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敗北を抱きしめて(下) の商品レビュー

4.3

17件のお客様レビュー

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2018/03/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

長く日本にも滞在し、日本近代史を専攻する米国リベラル派の歴史学者が、終戦の8月15日からサンフランシスコ講和条約締結までの約7年間を膨大詳細な資料を渉猟しながら戦後日本を克明に描いた日本論。 ’01年版。

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2017/08/16

ピューリッツアー賞を含め、複数の賞を受賞したに恥じない内容であった。豊富な資料をベースに、日本の様々な階層に焦点をあてながら、戦後の日本を写実的に描きだそうという努力には圧倒された。一方で、欧米やアジアの読者達の思いへの配慮も忘れない。特に、戦争責任が曖昧化されていく複雑怪奇な過...

ピューリッツアー賞を含め、複数の賞を受賞したに恥じない内容であった。豊富な資料をベースに、日本の様々な階層に焦点をあてながら、戦後の日本を写実的に描きだそうという努力には圧倒された。一方で、欧米やアジアの読者達の思いへの配慮も忘れない。特に、戦争責任が曖昧化されていく複雑怪奇な過程を、戦争の勝者・被害者の目からみても、ある程度、事実を事実として、つかめる様に描こうとする態度には感服した。

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2016/03/21

下巻では、第四部「さまざまな民主主義」において、いかにGHQが天皇を利用することで日本の占領政策を有利に進めようとしたか、そのために国民主権と象徴性天皇という2つの概念を新たな憲法で両立させようとしたかという動きが克明に描かれていく。 また、日本的経営を考える上で本書の最終章に...

下巻では、第四部「さまざまな民主主義」において、いかにGHQが天皇を利用することで日本の占領政策を有利に進めようとしたか、そのために国民主権と象徴性天皇という2つの概念を新たな憲法で両立させようとしたかという動きが克明に描かれていく。 また、日本的経営を考える上で本書の最終章にあたる「成長を設計する」は様々な示唆を与えてくれる。戦後の日本的経営を形成する要素は数多あるが、そのうちの重要な要素として銀行を中心とする間接金融による企業の「系列化」というメカニズムがある。本書では、財閥がGHQの指令により解体させられた後、結果として旧財閥の果たした役割をいかに銀行が果たしたか、そして銀行に対する官僚のコントロールにより日本の国家資本主義(ケイジアン的資本主義)とも呼べる経済政策がどのように形成されたかというメカニズムを克明に理解することができる。 戦後日本社会を考える上で、日本人ではなくアメリカ人が描いた歴史書として白眉な本書は、その極めて高いリーダビリティと日本社会に対する温かいヒューマニスティックな視線も相まって、傑作と呼ぶべき一冊。

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2015/06/06

これは持ってません 上巻は持ってます どこにあるか見つけるまで大変でした。 安倍首相はこの本を読んでいるのでしょうか?歴史観は政治家にとって 重要だと考えます

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2011/12/19

読み終えた感想としては、思っていたのと違ったなあということ。10年余りの積ん読の間、この本は戦争に敗れ打ちひしがれた日本の人々が、それでもたくましく這い上がってきた道程を描いた本だと思っていた。だから、3・11後のいま読もうという気になったのだ。 だが読んでみれば、日本人とは……...

読み終えた感想としては、思っていたのと違ったなあということ。10年余りの積ん読の間、この本は戦争に敗れ打ちひしがれた日本の人々が、それでもたくましく這い上がってきた道程を描いた本だと思っていた。だから、3・11後のいま読もうという気になったのだ。 だが読んでみれば、日本人とは……したたかで、軽佻浮薄な人々だったのだという印象。昨日までは鬼畜米英と言っていたのが、クルリとアメリカ礼賛に転じ、弱い国民の立場になって当時の指導者を糾弾する。まあ、これでいいのだし、どこの人々でもこんなものだろう。そもそも、日本人だけが特別に抑制の利いた秩序立った人々なんだと思うことのほうがおかしいよね。 また、日本は戦後の範をアメリカにとったけど、占領軍も日本をいいようにしてくれたもんだなという気持ち。当初、理想郷を作ろうとした点は、満州での日本の振る舞いを髣髴とすらさせるし、その後、冷戦が深刻になった途端、軍隊をもつよう言い出すとは、それ以上のご都合主義だなあと。

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2011/10/16

現代の日本がなぜこうなのか、疑問に思う人はこの本を繙くがいい。 米国人が書いたこの本。日本にも米国にもどちらに対してもフェアー。 新聞の投書から文学書から学術書からを縦横無尽に渉猟していて、なぜ外国人がこれだけ調べられたのだろうか。奥さんが日本人のためか。 この本を読んで、...

現代の日本がなぜこうなのか、疑問に思う人はこの本を繙くがいい。 米国人が書いたこの本。日本にも米国にもどちらに対してもフェアー。 新聞の投書から文学書から学術書からを縦横無尽に渉猟していて、なぜ外国人がこれだけ調べられたのだろうか。奥さんが日本人のためか。 この本を読んで、戦後日本はまだ米国の呪縛から解放されていないこと、今の低迷は終戦時に起源を発していることがわかり、それだけに克服するのは容易でない。

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2010/08/15

内容の濃い良心的な作品。 終戦後の混乱期の日本を描いて、光の当て方に独自性があります。 しんどい内容なので、読み込むのは大変。 他に人はどう書いていることなのだろうかと思うが、とても調べきれない… 占領期に官僚が強化された体制が、今日に至る問題に続いているという指摘には、考えさせ...

内容の濃い良心的な作品。 終戦後の混乱期の日本を描いて、光の当て方に独自性があります。 しんどい内容なので、読み込むのは大変。 他に人はどう書いていることなのだろうかと思うが、とても調べきれない… 占領期に官僚が強化された体制が、今日に至る問題に続いているという指摘には、考えさせられます。

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