百閒随筆(1) の商品レビュー
今まで綴ってきたテクストの意味を、最後の最後に、「わたし」が壊してしまうような掌編が多い気がした。 それゆえ、全体に奇妙な空洞感が生まれるし、賽の河原の石積みのような、徒労も、ある。 随筆とされてはいるものの、作中の「百鬼園先生」は、内田百閒とは、微妙に異なっていて、そのタネが...
今まで綴ってきたテクストの意味を、最後の最後に、「わたし」が壊してしまうような掌編が多い気がした。 それゆえ、全体に奇妙な空洞感が生まれるし、賽の河原の石積みのような、徒労も、ある。 随筆とされてはいるものの、作中の「百鬼園先生」は、内田百閒とは、微妙に異なっていて、そのタネが明かされるのが、『作文管見』なのかな、と思った。 現実を下敷きにしつつ、空想世界のエッセンスをも入れ込む、という基本構造は、収録作の中では異色を放つ『東京日記』においても、変わらないように思う。 フィクションと、ノンフィクションの間で遊ぶ作家だな、という印象。他の作品も読んでみようかな。
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人に読ませることを常に意識している印象。それは出版物である以上の最低条件なのだけれど、それでも強くそう感じられた。穏やかな理性と知性。『東京日記』のその二十一にある「さっきの騒ぎもこのお皿の中の御馳走のにおいであった様な気がし出した。」って表現が素敵。続く二十二、二十三も幽かなほ...
人に読ませることを常に意識している印象。それは出版物である以上の最低条件なのだけれど、それでも強くそう感じられた。穏やかな理性と知性。『東京日記』のその二十一にある「さっきの騒ぎもこのお皿の中の御馳走のにおいであった様な気がし出した。」って表現が素敵。続く二十二、二十三も幽かなほの怖さを味わわせてくれてニヤリ。
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先生いい味出しまくり 怖いところは好きじゃないけど、それ以外の独白的な所が大好き!丸坊主でも意外となんとかなるのよ、って気がしてくる。 戦中の家が燃えるところや、戦後の円が変わるところは価値観が変わるだろうなあと思うけれど、なんとかなるものさ、と先生流のいなしかたが良い。 しかし...
先生いい味出しまくり 怖いところは好きじゃないけど、それ以外の独白的な所が大好き!丸坊主でも意外となんとかなるのよ、って気がしてくる。 戦中の家が燃えるところや、戦後の円が変わるところは価値観が変わるだろうなあと思うけれど、なんとかなるものさ、と先生流のいなしかたが良い。 しかし耳が動くほど怒ったことはないなー
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なんかこう、どこかに向かう電車の移動中とかに読んでると 飛び降りてどっかに行きたくなっちゃう本なんだよね。 この黒を白って言い張っちゃう弁論術っていうか、 まあ見方を変えればただの子供のへりくつなんだけど… とにかくこのパワーがすごく面白い。 特にすきなのが借金の話で、私はこの...
なんかこう、どこかに向かう電車の移動中とかに読んでると 飛び降りてどっかに行きたくなっちゃう本なんだよね。 この黒を白って言い張っちゃう弁論術っていうか、 まあ見方を変えればただの子供のへりくつなんだけど… とにかくこのパワーがすごく面白い。 特にすきなのが借金の話で、私はこの人にここまで言われたら一生お金を貸し続けてしまうかもしれないなって思った。 しかしこれだけ読んでいると大へそ曲がりみたいなのに、内田百閒って色んなところで愛されてて面白い。いいな、同じ時代を生きてみたかったです。
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