三十一文字のパレット(2) の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
①六時間を歩いて帰り来し父は神戸の街の惨を語らず ②フリージアもラナンキュラスもひたすらにひたすらに咲く値札をつけて ③この箇所にて君は何を思いしや貸してくれたる本の傍線 ④夢の中にこれは夢かと思ひをり逝きたる人に出会ひたるとき ⑤アルバムをそっとひらけば三歳の私が私をじっと見ている 俵万智「記憶の色」、三十一文字のパレット№2、2000.3発行。抒情や情景が心に響きます!
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たまたま巡り合った本。「2」であることも気づいてなかった、 そうだ!私には短歌があった。コロナ禍でできること。短歌を読む。短歌を詠む。まだまだ自粛できるぞ!といやだけど少し心強くなった。 歌集だと歌が詰まっていて、なかなか読むテンポが定まらない。進まない(別にいいのだが)。その点...
たまたま巡り合った本。「2」であることも気づいてなかった、 そうだ!私には短歌があった。コロナ禍でできること。短歌を読む。短歌を詠む。まだまだ自粛できるぞ!といやだけど少し心強くなった。 歌集だと歌が詰まっていて、なかなか読むテンポが定まらない。進まない(別にいいのだが)。その点、この本は俵万智さんの鑑賞文が挟まれているので、歌を読んで感じ、鑑賞文を読んで考え、また歌に戻るというリズムができた。と言ってもすごく長く立ち止まる歌があるかと思えば、スッと流してしまう歌もあるのだが。俵万智さんによるテーマに合わせた選歌。ほとんど知らない歌ばかりで、どれも新鮮で、最近歌に全く触れてなかったこと、忘れていたけど歌が好きだったことを思い出した。 その肩にわが影法師触るるまで歩み寄りふとためらひ止みぬ 永井陽子 32ページ 朝の厨に透きとほりたる水を汲む流れて還らぬこの今を汲む 多羅尾保子 41ページ 家といふかなしみの舟成ししよりひとは確かに死へと漕ぎゆく 島田修二 150ページ
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