ヴェーバー・トレルチ・イェリネック の商品レビュー
ドイツ西南のハイデルベルクは、中央から離れていたこともあり、アングロサクソン文化に対する関心が高かった。このほぼ同時期に活躍した学者たちは専門こそ違えども、同じく祖国ドイツの社会的後進性を嘆き、英米型のデモクラシーに関心を寄せた。そのデモクラシーを支える宗教的根底は、コンスタンテ...
ドイツ西南のハイデルベルクは、中央から離れていたこともあり、アングロサクソン文化に対する関心が高かった。このほぼ同時期に活躍した学者たちは専門こそ違えども、同じく祖国ドイツの社会的後進性を嘆き、英米型のデモクラシーに関心を寄せた。そのデモクラシーを支える宗教的根底は、コンスタンティヌス主義(国教・領邦教会主義)を抜けきれていないカトリックやルター派ではなくカルヴィニズム、なかんずくアナバプティズムの自由教会制に傾斜した新カルヴィニズムであった。彼ら三人はそれぞれの視点でこの問題に取り組んだのであるが、大きく新カルヴィニズムに立つ日本の教会が学ぶべきことは多いだろう。その点でこの本はよい導入になると思われる。
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