沈まぬ太陽(2) の商品レビュー
巨大航空企業の不条理さに闘いを挑んだ男のドラマ2冊目。 友の裏切り、家族との別離、焦燥感と孤独感が主人公を追い詰める。 そんな折、自社の旅客機が連続事故を起きる・・・。 本作は、前巻からアフリカで仕事するまでの経緯とその後を物語。 あまりにも不条理な人事に憤りを感じま...
巨大航空企業の不条理さに闘いを挑んだ男のドラマ2冊目。 友の裏切り、家族との別離、焦燥感と孤独感が主人公を追い詰める。 そんな折、自社の旅客機が連続事故を起きる・・・。 本作は、前巻からアフリカで仕事するまでの経緯とその後を物語。 あまりにも不条理な人事に憤りを感じます。 でも主人公は決して敵方の上層部から評価は低いわけじゃないです。 何度も日本に戻るならという交渉を受けます。 たぶん普通の人なら、会社を辞めたり軍門に下るんでしょうね。 主人公のものすごく強い信念というものがうかがえます。 会社員としてはどっちがいいんでしょうね。 前巻と同じく日々会社に不満を持つ会社員の方にお勧めの作品です。
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主人公がアフリカで送る日々の記録が約8割。著者の緻密な取材ぶりに驚嘆しつつ読み進めていくと、第三巻「御巣鷹山篇」の伏線となる、国民航空の連続事故の描写に出くわし緊迫感が増す。事故発生当時の臨場感たるや、文字を追うだけの私の手に汗がにじみ、心臓の鼓動が早くなるほど。 本巻「アフリ...
主人公がアフリカで送る日々の記録が約8割。著者の緻密な取材ぶりに驚嘆しつつ読み進めていくと、第三巻「御巣鷹山篇」の伏線となる、国民航空の連続事故の描写に出くわし緊迫感が増す。事故発生当時の臨場感たるや、文字を追うだけの私の手に汗がにじみ、心臓の鼓動が早くなるほど。 本巻「アフリカ篇(下)」は、やや冗長な下りが目に付くが(「アフリカの女王」とのエピソードなど)、第三巻への通過点なので、この巻に関してはとやかく言わない。 この巻を無事に読み終えられた人は、きっともう最終巻まで読まずにいられなくなると思う。
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前巻に続くテヘラン・ケニアでの恩地さんの苦行に加えて、第一組合員への 仕打ちもひどい。これほど容赦なく弱者を叩きのめせるものなのか。 恩地さんと組合員の筋を通そうとする気持ち、仲間や正義への忠誠心が熱い。 もし自分が同じ立場だったら同じことができるかどうか。 最終的に日本に帰...
前巻に続くテヘラン・ケニアでの恩地さんの苦行に加えて、第一組合員への 仕打ちもひどい。これほど容赦なく弱者を叩きのめせるものなのか。 恩地さんと組合員の筋を通そうとする気持ち、仲間や正義への忠誠心が熱い。 もし自分が同じ立場だったら同じことができるかどうか。 最終的に日本に帰れることになったけど、起承転結の承が終わって、いよいよ 次巻で転に至ることを思うと読む前から辛くなってくる。 個人的にはナイロビやサファリに行ったことがあるので、ナイロビの章を 読んでまたケニアに行きたくなった。
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報復人事により盥回しにされながらも、耐え忍んでいるが、家庭崩壊も目前。そんな中でも、筋を通していく…結構ハードで、剥製を撃ち抜くシーンは精神の限界を越え、崩壊か⁉とも思えた。 次は、東京。まだ報復は続き、読み応えは十分ありそう。
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やっと不遇の時代を終え、行き先に光がさし始めた主人公。 逆境に負けず、自分の信念を貫き、腐らず生きる姿は非常に立派だ。 ただ、どこか冷めた気持ちで読んでしまう、今一つ感情移入ができません。
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本巻ではカラチ(パキスタン)に続く報復人事の地、テヘラン(イラン)そしてナイロビ(ケニア)における奮闘を描いている。 私のお気に入りの登場人物はテヘランの「侍支店長」こと島津支店長。カラチでは人間関係に恵まれなかった恩地、テヘランでは良い上司につくことができたようだ。 格好良い...
