天使の骨 の商品レビュー
お終いからの始まり。 再読。 王寺みちるの感傷旅行は傷だらけの天使に囲まれてはじまり、その数を少しずつ減らしながら、彼女の生きる糧を探し当てる物語。天使のような久美子と出会うためのひたむきな歩み。
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前作『猫背の王子』を読了した時とは違う感覚が襲ってくる。『猫背の王子』の時の王寺ミチルはセクシーで芝居に生きる、かっこいい人だった。芝居を失ったミチルさんはただの人でしかない。けど、芝居という心の拠り所を失ってしまったミチルさんがまた息を吹き返した時、作品に力強さを感じた。私が好きな王寺ミチルは芝居をし、たくさんの女性をたぶらかす。そんなミチルさんが好き。
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ミチルさんは格好いい人だ 燃え尽きるように生きるというか 死にながら生きるというか そうありたいなあ
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前作ほどの痛みはない…それはもちろん、この物語が過去の痛みを癒すための彼女の旅記録だからだ。 展開がはやく、それゆえ主人公の感情の起伏がはげしいように見えるが、読み終えて見るとおだやかなひとつの川の流れだったことがわかる。 素敵だ。
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好きな作家さん。 パリのブックオフにいっぱい並んでいたので、 適当に手に取ってみたら続編だった。 が、この方の作品は全部内容が同じなので、 そんなことはどうでもいい。 私はこの方書く文章が好きだ。 が、もちろん続編なので、 初めてこの作家さんの本を手に取るという方にはおす...
好きな作家さん。 パリのブックオフにいっぱい並んでいたので、 適当に手に取ってみたら続編だった。 が、この方の作品は全部内容が同じなので、 そんなことはどうでもいい。 私はこの方書く文章が好きだ。 が、もちろん続編なので、 初めてこの作家さんの本を手に取るという方にはおすすめしない。
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旅ものとしては凄く上質。小説としても面白いし、作家のレベルの高さも感じて、総じてナイス。ただ、やはり女性同士の恋愛の話しで、僕にはいまいち入り込めない。
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「不器用」言ってしまえばミチルさんはこの一言に尽きるんだけど、ただそれだけで片づけてしまうのはすごく憚られるようなそんな存在です。 もがき悶えるような「猫背の王子」からとっぷりと暗い淵を昇って澄んでいく「天使の骨」へという印象を受けました。たくさんのくたびれた天使が見えたら窮屈だ...
「不器用」言ってしまえばミチルさんはこの一言に尽きるんだけど、ただそれだけで片づけてしまうのはすごく憚られるようなそんな存在です。 もがき悶えるような「猫背の王子」からとっぷりと暗い淵を昇って澄んでいく「天使の骨」へという印象を受けました。たくさんのくたびれた天使が見えたら窮屈だろう、と想像し、何人か減ったシーンを読んでほっとしました。 久美子さんもだけども、ぜひ続きが出るのならトオルの話が読みたいです。トオルを思うとミチルさんをひっぱたきたくなる。だけど、そのあとに優しく頬を撫でたくもなります。そんな感じで、どんな結末でもいいからふたりの未来を見たいです。
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「猫背の王子」の続編。 全身全霊を傾けた劇団の解散後、魂が死んだ状態で鬱々と日々を過ごすミチル。そのうち、ミチルの周りはぼろぼろの天使の幻影で溢れかえる。これは“死のほうへ引きつけられている”証拠なのか。すべてを振り切るため、ミチルは長い旅に出る…。 切ない痛みと出会いを繰り返し...
「猫背の王子」の続編。 全身全霊を傾けた劇団の解散後、魂が死んだ状態で鬱々と日々を過ごすミチル。そのうち、ミチルの周りはぼろぼろの天使の幻影で溢れかえる。これは“死のほうへ引きつけられている”証拠なのか。すべてを振り切るため、ミチルは長い旅に出る…。 切ない痛みと出会いを繰り返しながらも、心を癒され魂を再生していく物語だ。個々のエピソードがバラバラでまとまりがない気がしないでもない。物語の後半で大きな出会いが用意されているのは、けっこう型破りだし、続編を要する筋書きだ。 ☆朝日新人文学賞
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ご都合主義感がちょっぴり。 猫背の王子の続編ということですが、意外だったのはトオルへの想いとトオルの想い。 トオル、トオル、トオル… ミチルはトオルをあんな風に強く想っていたんですね。 それならばもっとトオルと向き合って欲しかった。久美子の方へなびかずにトオルをもっと見て欲しかった。 久美子の登場が遅かったせいで急に心を乗り換えた印象が強く魔性感が。いや、久美子とも報われて欲しいんですけどね。 トオルに感情移入してるのかもな。てかしてる。振り向いてはくれない。ずっとそばにいるのに。なんで男に生まれたんだろうね。憎いぜ。
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この作家さんの本は初めてかな。 なかなかおもしろかった。 劇団で女優をしていたミチル。 ぼろぼろの天使がミチルの目に映るようになり、ミチルは旅に出ることを決意する。 旅先での様々な出会い、別れを繰り返し、天使は徐々に数を減らしていく。 そして運命の出会いがあり、再会があり、ミチルは生気を取り戻すのだった。 いろいろな国をミチルと一緒に旅したような気になれるし、ミチルの独特の絶望感、喪失感も伝わってきた。 女性同士の恋愛は理解できないけど、違和感なく読むことができたのは、この作家さんの表現力が素晴らしいということかな。
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