教養としての“まんが・アニメ" の商品レビュー
ササキバラ・ゴウの書いたアニメ論の方が面白かった。 作家別に別れているので理解もしやすい。 ガイナックスとか富野由悠季とか詳しい出自を知らなかったのでちょうどよかったな。
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この本を読みはじめてようやく気付いたけど、やっぱり自分が経験したこと以外を吸収したり理解したりするのはかなり難しい。少なくとも(今の)自分にはできないみたい。 建築にしろ映画にしろ植物にしろ動物にしろ仏像にしろ、まんがにしろアニメにしろ、本を読むだけじゃ何も分からない。実際に見な...
この本を読みはじめてようやく気付いたけど、やっぱり自分が経験したこと以外を吸収したり理解したりするのはかなり難しい。少なくとも(今の)自分にはできないみたい。 建築にしろ映画にしろ植物にしろ動物にしろ仏像にしろ、まんがにしろアニメにしろ、本を読むだけじゃ何も分からない。実際に見なきゃ分からない。 若いうちは読むことより、見ることの方が圧倒的に大事なんじゃないかと思うようになった。読むことはそのきっかけに過ぎない。見る方が楽しいし、しかもそう思うことで読むことのプレッシャーも無くなる。きっかけに過ぎないのだから。 ■手塚治虫(鉄腕アトム)戦後〜 特徴:記号的でありながら「死」や「成熟」といった生身の身体性を描いている点。 →記号的な絵が写実的でない⇒現実を描く作画技術として必要であった?(戦争体験) ■梶原一騎(巨人の星、あしたのジョーなど) 60年代後半〜 特徴:「教養小説」=「成長物語」 ■萩尾望都などの「団塊世代」の女性マンガ家(二十四年組) 特徴:「内面」の発見→フキダシの中と外と使い分けることにより可能になる。 時代背景:「言うなれば、60年代という時代は、女性たちが大衆レベルで自分自身で語る言葉を捜し、確立していく時代だったのです。そしてその最後で発見された二つのことばこそが、少女まんがと左翼運動の延長に成立していったフェミニズムだったといえます。」(74頁) ■吾妻ひでお(ニューウェーブ)70年代〜 特徴:吾妻ひでおの「ロリコンまんが」は手塚的「記号絵」に「性」をプラス→日本人の性表現に大きな変化を与えることとなる。 ■岡崎京子 80年代後半〜 特徴:不在の(記号化した)「私」をもった「私達」を描く。 時代背景:バブル期(社会の大きな転換期=終末観)
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二人がそれぞれ漫画とアニメについて語っているんだけど、手塚という座標軸を元に語っていて、しかもその継承者ということで考えているから、なんか大塚英志のほうは話が狭い。夏目房之介のほうがスケールが広い。この本あんまりお徳感がない。あと、こういうオタクが開き直った本、つまりサブカル大事...
二人がそれぞれ漫画とアニメについて語っているんだけど、手塚という座標軸を元に語っていて、しかもその継承者ということで考えているから、なんか大塚英志のほうは話が狭い。夏目房之介のほうがスケールが広い。この本あんまりお徳感がない。あと、こういうオタクが開き直った本、つまりサブカル大事じゃんよ系の本の読まれ方って二種類あると思うんだけど、一つは同志がよく書いてくれた、ってやつで、もう一つは一般の人に向けて読んでくれ、ってやつ。で、後者の読まれ方を期待するなら、中にいる人が書いちゃダメな気がするんだよなあ。俺、自分は一応マンガやゲームとかに関してはぎりぎり非オタクサイドだと思っているんだけど、それは非オタクサイドが愛するマンガやゲームを中心に読んでいるという気がするからで、そういう読み手は潜在的にたくさんいるんだけど、その一人を代表して言わせてもらうと、この本はなんか臭うんだよなあ。「動物化するポスト・モダン」も臭気がある。それって主観的な問題かもしれないけど、でも夏目房之介はそういう感じしないから、その差があると思う。とりあえず、この本はペラペラ。新潮新書のリーズナブルなお徳感に慣れてくると(あれはダイジェストを作るのが巧い編集者の技量なんだろうと思うけど)、こういうテーマでお徳感がない本はキツイ。
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