日本書紀はなにを隠してきたか の商品レビュー
『日本書紀』に記された日本古代史上のいくつかのテーマにかんする、著者の論考をまとめた本です。 著者は『〈聖徳太子〉の誕生』(1999年、吉川弘文館)などで展開された大山誠一の「聖徳太子虚構説」をめぐって、法隆寺系史料が『日本書紀』以降に書かれたものであることを明らかにした功績を...
『日本書紀』に記された日本古代史上のいくつかのテーマにかんする、著者の論考をまとめた本です。 著者は『〈聖徳太子〉の誕生』(1999年、吉川弘文館)などで展開された大山誠一の「聖徳太子虚構説」をめぐって、法隆寺系史料が『日本書紀』以降に書かれたものであることを明らかにした功績を高く評価しています。他方で、そのことからただちに『日本書紀』の編纂者が天皇の理想像をえがくために聖徳太子をつくり出したという結論はみちびき出せないと主張します。 また著者は、主に飛鳥時代の皇位継承をめぐって、結党ではなく世代や年齢といった条件が重視されていたという見かたを提示しています。そして、乙巳の変(大化の改新)について、中大兄皇子は次の大王としてじゅうぶんな資格が認められていなかったことや、さらに皇極天皇から孝徳天皇へと譲位をおこなう計画がなされていたことなどを主張して、この事件の真相についての考察が展開されています。 このほか、壬申の乱や白村江の戦いなどについても、従来の説に対して批判的な検討をおこない、著者の考えが提出されています。 本書のなかで著者は、「藤原不比等による『日本書紀』の改竄といった指摘は、梅原猛・上山春平両氏らによっていわれ始めて久しいが、それが実際にどのようなものであったのか、今後なお詰めていかねばならないと思われる」と述べており、著者自身の立場から『日本書紀』の叙述の背後にかくされている歴史の深層にせまる試みがさまざまなかたちでなされているということができるように思います。
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妄想に過ぎない万世一系をそんなに守りたいか? 天皇がいないと纏まりのつかない低級な国民なのか? 神道を中心とする国家ではダメだったことはもはや歴史が証明済み。 さらに言わせてもらえば、皇室の行事のほとんどが明治時代になって導入されたもの。 神聖化して国民をダマそうとしたのだろう。
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解析結果、といった感じでなかなか難しかったです。 この本から他の歴史書にいくというよりは、他にも沢山本を読んで、総合的に判断しよう、と思う本。
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日本書紀が、8世紀の爲政者にとつて都合の良いやうに編纂されてゐると云ふことは、もはや常識といつても良いと思ふ。 さう云つたときに、これまで讀んだ本では5世紀までのことを採上げてゐることが多かつたが、この本ではむしろ6世紀から7世紀にかけての、いはば古代史のなかでも定説となつてゐ...
日本書紀が、8世紀の爲政者にとつて都合の良いやうに編纂されてゐると云ふことは、もはや常識といつても良いと思ふ。 さう云つたときに、これまで讀んだ本では5世紀までのことを採上げてゐることが多かつたが、この本ではむしろ6世紀から7世紀にかけての、いはば古代史のなかでも定説となつてゐるやうなことについて、學問的に新しい觀點から檢證してゐる。 想像力を最大限にはたらかせて小説もどきになりがちな古代史關聯書のなかにあつては、かなり堅い内容になるが、それでも面白かつた。 ただ、古代史の知識がある程度は要求される。 聖徳太子の實像、 「大化の改新」は本當にあつたのか、 「壬申の亂」勃發の謎、 古代女帝の意義、 などなど。 2003年5月18日讀了
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