黒と茶の幻想 の商品レビュー
僕の最も好きな作家の最も好きな作品。恩田陸の幻想的な文章と、現代的な登場人物と、様々なエピソードのバランスが素晴らしい。何度も何度も読んでしまった。僕も40歳になったら、前の前の会社の同期と西表島にでも行きたいと、密かに計画している。ちなみに、当HPの名前はこの本からとってます。...
僕の最も好きな作家の最も好きな作品。恩田陸の幻想的な文章と、現代的な登場人物と、様々なエピソードのバランスが素晴らしい。何度も何度も読んでしまった。僕も40歳になったら、前の前の会社の同期と西表島にでも行きたいと、密かに計画している。ちなみに、当HPの名前はこの本からとってます。30代の日々充実しつつも、どことなくなにか足りないと感じている男女にオススメ。
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主な登場人物の4人が美しすぎてちょっと引いた。 あそこまで完璧な人間が集まるグループって現実にない。 驚いたのが「麦の海に沈む果実」に登場した憂理という人物が出ていたこと。
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難解な話のようですが、屋久島を探索しながら それぞれの謎を解いて進んで行くあたり 「夜のピクニック」を想像しちゃうし 恩田さん自ら登ったのかな?と思う位 その風景や、登って行く情景など目に浮かびます。 この題名は「三月は深き紅の淵を」に出てくるまんまの題名で おまけに...
難解な話のようですが、屋久島を探索しながら それぞれの謎を解いて進んで行くあたり 「夜のピクニック」を想像しちゃうし 恩田さん自ら登ったのかな?と思う位 その風景や、登って行く情景など目に浮かびます。 この題名は「三月は深き紅の淵を」に出てくるまんまの題名で おまけに、お話の所々に出てくる憂理は 「麦海」の憂理なんですね〜 「麦海」事態の話をモチーフにした舞台の話も出てくるし いろんな、おまけ付きのお話でした。 読み終えると・・・・壮大な自然の中、 気心の知れてないけど尊敬と信頼出来る仲間での 旅って素敵だな〜と思いました。 蒔生には結婚しないで そして、51歳でまた集まって旅をして欲しい。 そんな未来を想像しました。 そう思えるこの本は素敵です(^^
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大学時代の同級生だった利枝子、彰彦、蒔生、節子の4人は卒業から十数年を経てY島へ旅に出る。旅のテーマは「美しい謎」。提案者の彰彦曰く、安楽椅子探偵紀行をY島の大自然の中決行しようというのだ。一つずつ持参した「美しい謎」を解き明かすうち、彼らはそれぞれの過去に忘れてきた何かを思い出...
大学時代の同級生だった利枝子、彰彦、蒔生、節子の4人は卒業から十数年を経てY島へ旅に出る。旅のテーマは「美しい謎」。提案者の彰彦曰く、安楽椅子探偵紀行をY島の大自然の中決行しようというのだ。一つずつ持参した「美しい謎」を解き明かすうち、彼らはそれぞれの過去に忘れてきた何かを思い出す。果たして旅を終えた後に見えるものは―?+memo+ いわゆる"三月シリーズ"の内側の物語の一作。長編ミステリですが読み出すと止まりません。同じく三月シリーズの「麦の海に沈む果実」とも少しだけリンクしています。彰彦が可愛いです。こんなに可愛い大人の男の人がいたら是非とも結婚したいくらい(いやもう本当)。この人、昔はきっと「夜のピクニック」の戸田くんみたいだったろうと勝手に思ってます。
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実は全く同じタイトルと内容で『三月は深き紅の淵を』に出てきています。恩田シリーズは『小説の中に登場した本』が実際に現実に出てくる事が多い。次は何が出るのか、何処からの話が繋がっているのかとわくわくします。
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『学生時代の同級生だった利枝子、彰彦、蒔生、節子の4人が「美しい謎」解きをしながらY島を旅行する。各々が様々な想いを抱きながら旅をし、その中で各自が疑問に想っていたことを徐々に吐露していく』 この本の一番特徴的だと思う部分は、全4章で成り立っているのですが、各章において4人それ...
