おいしい話 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
おいしいお話が贅沢にも5話入っている。 うち1つは、波津彬子さんの「夏の盃」という漫画で、 徳利に取り憑いた布袋様の話。 なかなか風情があった。 清水義範さんの「ぶり大根」は、まさにブリ大根の完璧なレシピで、 よし今度この通りに作ってやろうとまで思えた。 最後は食通で有名な池波正太郎さんの「食べる」というエッセイ。 池波さんのおかあさんは、十日に一度好物の鮨をつまむことで、 一家を養う気持ちをつないだというエピソード。 短い文章だけれど、その読みごたえはさすが。 巡回図書。
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短編でさくさく読めるけれど、どれも味わい深い作品です。中でも、清水義範さんの「ぶり大根」は新婚のあつあつ夫婦が展開するぶりの煮物の作り方なのですが、とても愉快でした。この作品が収められた「12皿の特別料理」角川文庫もぜひ読んでみたいです。
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清水義範『ぶり大根』…ほとんどレシピで小説を書いてしまっていいのかぁ?でもこれはこれで読めてしまう。どの話も何かを「おいしい!」とストレートに言うのではなく、おいしいものが合間にするっと差し込まれているのだ。おいしいものは食べると幸せ、ちょっと日常をはなれるけれど、確かに日常生活...
清水義範『ぶり大根』…ほとんどレシピで小説を書いてしまっていいのかぁ?でもこれはこれで読めてしまう。どの話も何かを「おいしい!」とストレートに言うのではなく、おいしいものが合間にするっと差し込まれているのだ。おいしいものは食べると幸せ、ちょっと日常をはなれるけれど、確かに日常生活の一部なんだよなあと思う。
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小中学生にも読書を・…という求めに応じて棚に並べられる本の少なさに困惑した編者・赤木かん子さんが 切れ味のいい中・短編は、 読みなれていない人でも読みきることができ、 一生忘れられないほど強く、 その人の魂をゆさぶる力も持っているものです。 おもしろくて読みやすくてわか...
小中学生にも読書を・…という求めに応じて棚に並べられる本の少なさに困惑した編者・赤木かん子さんが 切れ味のいい中・短編は、 読みなれていない人でも読みきることができ、 一生忘れられないほど強く、 その人の魂をゆさぶる力も持っているものです。 おもしろくて読みやすくてわかりやすい、 そうして基本的で深い作品を選んだつもりですがいかがでしょうか。 (編者から皆様へより) とおっしゃる通り、面白味と示唆に富んだ5つの物語である。 焼岳の月見――庄野英二 ソリマンのお姫さまの話――カレル・チャペック(中野好夫・訳) ぶり大根――清水義範 夏の盃――波津彬子 食べる――池波正太郎 清水義範さんの『ぶり大根』などは、自分の身に照らして、情けなかったり可笑しかったり羨ましかったり、であった。 この題材でこれだけ気持ちのいい作品に仕立て上げられるのは清水さんゆえであろう。
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