ポケットから出てきたミステリー の商品レビュー
24編から成る短篇集。語り手たちが、まるで一つのサロンにでも集まっているかのよう。各話は独立しながらも空気は共有され、読み終わると自分もその集まりに参加していたような気分に包まれた。各々が語る内容は、軽いミステリーのふりして実はそうでもなく、じわじわと哲学的思索の世界に誘われる。...
24編から成る短篇集。語り手たちが、まるで一つのサロンにでも集まっているかのよう。各話は独立しながらも空気は共有され、読み終わると自分もその集まりに参加していたような気分に包まれた。各々が語る内容は、軽いミステリーのふりして実はそうでもなく、じわじわと哲学的思索の世界に誘われる。とくに終盤の「ありふれた殺人」「陪審員」「人間の最後のもの」は、頭が自然と人間の感情や裁判員制度の問題を考え出した。
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カレル・チャペックって絵本のイメージしかなかったけど、なかなかどうして、ちゃんとしたミステリじゃないですか。 このぐらいの短編で、ミステリぽくてユーモアがあるのって日本人はあんまり書かないよなぁ。 さくっと読めて、ちゃんとオチもあるし考えさせられるような話もたくさんあった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
どうしても欲しいサボテンを展示品から盗んだり、希少価値のある絨毯を奪おうと住居に侵入したりと、いろいろな犯罪者の話を会話形式で語り合うというスタイルの短編集(?)。 カレルチャペックは独特の味わいがあって好きだが、この形式は正直読みにくかった
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