『学生時代の同級生だった利枝子、彰彦、蒔生、節子の4人が「美しい謎」解きをしながらY島を旅行する。各々が様々な想いを抱きながら旅をし、その中で各自が疑問に想っていたことを徐々に吐露していく』 この本の一番特徴的だと思う部分は、全4章で成り立っているのですが、各章において4人それぞれが一人称となって書き表されている部分だと思います。 それぞれの視点にたって旅行の様子が書かれており、読んでいて飽きません。また「三月は深き紅の淵を」や「麦の海に沈む果実」に登場した憂理が彼等の同級生として、回想シーンの中で登場しています。上記のシリーズが好きな方にはとても興味深い1冊だと思います。
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「夜の使い道って考えたことない?」魅力的な登場人物とカタルシス。恩田作品の中で共通する事の一つだと思うが、特にこの作品はそれが顕著に出ていると思う。「三月は深き紅の淵を」の中の一遍と重なり、順番としては「三月」→「麦の海」→「黒と茶」が理想的。私は三月と麦が逆になってしまったけど...
「夜の使い道って考えたことない?」魅力的な登場人物とカタルシス。恩田作品の中で共通する事の一つだと思うが、特にこの作品はそれが顕著に出ていると思う。「三月は深き紅の淵を」の中の一遍と重なり、順番としては「三月」→「麦の海」→「黒と茶」が理想的。私は三月と麦が逆になってしまったけど。この本は私の中で恩田作品の上位に位置する本。申し分ない量と交錯する小さく輝く謎に浸れる。Y島に旅行する男女4人、必ず誰かに感情移入して読めるはず。
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「三月は〜」の作中に登場する作者未詳の小説、『三月は〜』に収録された話を小説化したもの。大小さまざまな謎を惜しげもなく散りばめてある。「麦の〜」に登場する少女、憂理も登場する。 何年ぶりかで集まった四人は、それぞれ心に謎を抱えたまま旅に出る。そして次第に明らかになっていく、四人の...
「三月は〜」の作中に登場する作者未詳の小説、『三月は〜』に収録された話を小説化したもの。大小さまざまな謎を惜しげもなく散りばめてある。「麦の〜」に登場する少女、憂理も登場する。 何年ぶりかで集まった四人は、それぞれ心に謎を抱えたまま旅に出る。そして次第に明らかになっていく、四人の過去。一体、憂理はどこへ消えてしまったのか。
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利枝子・彰彦・蒔生・節子 それぞれがひとつの章を成す。 日常を離れ、利害関係を離れた太古の森に分け入った時 それぞれの胸に甦ったものは 過去に閉じ込めて置き去りにしてきたものだった。 意識的にか無意識にか記憶の扉に鍵をかけたまま 目を逸らしつづけてきたもの。 神秘の森は ...
利枝子・彰彦・蒔生・節子 それぞれがひとつの章を成す。 日常を離れ、利害関係を離れた太古の森に分け入った時 それぞれの胸に甦ったものは 過去に閉じ込めて置き去りにしてきたものだった。 意識的にか無意識にか記憶の扉に鍵をかけたまま 目を逸らしつづけてきたもの。 神秘の森は その扉の鍵を開けたのだ。 淡々としながらも 惹きつけて止まない人物描写。 それぞれが なんと人間的であり魅力的なことか。 生きてゆく上での真理 とでも言えるような表現が 少しの気負いもなく 極ごく自然にそこここに散りばめられているのもさすがである。 619頁 という大作にもかかわらず ずんずん惹き込まれるままに あっという間に読み終えてしまった。
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三月は深き紅の縁をにでてきた話だと思って、読んでみた。 美しき謎解きへの旅。4人の過去への逡巡、現在への思い。おもしろかった。謎解きの合間にはさまれるエピソードというか、事柄への考え方にはうーむと思うことが多かった。生物が生きていくためには、ハッピーエンドはありえないとか。
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