家やアポロ宇宙船などについて紹介。聞き覚えのあるものが多い。 通訳についての鳥飼の見解も明快。日本人、外国人の思考回路の説明もかつてJICA研修で聞いた話のとお...
2001年新潮OH!文庫版。 鳥飼の文章は流れがよく読みやすい。タイトルのような事例が吉田茂、中曽根、海部、宮沢ら政治家やアポロ宇宙船などについて紹介。聞き覚えのあるものが多い。 通訳についての鳥飼の見解も明快。日本人、外国人の思考回路の説明もかつてJICA研修で聞いた話のとおりでなるほどと思った。
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米原万里さんリスペクトが伝わる。 タイトルが惜しい。 果てしない勉強と訓練に思いを馳せ、通訳・翻訳関係者にはなるまい、と思った。
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中学生の頃に知った鳥飼久美子氏は、当時は珍しい同時通訳の花形として大活躍しており、私にとってはもはやアイドルを通り越して憧れの存在だった。真剣に英語を学ぶきっかけを与えてくれた人である。 国際政治の舞台ではこんなにも通訳が重要なウエイトを占めているのかと再認識させられた。通...
中学生の頃に知った鳥飼久美子氏は、当時は珍しい同時通訳の花形として大活躍しており、私にとってはもはやアイドルを通り越して憧れの存在だった。真剣に英語を学ぶきっかけを与えてくれた人である。 国際政治の舞台ではこんなにも通訳が重要なウエイトを占めているのかと再認識させられた。通訳は内容に立ち入ってはならず、万一それによって国と国との交渉や関係が損なわれたら大変なこと。政治家や官僚の努力も無駄になるというものだ。そんな具体的事例を示しながらの解説は臨場感に溢れ、まるでその場に鳥飼さんと一緒に居るような気分になった。 歴史を変える程ではないが、私も誤訳にはとても苦い思い出がある。アメリカ某港との貿易協定を締結する際の締結書の草案を誤訳してしまったのだ。本来プロに依頼すべき翻訳だが、たまたまその日は休日だったので、上司は急遽私にやらせた。早く概略を掴みたかったのだろう。翌日プロに発注すれば良いものを、彼はそのまましばらく利用した。そして後にプロから、ニュアンスの違いなどではなく、間違いがあると指摘された。当然その後に正しく修正されたが、今でも穴があったら入りたい程恥ずかしい思い出だ。 本書の中で一つ残念に思うことは、引用された一連の新聞報道がほとんど朝日新聞からで、他紙の情報がないことだ。本書の性格上政治の舞台裏の話が多いが、ほとんど朝日新聞を介しているためかなり偏っているように見える。全国紙の中でも○大紙とかいって、朝日が日本の言論を代表しているかのように考えるのは、もはや終わりにしてもらいたい。
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これはおもしろい。 言語間の橋渡し(通訳や翻訳)を通して文化の翻訳・コミュニケーションについて考えさせてくれる。 言葉が異なるのは、文化や思考形態が違うからで、例えば朝日新聞の天声人語も、英語では最低の文章になるのだそうな。 もっと単純に色の感覚も違うらしい。 ウサギの目は赤い。...
これはおもしろい。 言語間の橋渡し(通訳や翻訳)を通して文化の翻訳・コミュニケーションについて考えさせてくれる。 言葉が異なるのは、文化や思考形態が違うからで、例えば朝日新聞の天声人語も、英語では最低の文章になるのだそうな。 もっと単純に色の感覚も違うらしい。 ウサギの目は赤い。でも英語では「White Rabbit with pink eyes」となる。ピンクなのだ。同じウサギなのにね。
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人は言葉なくしては理解しえないことを痛切に感じさせる一冊. ポツダム宣言を黙殺すると鈴木貫太郎首相は公の場でいった.国民総動員態勢の中で,決死の覚悟を強いていた国内状況を踏まえると,静観するといいたかったのを強気の表現で言いたかったのだ.しかし,連合国はneglectと黙殺を翻訳...
人は言葉なくしては理解しえないことを痛切に感じさせる一冊. ポツダム宣言を黙殺すると鈴木貫太郎首相は公の場でいった.国民総動員態勢の中で,決死の覚悟を強いていた国内状況を踏まえると,静観するといいたかったのを強気の表現で言いたかったのだ.しかし,連合国はneglectと黙殺を翻訳した.結果は原爆投下につながったのである.
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