童話物語(下) の商品レビュー
上下巻読了。 向山貴彦さん。初読み。ブクログのレビューを見て手に。 なんて骨太なファンタジー!!見事でした。 子供から大人まで、きっと誰でも楽しめる。 10年おきくらいで読み返していきたい。きっとその時々、感じることが違って面白いだろうと思う。
Posted by
「童話が人間の集合的無意識からもたらされるもの…」 という解説の一節が興味深い。 本作品が不特定多数の人間によって書かれたものでは多分ないし、 宮部みゆき女史の『英雄の書』にある、物語が産まれ回帰する“無名の地”から 生まれたわけでもないだろう。 血の通った人間が書いている以...
「童話が人間の集合的無意識からもたらされるもの…」 という解説の一節が興味深い。 本作品が不特定多数の人間によって書かれたものでは多分ないし、 宮部みゆき女史の『英雄の書』にある、物語が産まれ回帰する“無名の地”から 生まれたわけでもないだろう。 血の通った人間が書いている以上、物語は現実世界と、 そしてそこに生きる人たちと繋がっているんだなと教えられる。 本作品は決して商業的に書かれたものではなく、 作者が本当に書きたい話を書きたいように書いたと思う。 それゆえ、より強く現実世界との繋がりを感じることが出来た。 フォロワーが別作品のレビューで同じようなことを伝えているけど、 その捉え方ってなかなか鋭いと思うし、そう考えられる洞察力に感服しきり。 (これは解説者に対するレビューだな)
Posted by
ヤバイです。この下巻だけで3回以上は泣きました。それぐらい感動します。ペチカが成長していく所も良いです。本当に心に残った作品でした。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
感動。王道的ファンタジー。最後はオルレアやおばあちゃんとの再会をちょっと見たかった気もする少し手前で終わった感がありましたが、「まだ果てしない旅の途中だった」の最後の言葉がキレイに納まった。解説を読むと二次作品的なものがあるらしいのも、さもありなん、と納得。あと付記もよかった。このお話が全10巻からなる物語の途中の2巻なんですよ、という設定がなんか最後わくわく感を残す幕引きでした。堪能。 ジブリ的作品だなと思いました。少女と妖精の成長物語。 よくわからなかったのは、写真がなくなっていたことから西の預かり所に行くくだり。泥棒が持って行ったとかにならんかったのか?ちょっと預かり所に行く理由が、うーん?とか。あとフィツがトリニティで羽とか復活した辺り。もうちょっと説明があっても、かな。ルージャンが必死こいて心配していたのに、なんかあっさり復活してペチカと仲直りして。 と、そんな細かいことを抜きにして、下巻は良かった。 後半はもうずーっと目がウルウル状態。ハーティー・オルレアがペチカを優しく迎え、その心の温かさを感じ、徐々に心を許していくペチカ。逆に、ルージャンとフィツは1人きりの辛い生活から、ペチカの辛さを感じることができた。フィツは死というものを感じ、人間を知る。ルージャンがペチカの「許さない」に絶望し、ペチカが地割れに落ちた時に手を掴めと必死に訴え、足がズタズタになりながら道を作り、それにペチカが気付いて足の裏を拭いてあげて・・・。おばあちゃんとの再会。地図に書かれた赤い線。もうそこかしこに心震えるシーンが。 ペチカもルージャンも紫色の目になってしまい、どうなることかとドキドキ。ルージャンは自分ンの腹を刺し、「キャラメルパンごめんな」とやっと言えて、ペチカをかばってヴォーの火の玉に自ら撃たれ、ペチカに「死ぬな」とつぶやくところはもう涙ボロボロ。 「変われるってことは絶対にあきらめるなってことなんだ!」フィツが人間をかばう。 「みんな許す」と言ったペチカの強さ。「世界なんてどうなったっていい、フィツが生きていてくれる方がいい!!」と叫ぶペチカの想い。上巻のあのペチカはどこへ行った?と思うくらい優しい子がそこにいる。 「誰だって、自分が思っているよりはすごい人間だよ」ヤヤの言葉は力強く勇気づけられる。 作者が書きたいと思ったアイデアを全て注ぎ込んだんだろうなあ、と思います。ほんといろいろてんこ盛りなお話でした。けど、その量が気にならないくらい一気に読んでしまいました。 ファンタジー、おとぎ話に抵抗の無い方には、ぜひお奨めしたい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
友人に聞いて借りたファンタジー小説。 世界観の設定がものすごくしっかりとしていて、これぞファンタジー小説!!という感じがする。 壮大なストーリーではあるはずなのに、少女が主人公で、この少女が何とも人間くさいせいもあってか、「懸命に生き延びている」という感じがして、彼女の世界の狭さを知る様だった。 実際、彼女、ペチカが求めてることはといえば、誰にも追われずに狙われずに静かに暮らせること、だったんだろうなあ、とは。 しかし追いかけて行ったルージャンの成長っぷりには目を見張るものがあります。 ルージャンいい男だよ!けどなんだかすごく不憫臭が漂っているよ!! そして、騒動の根本?となったフィツですが、下巻では随分と頭が軽くなっていたような……何かの後遺症だったのでしょうか(笑) 何はともあれ一番怖いのは守頭さん。 ではあったのですが、最後の最後、彼女もやり直す機会を与えてもらっても良かったのではないかなあ、と思いました。
Posted by
日本人作家にこんな話を書く人がいるとはちょっと驚き。ミヒャエル・エンデとかを読んでた子供の頃に読みたかったな。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この本は大事なことを考えさせてくれます。 命が有限であること。美しいことを美しいと考えることができる。 誰しもが持っている憎しみ・・・ 今は心が整理できていないけど・・・ この本の大きなテーマのゆるし。 今まで、私は人に対して、 本当の意味でのゆるしをしたことがあるか?疑問です。 目の前にいる人をやさしく、大切にしたくなる本でした。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
たしかに、ペチカはいい子になったし、ルージャンはいい男になったし(ここ最重要)人間は変われるから素晴らしいのはよくわかったんだけど、最後にヴォーと刺し違えて消し炭になってしまった守頭は金色の雨で復活できたのかい? そうは思えない感じだったな。あいつも人間なんだから、やり直すチャンスがあってもよかったんじゃないかな。 あと、テディーは復活したの? ヴォーは最期に「闇」という言葉を口にしていたけど、彼にとって永遠の生はまさに闇だったのだろうな。 その生が終わるのは、ある意味救いだったかもしれない。 わたしがひねくれているからか、心が濁ったおばさんになっちまったせいか、涙腺はあんまり刺激されなかった。 まあでも、熱のこもった作品で、面白かったな。 ところでフィツは下巻になった途端すげーバカになった気がするんだけど何があったんだ(笑)
Posted by
上巻ではとんだひねくれ者だったペチカが、いつの間にかすっかりいい女になってねえ……。 と、しみじみしてしまう俺はもうおっさん。
Posted by
小学生の頃に初めて読んで、何度か読んでいるものの何年かぶりに再読。 終盤にかけてが涙なしには読めませんでした。 昔に読んだときよりもぐっと引き込まれました。 思えばファンタジー小説にはまったきっかけはこの本だったかも。 何かを変える決断をするときにはまた読み返して、ペチカ達に...
小学生の頃に初めて読んで、何度か読んでいるものの何年かぶりに再読。 終盤にかけてが涙なしには読めませんでした。 昔に読んだときよりもぐっと引き込まれました。 思えばファンタジー小説にはまったきっかけはこの本だったかも。 何かを変える決断をするときにはまた読み返して、ペチカ達に勇気をもらいたいと思います。
Posted by