本巻ではカラチ(パキスタン)に続く報復人事の地、テヘラン(イラン)そしてナイロビ(ケニア)における奮闘を描いている。 私のお気に入りの登場人物はテヘランの「侍支店長」こと島津支店長。カラチでは人間関係に恵まれなかった恩地、テヘランでは良い上司につくことができたようだ。 格好良いセリフは以下のとおり。 「間に合うはずがない。中東は日本人にとって一番理解できない国柄なのに、本社の連中は東南アジア並みの基準でしか考えんのだから、あくせくしなくていい、責任は私が持つ」 →テヘランへの就航日が迫り部下が焦る時にかけた温かい言葉。本社からは無理な期限設定を押しつけられるものの、現地の実情から困難であるというもの。上しか見ない「ヒラメ」管理職であれば部下を煽って無理をさせるものだが、この島津支店長は部下を大切にするタイプ。そう言えば、今、私が在籍する営業所の所長もこんなタイプである。私も恵まれているのだ。 「恩地君、社宅の方を検討しておきたまえ。誰も好き好んでこんな中東に来ているのではないから、家ぐらいは日本で住めないような立派なのを探しなさい。初代の社宅がみすぼらしいと、次の代はやりにくくなるからね」 「私は単身赴任の身だ。年に一、二度家内が訪ねてくる程度だから、一軒家よりフラットの方が気楽でいい。皆は私に遠慮無用だ。本社から文句が出たら、それも責任を持つ」 →自身は欲を出さず、部下には遠慮をさせないこの気概、格好良すぎる。 残念なことに、部下から敬愛されていた島津だが、本社人事部のおぼえが悪かったようで、子会社の空港管理サービス会社の役員に左遷されてしまう。この不条理さも、本書が惹きつけてやまない魅力なのだろう。 主人公の恩地はようやく日本へ戻ることになり、アフリカを後にする。日本でも数々の艱難辛苦が待っていると思うが、私は一読者として温かく見守りつつ読み進めたい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
報復人事による中東-アフリカの盥回し・・・ そんな中でも、良い人物との出会いがあり、理解してもらえる喜びを感じた。 しかし、逃げない強さは異常・・・ 私なら、こんな会社辞めてる。 後半、組合の主張が実を結ぶ。 ここまで耐えてきた組合員の絆に感動した。 次巻、いよいよ御巣鷹! 楽しみ。
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1巻の終わりでテヘラン(今調べたら、イランにあるそうです)への内示が出た恩地、それからアフリカのナイロビへと飛ばされます。 苦労、いい人との出会い、感激、悪い人との出会い、憤慨、夢を追う人との出会い、感動、自分を省みる、やるせなさ、1へ戻る。の繰り返し。 正直、世界各国に取材...
1巻の終わりでテヘラン(今調べたら、イランにあるそうです)への内示が出た恩地、それからアフリカのナイロビへと飛ばされます。 苦労、いい人との出会い、感激、悪い人との出会い、憤慨、夢を追う人との出会い、感動、自分を省みる、やるせなさ、1へ戻る。の繰り返し。 正直、世界各国に取材旅行に行きたいがために話を書いたとすら思えてきた。
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内容(「BOOK」データベースより) パキスタン駐在を終えた恩地を待ち受けていたのは、さらなる報復人事だった。イラン、そして路線の就航もないケニアへの赴任。会社は帰国をちらつかせ、降伏を迫る一方で、露骨な差別人事により組合の分断を図っていた。共に闘った同期の友の裏切り。そして、家...
内容(「BOOK」データベースより) パキスタン駐在を終えた恩地を待ち受けていたのは、さらなる報復人事だった。イラン、そして路線の就航もないケニアへの赴任。会社は帰国をちらつかせ、降伏を迫る一方で、露骨な差別人事により組合の分断を図っていた。共に闘った同期の友の裏切り。そして、家族との別離―。焦燥感と孤独とが、恩地をしだいに追いつめていく。そんな折、国民航空の旅客機が連続事故を起こす…。
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これでもか、って僻地に流罪のように流される恩地。。それでも自分の道を貫く、なんか男としてかっこいいと思ってしまった。 勇気と信念の塊だよね。 映画化して、謙さんが恩地ってすごく納得、いい感じ。 早く次巻読みたい!
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