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白旗の少女 の商品レビュー

4.3

15件のお客様レビュー

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2017/10/29

おおよその概略は知っている、と思っていたが、読んで良かった。 少女(著者)が掲げている白旗が、どのようにして作られたのか。どうして手を振ろうと思ったのか。そこに、この体験記の真骨頂があると思う。 本人に自覚はなかったと思うが、ガマの存在、そのガマにいたおじいさんとおばあさんが諭す...

おおよその概略は知っている、と思っていたが、読んで良かった。 少女(著者)が掲げている白旗が、どのようにして作られたのか。どうして手を振ろうと思ったのか。そこに、この体験記の真骨頂があると思う。 本人に自覚はなかったと思うが、ガマの存在、そのガマにいたおじいさんとおばあさんが諭す「人の命は、その人一人のものではなく、父や母、先祖から受けついたもの。命が一番大事(命どぅ宝)」の精神は、沖縄人ならではの古くからの教えだ。 また、敵と対峙する時こそ笑顔を見せろ、という父の教え。 そういった、戦争に関わらず人々の心に根付いていた気持ちが、少女を救うことになったのではないだろうか。 「白旗」は「しらはた」と読むのか。なんとなく「しろはた」かと思っていた。 「白い旗は、世界共通の平和のサイン」。 それは、命乞いや降伏のサインなのではない。平和を希求する、というサインなのだ。 日本国憲法は、この「白旗」なのではないだろうか。 少女のように、高く、大きく、笑顔で掲げていきたい。

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2015/09/08

七歳になったばかりの少女が、沖縄戦争に巻き込まれ、逃げる途中ですぐ上の兄が流れ弾に当り死亡する。二人の姉とも別れ別れになり、一人で逃げることになった。 その間、いくつもの死体を見ただろう。感覚の麻痺していくさまが苦しくなる。 最後の最後、ガマで出会った老夫婦から命を大切にしろと...

七歳になったばかりの少女が、沖縄戦争に巻き込まれ、逃げる途中ですぐ上の兄が流れ弾に当り死亡する。二人の姉とも別れ別れになり、一人で逃げることになった。 その間、いくつもの死体を見ただろう。感覚の麻痺していくさまが苦しくなる。 最後の最後、ガマで出会った老夫婦から命を大切にしろと諭され、老人の褌の前垂れを切り裂き、三角にしたものを枝にくくりつけた。それを高く掲げて歩けと強く言い、少女・富子を外に出す。 終戦を迎え、投降するように呼び掛けがあったのを、老人が知ったからだ。 老人の教えの通り、富子は白旗を掲げて堂々と歩いた。そして、別れ別れになった二人の姉とも再会した。 後に、富子は白旗を掲げた姿をアメリカ軍に付いて行ったカメラマンに撮影されて、写真を公開された。そのカメラマンを探したら、関係者と会うことができたと言う。 実話であり、沖縄の戦場がいかにひどいものか、伝えるものだと思う。

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2013/07/03

子供向け新書の「青い鳥文庫」からの出版だったので、子供用に安易な表現に改定されているのか?と疑問を持ちつつ購入。 あとがきを読んだ限りでは特別な改定はされていないようだった割には、ほかの手記にあるような生々しい表現は殆どなかった。 6~7歳の子供が一人で鉄の雨を逃げ延びていた...

子供向け新書の「青い鳥文庫」からの出版だったので、子供用に安易な表現に改定されているのか?と疑問を持ちつつ購入。 あとがきを読んだ限りでは特別な改定はされていないようだった割には、ほかの手記にあるような生々しい表現は殆どなかった。 6~7歳の子供が一人で鉄の雨を逃げ延びていたなんて、本当に信じられない。筆者も「本能」という言葉を度々使っていたけれど、本当にそうなのだと思う。動物や昆虫の動向を観察し逃げ延びるというやり方は、子供であったがゆえにできたことなんだろう。星明りだけでしっかり歩けたという記述もあったし、子供ゆえに体の適応も早かったのだろうか。 父親の言葉を思い出して、適宜実行しているところからも、思考能力の高い子供だったんだろうな、ということが分かるように思う。

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2011/07/10

中村さんの買い取ったフィルムは何十メートルにもなり記録映画になりました。海外での上映会にきてくれたのが、白旗の少女でした。

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2013/12/07

著者の少女の頃の沖縄地上戦体験を書いています。漢字も少なくて子供向きの内容に書かれていても生々しくて大人でも衝撃を受けるでしょう。表紙の写真の意味も当時にわかります。 4061485296  221p 2000・3・15 1刷

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