天帝妖狐 の商品レビュー
乙一さんの作品を読むのはこれで二冊目なのですが、どちらも軽くて読みやすいという印象を受けました。すっきりさっぱり、それでいてドキリとする感じ。通学や通勤の途中に読みたくなる作品です。 『天帝妖狐』は"主人公の手紙"と"主人公と出会ったヒロイン&quo...
乙一さんの作品を読むのはこれで二冊目なのですが、どちらも軽くて読みやすいという印象を受けました。すっきりさっぱり、それでいてドキリとする感じ。通学や通勤の途中に読みたくなる作品です。 『天帝妖狐』は"主人公の手紙"と"主人公と出会ったヒロイン"の2つの視点で交互に描かれています。身体中を包帯でぐるぐる巻きにして、禍々しいオーラを発する奇妙な主人公は誰にも打ち明けた事のない自身の過去を、手紙を使って世話になったヒロインに打ち明けてゆくのですが、苦悩に満ち溢れたそれは、なんとも不気味で恐ろしい。けれど最後まで読みきったとき、どこか切ない気分になるお話です。 収録作品の『A MASKED BALL』はこれぞ乙一さんと感じるお話。学校のトイレに書かれた、"ラクガキスルベカラズ"という矛盾した落書きに、返事が書かれていたことから始まった主人公と4人の人間の会話。匿名で、お互い顔も知らないそれは、正にインターネットの掲示板ようだなと私は思いました。その落書きから奇怪な事件が起こり始めるのですが、それもまた乙一さんらしい。 最後の感じなんか私大好きですが、ホラーと言う割りにはあんまり怖くないです。
Posted by
こっくりさんにより余命が僅かであることを教えられ、その運命から逃れようと自分の体をこっくりさんに捧げた「夜木」のその後を綴った表題作。この作品は日本的なホラーと言ったらいいのだろうか。 もう一作の学校のトイレの匿名の落書きのやり取りを題材とした「A MASKED BALL」は...
こっくりさんにより余命が僅かであることを教えられ、その運命から逃れようと自分の体をこっくりさんに捧げた「夜木」のその後を綴った表題作。この作品は日本的なホラーと言ったらいいのだろうか。 もう一作の学校のトイレの匿名の落書きのやり取りを題材とした「A MASKED BALL」は、その発想を思いついた時点で「勝ち」だと言える。この作品は発想だけに終わらせない面白さがある。乙一の作品は表題作よりも収録作の方が面白いという不思議な傾向がある。
Posted by
う〜ん微妙・・・ いや、おもしろいんですけど、「天帝妖狐」が個人的に惜しかったです。 夜木さんは好きだけど、感情移入ができないというか。 このお話をもっと長くしてみれば、別の面白さが生まれるんじゃないかと思います。 そんなこと言っても、題材は良かったし、杏子と夜木さんの交流はとて...
う〜ん微妙・・・ いや、おもしろいんですけど、「天帝妖狐」が個人的に惜しかったです。 夜木さんは好きだけど、感情移入ができないというか。 このお話をもっと長くしてみれば、別の面白さが生まれるんじゃないかと思います。 そんなこと言っても、題材は良かったし、杏子と夜木さんの交流はとても好きでした。ラスト泣かせる! トイレのタバコさんは普通におもしろかったです。
Posted by
乙一氏第二弾作品。 これも好きだな。 短編集です。 天帝妖狐は泣ける。 トイレのタバコさんはおもろかった。
Posted by
かかか、可哀想でカッコイイ主人公ですよ…!!! 賛否両論なのかな、でも私は好きです。 美女と野獣設定大好きなので。
Posted by
乙一さんの本はあまりたくさん読んだことはないけれど、 これはあんましでした。 2作目だからなのか? 08/04/23
Posted by
正直、表題作は得体の知れない怖さみたいのを感じました。なので、コ○クリさんとか そういうのが苦手な方は読まない方がいいかな。朱川氏とはまた違った怖さがあって 朱川氏の作品の中でも、あーこれダメだっていうのにあたしの中では分類されてしまう 怖さの類なので。学校のトイレの話は、面白か...
