パーソナリティ心理学 の商品レビュー
パーソナリティ心理学についてまとめられた本としてはかなり優れた一冊。どのあたりが優れているかと言うと、パーソナリティ心理学を全般に渡って一つの流れとしてうまく述べているところだろう。大体のパーソナリティ心理学は学派ごとにわけてしまって、学派ごとにそれぞれ書きたて(精神分析、行動主...
パーソナリティ心理学についてまとめられた本としてはかなり優れた一冊。どのあたりが優れているかと言うと、パーソナリティ心理学を全般に渡って一つの流れとしてうまく述べているところだろう。大体のパーソナリティ心理学は学派ごとにわけてしまって、学派ごとにそれぞれ書きたて(精神分析、行動主義、ゲシュタルト、人間中心、トランスパーソナルなどなど)といった具合だけれど、これは一つの流れがしっかりと出来上がっている。まあ、そのかわり精神分析の流れが主軸とはなっているけれど、この一冊でかなり概観が掴みやすいと思う。この一冊から入るのもいいし、あれこれ分野ごとに蓄えてきた知識をここで一つの流れとしてつなげるのにも有用だろうと思う。また、類型論や特性論の件なんかはわかりやすかったし、類型論や特性論でわけきれないものについては、これは両者の混淆バージョンと言う説明がふられておりようやく納得がいった。意外とこのことが説明されていなかったりする。しかし、心理学あるいは臨床心理学についてあれやこれやと説明がなされていっても最終的には折衷式となってしまうのが多い。これは実生活でもそうなんだけれど、どれもこれも折衷が一番いいとされてしまう。例えば、法則定立と個性記述。前者は法則があってそれが正しいとするけれどその説明が全ての人に当てはまるとは言えないし、かといって個性記述じゃ法則がないから熟練者があたらないといけないし熟練者同士でも見立てが異なるし、手間だってかかるし、客観性が薄い。じゃあ、両者をバランスよく混淆していこうとなるわけれだけれど、バランスよくってなんなんだろう?本当にあやふやである。資本主義とマルクス主義とかもそうだしさ、なんだか難しい。一つをとれば極端になりうまくいかない、それじゃあ折衷?なんでもかんでも折衷?けれど折衷しなければいつまでもかみ合わずに対立している?科学哲学と科学みたいに?ただ、どれもこれも折衷すればいいというのはどうにも違うように思えてきた。
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