新版大東京案内(上) の商品レビュー
考現学で知られる今和次郎が編纂した東京ガイド。1929年に中央公論社から刊行されたもので、関東大震災復興後の東京の姿が、幅広く紹介されている。上巻は、インフラ、官庁、会社、盛り場など。 原著は図版や広告も豊富で、このちくま学芸文庫版でも、すべて再掲されているのがうれしい。巻頭の...
考現学で知られる今和次郎が編纂した東京ガイド。1929年に中央公論社から刊行されたもので、関東大震災復興後の東京の姿が、幅広く紹介されている。上巻は、インフラ、官庁、会社、盛り場など。 原著は図版や広告も豊富で、このちくま学芸文庫版でも、すべて再掲されているのがうれしい。巻頭の広告は日本橋三越で、「三越は百貨店で御座いますから呉服類、雑貨類を初め、季節向の品々が充実して、日常生活に御必要の品は大抵取揃へて御座います」とある。この当時のデパートはまだ、呉服屋のイメージが強かったということだろうか。また、病院の項目には青山脳病院の広告もある。「院長医学博士 齋藤茂吉」とあるが、当然ながら、自身が歌人であることには触れられていない。茂吉の院長就任は1927年なので、まだ間もない時期である。色んな読み方のできる1冊。
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上巻は考現学的というより遊覧案内のような感じか。網羅的に(当時の)今の東京を記述しようという熱意が見えた。
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ちくま版ではなく、批評社版単行本(1987年初版3刷)で読了。 昭和4年当時の東京の街の成り立ちや文化、風俗を詳細に描く。 鉄道、バス、建物、食べ物、花街などなど、堅いとこから柔らかいところまで、色々な視点から「東京」という街がどんなふうに形作られているかを表している。
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[ 内容 ] <上> 関東大震災の破壊から復興なった、昭和初期の東京―モダンボーイ、モダンガールが闊歩し都市化が進む昭和4年の東京の生活と風俗を、都市フィールドワークの先駆者・今が徹底的にガイドする。 戦災で壊滅する前のモダン都市・東京の姿を伝える、愉しく貴重な記録。 上巻には、...
[ 内容 ] <上> 関東大震災の破壊から復興なった、昭和初期の東京―モダンボーイ、モダンガールが闊歩し都市化が進む昭和4年の東京の生活と風俗を、都市フィールドワークの先駆者・今が徹底的にガイドする。 戦災で壊滅する前のモダン都市・東京の姿を伝える、愉しく貴重な記録。 上巻には、東京の顔(地域、街路、交通機関)、動く東京(官衙、マスコミ、銀行、デパート、刑務所、病院)、盛り場(銀座、浅草、神楽坂、新宿、上野)、享楽の東京(劇場、映画館、寄席、カフェー、ダンスホール)、遊覧の東京(名所旧跡、年中行事、新名所、縁日、夜店、味覚)などを収録。 <下> 関東大震災の破壊から復興なった、昭和初期の東京―モダンボーイ、モダンガールが闊歩し都市化が進む昭和4年の東京の生活と風俗を、都市フィールドワークの先駆者・今が徹底的にガイドする。 戦災で壊滅する前のモダン都市・東京の姿を伝える、愉しく貴重な記録。 下巻には、東京の郊外、特殊街(書店街、古着屋街、下宿街、大臣横丁、官邸街)、花柳街、東京の旅館(ホテル、旅館、下宿屋、木賃宿)、生活の東京(アパート生活、不良群、学生群、マネキン、口入屋、ブローカー)、細民の東京、学芸の東京、市政と事業などを収録 [ 目次 ] <上> 大東京序曲 東京の顔 動く東京 盛り場 享楽の東京 遊覧の東京 <下> 東京の郊外 特殊街 花柳街 東京の旅館 生活の東京 細民の東京 学芸の東京 市政と事業 [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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昭和4年の東京を、知る本。もちろん、今和次郎流のとらえ方なのであり、これですべてのことが理解できることはないが、当時の知識人なりの理解度を興味深く知ることができる。他の視点からの分析と併せて読むことが必要だろう。
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さっき「シブヤカルチャー大調査2010!」の打ち合わせをしていて思い出した。この本に記録されているのは昭和4年ごろの東京の生活と風俗。80年前の東京…。
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今和次郎の名前を知らなくとも、「考現学」という言葉は聞いたことがあるでしょう。赤瀬川源平や南伸坊が「トマソン」などと称してしきりに活動した路地裏活動の最初は、彼なのでした。関東大震災後の東京の様子を、アナログな統計手法で浮き彫りにする一冊。その労力に感嘆すること間違いなしです!
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