正直、表題作は得体の知れない怖さみたいのを感じました。なので、コ○クリさんとか そういうのが苦手な方は読まない方がいいかな。朱川氏とはまた違った怖さがあって 朱川氏の作品の中でも、あーこれダメだっていうのにあたしの中では分類されてしまう 怖さの類なので。学校のトイレの話は、面白かったですよー。目に見えない恐怖 みたいのものあるんだけど、それだけじゃなくて。温かみもある気がします。 天帝の方は、救いがあるように見えてどうすることも出来ないもどかしさみたいのが 切なすぎました。ただ、サクサクと読み進めて行けたので、あたしには合ってる 作家さんなのかなー。
Posted by
「天帝妖孤」 「A MASKED BALL」の二本立て。 天帝妖狐は、夜木の切なさと遣り切れない気持ちがたまらなく胸にぐっときた!ちょいグロいが、感動作。 A MASKED BALL は、トイレの落書きの話。ひっそりと落書きにきた当人達が出会ってしまいそうになるとこなんて、スリ...
「天帝妖孤」 「A MASKED BALL」の二本立て。 天帝妖狐は、夜木の切なさと遣り切れない気持ちがたまらなく胸にぐっときた!ちょいグロいが、感動作。 A MASKED BALL は、トイレの落書きの話。ひっそりと落書きにきた当人達が出会ってしまいそうになるとこなんて、スリルあってよかった。 トイレの落書き=掲示板みたいな位置づけで、同じことに対していろんな意見があるのが単純に面白かった。
Posted by
◆A MASKED BALL――及びトイレのタバコさんの出現と消失――・・・学校で剣道場の裏側にある、人気のないトイレでタバコを隠れて吸うのが日課だった上村。ある日そのトイレに誰かが書いた落書きが。”ラクガキスルベカラズ”。落書きしているのはコイツじゃないか・・・と思っていた次の...
◆A MASKED BALL――及びトイレのタバコさんの出現と消失――・・・学校で剣道場の裏側にある、人気のないトイレでタバコを隠れて吸うのが日課だった上村。ある日そのトイレに誰かが書いた落書きが。”ラクガキスルベカラズ”。落書きしているのはコイツじゃないか・・・と思っていた次の日またそのトイレに行ってみると、今度はまた違う人物のものと思われる落書きが増えていた。それをきっかけに、名前も知らないもの同士の落書き会話がスタートする。 ◆天帝妖狐 上記2篇を収録。 ◆A MASKED BALL――及びトイレのタバコさんの出現と消失――・・・「コノガッコウニハ アキカンガ オオスギル」や、【天帝妖狐】の「あとよねんであんたしぬわくるしんでしぬわ」等、漢字が入らない文字の羅列は不気味で怖い印象を与えるものなんだなぁと思った。犯人はわりと早い時期に検討がつくのだが、彼の文章力で、最後まで背筋が凍りつくようなスリルを味わえる。決戦の場所が夜の学校、そしてトイレということだけでは決してないだろう。
Posted by
世間一般で「白乙一」と「黒乙一」ってよく言われていますが、それに乗っかって言うと、これはそれの真ん中?「天帝妖狐」と「A MASKED BALL」っていう二つの話が収録されているこの一冊。どっちも違う味があって、どっちも面白い。ちなみに「天帝妖狐」のほうはちょっと泣いちゃいました...
世間一般で「白乙一」と「黒乙一」ってよく言われていますが、それに乗っかって言うと、これはそれの真ん中?「天帝妖狐」と「A MASKED BALL」っていう二つの話が収録されているこの一冊。どっちも違う味があって、どっちも面白い。ちなみに「天帝妖狐」のほうはちょっと泣いちゃいました。「A MASKED BALL」は、自分の学校生活を思い出す。トイレの落書きは経験ないけれど、移動教室などで使う机で会話をしたことはある。ネットの掲示板とはぜんぜん違う面白さ。そういう面白さがリアルに伝わってきたし、その落書きから事件は発生するという設定が好き。これぞ小説の醍醐味ですな!
Posted by