ダイヤモンド・エイジ の商品レビュー

ニール・スティーヴンスン(著者),日暮雅通(訳者)

2018/10/28

・リアルタイムに状況を取り込んで、それを読み手の成長に資するストーリーとしてリフレーミングして提示するナノテク満載の本が本書の中心的ガジェット。しかも、そのバックヤードでは、匿名性を以てネット経由でつながっているアクター/アクトレスが与えられた役割を演じて、その本の中で読み手に語りかる。

・冒頭に出てくる、全く共感できないならず者が考えなしにつくった子供が本作の主人公の一人、ネル。劣悪な環境で虐待されながら育てられたネルが、偶然によって手に入れたこの本によって導かれ、育った環境から脱出する辺りから俄然、面白くなってくる。

・文庫本で上下巻の大ボリューム。あとでどう回収するんだろうというネタも散りばめられていき、加速度的に話が展開していくのだが、その割に「これで終わりですか？」感がちょっと残る。だって、やっばり大団円を期待するのでね。

・とは言え、最近読んできたSFに何となく物足りなさを感じていたところ、なかなか「ガツン」ときたSFだった。ちなみに、「ハヤカワ文庫SF総解説2000」で坂村先生が書評を書いた一冊が本書でもある。

2009/10/04

現実とリンクするインタラクティブな本「プライマー」とともに成長していく少女。「プライマー」が本当にあったらいいのに。

2009/10/04

スノウ・クラッシュのが面白かったかな〜
ネル以外のキャラの成長の違いもきちっと書いて欲しかった気も。