1,800円以上の注文で送料無料

努力論 の商品レビュー

3.9

18件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    7

  3. 3つ

    4

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2020/12/10

幸田露伴 「努力論」  努力より運命に関する記述の方が印象に残る。運命があるか否かではなく、運命を人間の力によってどうひき出すかに目付けしている。 著者は 人間の力で運命をひき出す方法を2つ提示 *英雄のように「運命を造る」 *何事も原因を自己に帰する(自己の掌より紅血を滴ら...

幸田露伴 「努力論」  努力より運命に関する記述の方が印象に残る。運命があるか否かではなく、運命を人間の力によってどうひき出すかに目付けしている。 著者は 人間の力で運命をひき出す方法を2つ提示 *英雄のように「運命を造る」 *何事も原因を自己に帰する(自己の掌より紅血を滴らす)ことで 「運命の断片である好運」を招く 運命を造る、自己の掌より紅血を滴らす という表現に、運命をひき出すには、自己の主体性を前提とした 大きな犠牲や手間を必要とする著者の強いメッセージを感じる 著者は 運命を時間や有限性から捉えている。一日が始まれば一日が終わる時が来ること、人が生まれれば死ぬ時が来ることなどを運命としている。好運、否運は 運命の断片を 人間が評価した事象にすぎないとしている。 成功者と失敗者の運命の捉え方の違いは興味深い *成功者は自己の力を運命と捉え、失敗者は運命の力を自己と捉える *成功者には自己の力が大に見え、失敗者には運命の力が大に見える 名言「自らを責むるほど、有力に自己の欠陥を補うことはなく〜有力に他の同情を惹くことはない〜自己の実業を成功に近づける」 名言「努力の堆積〜努力より他に未来を善くするものはない〜努力は即ち生活の充実、努力は即ち生の意義である」

Posted byブクログ

2018/08/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ひぐ的夏休み課題図書読了。 明治の文豪、幸田露伴の随筆は「努力論」というより「人生論」、今でいえばライフハック的な要素もある。勢いのある漢文調で心が洗われるが、如何せん難解。細かい意味は気にせず“根気よく”通読した。結論はコレ☟かな。 「努力より他に吾人の未来を善くするものはなく、努力より他に吾人の過去を美しくしたものはない。努力は即ち生活の充実である。努力は即ち各人自己の発展である。努力は即ち生の意義である(p93)」 無意識の努力も大事だが、それ以上に「気の張り」が好ましいという。 GRIT, GRIT, GRIT!

Posted byブクログ

2016/01/14

悩んだり迷ったりした時に、頼りになる本を探しているなら、この本がお勧めですね。 内容はとても難しいですが、某哲学書のようにチンプンカンプンでは無く、理解できる所は非常に納得感があります。読み返してみて、わかる所が増えると、とても嬉しい気分になります。 How To 本のように...

悩んだり迷ったりした時に、頼りになる本を探しているなら、この本がお勧めですね。 内容はとても難しいですが、某哲学書のようにチンプンカンプンでは無く、理解できる所は非常に納得感があります。読み返してみて、わかる所が増えると、とても嬉しい気分になります。 How To 本のように「必ず~」とか「きっと~」と簡単にコミットせず、「努力すれば好転するかもしれない」っていう感じも好感がもてます。 露伴の文章は、「これぞ日本の知性・教養」という感じで、読み応え充分です。

Posted byブクログ

2014/06/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

明治時代に、尾形紅葉とともに、紅露時代と呼ばれる一時代を作った幸田露伴の代表作。 運命と人力 着手の処 自己の革新 3つの福(惜福、分福、植福) 努力の堆積 修学の4標的 凡庸の資質と卓越せる事功 接物宜従厚 四季と一身と 静光動光 進潮退潮 山下語 以上の章から構成されている。 1912年に発表された評論で、難度の高い文章であるものの、著者の凛とした人生観、自己への厳しさ、人としての温かさ、宗教観、精神論、様々なものを盛り込んだ名著だとは思います。 論説は当然とはいえ、立派な人でないと説けない内容ではないでしょうか。

Posted byブクログ

2014/01/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「何をしても人はよい。一生瓜を作っても、馬の蹄鉄を作っても、また一生杉箸を削って暮らしても差し支えない。何によらずそのことが最善に達したなら、その人も幸福だしまた世にも幾許かの貢献を為す。」 最近の自己啓発書の「俺が、俺が」の暑苦しさと比べると、清清しい滋味が心に染みる。

Posted byブクログ

2013/12/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

努力した人が全て報われるわけではない。だが成功した人はすべからく努力している…。 この本にそう書いているわけではないが、とにかく努力はしないと。 明治末、大正初めのころ、 みずからを不幸と思い込み、悩み苦しみ、陰鬱なおもいに沈んでいる人があまりに多く、 それを見かねた氏はこの本を執筆した。 気の持ちよう次第で人はいかにも明るくのびやかに生きられる。 努力論ではなく幸福論なほうが、題名としてはよいかも。 純東洋思想から説いているから、受け入れやすい。 厳しくも温かい、現代にも通じる幸福論。

Posted byブクログ

2013/02/25

いい意味で期待を裏切られた一冊。 心身を如何に統一し、コトにあたるかという点の追求という意味においてはヒルティの幸福論に近い。 昨年末、コスタリカを訪れる機会に恵まれた折、山合いを散策して「クレソン」を囓るよう勧められたのだが、それはまさに日本の(富士白糸の滝付近に生育する)山...

いい意味で期待を裏切られた一冊。 心身を如何に統一し、コトにあたるかという点の追求という意味においてはヒルティの幸福論に近い。 昨年末、コスタリカを訪れる機会に恵まれた折、山合いを散策して「クレソン」を囓るよう勧められたのだが、それはまさに日本の(富士白糸の滝付近に生育する)山の香りを醸造したかのような甘味すら漂う山葵だったことを思い出させてくれたエピソードを引っ張ってみよう。 “清冽の水を好む山葵の如き植物に清冽の水を与えるのは、即ち茄子や山葵を壮美ならしめてその本性を遂げしむる所以なのであって、茄子は茄子の美味の気、山葵は山葵の辛味の気をその硫黄や清水から得来るのであるから、人の趣味に随従する事は気の上からは非常に有力な事なのである。” そして以降は明確に感覚と意識の関係について展開して行く。非常に裾野の広い話題が知性によって練り上げられ、あるテーマに収斂して行く展開は清々しさすらあり、迫力をもって素晴らしいと感じさせられます。

Posted byブクログ

2012/09/17

努力論というよりも心の持ち方について書かれている。僕の今の頭ではその内容のすべてを理解することはできない。何度も読み返したい一冊です。

Posted byブクログ

2012/03/22

努力には直接の努力と間接の努力があり、「努力しても結果が出ない」のは間接の努力(準備)が足りないから。 間接の努力として、自己の革新、福の惜・分・植、着手の処、最高志望、散る気の阻害、張る気の持続が大切。 とてもよい本です。

Posted byブクログ

2012/01/08

他の自己啓発本で推薦させていたこともあって手にとってみたが、初めはその文章の難解さにかなり手こずった。この本に書かれている「努力していることを自ら感じない」自分になる方法は、自分が無意識にでもやってしまうこと、没頭できることを見つけ、それをやり続けることだと思うが、いかがだろうか...

他の自己啓発本で推薦させていたこともあって手にとってみたが、初めはその文章の難解さにかなり手こずった。この本に書かれている「努力していることを自ら感じない」自分になる方法は、自分が無意識にでもやってしまうこと、没頭できることを見つけ、それをやり続けることだと思うが、いかがだろうか。

Posted byブクログ