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夫婦の一日 の商品レビュー

3.5

18件のお客様レビュー

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 老いるとは 誰もが…

 老いるとは 誰もが避けて通れない道。だけど私たちは目をそらしがちですよね。特に若い頃は 大人に反発し 老人を嫌悪する傲慢さがあります。一度 よく考えてみるものいいんじゃないかな 

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老いて死を間近にした…

老いて死を間近にしたときによりどころとなるものは何か、などなど生と死を考えた小説。

文庫OFF

2024/05/01

生命の充実したものを破壊する悦び。我々はそれを罪とよぶ。 この一節がよかった。 他はつまらなかった。遠藤周作は、大学受験の時によく読んだ作者だがあまりおもしろくない。

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2023/11/14

作者のキリシタンとしての葛藤に苦しむ姿が描かれた「授賞式の夜」「日本の聖女」「夫婦の一日」。作者の中に渦巻く残酷さや人間臭さを書いた短編「ある通夜」「六十歳の男」。どれもリアルで生々しく、非常に興味深い内容でした。

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2023/08/29

短編5つ。「日本の聖女」ガラシャの信仰について。他4編は自身の体験からのエッセイ風。仏教を主とした日本人の神性と日本人のキリスト教の捉え方が欧州人のそれとは異なるのではないかという作者の考えがなんとなく伝わってきた。2023.8.29

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2021/09/01

人間の心を映したような短編集。 夫婦の鳥取砂丘の旅から始まり、江戸のキリシタン細川ガラシャ夫人に纏る小編で終わる5篇は、どれも鋭く心の光と闇、人間の弱さを射抜いた、恐ろしくもあり、見逃せない話だった。日本で生まれ育った私にとっては、カトリックの筆者の視点で見た日本人観、仏教観が新...

人間の心を映したような短編集。 夫婦の鳥取砂丘の旅から始まり、江戸のキリシタン細川ガラシャ夫人に纏る小編で終わる5篇は、どれも鋭く心の光と闇、人間の弱さを射抜いた、恐ろしくもあり、見逃せない話だった。日本で生まれ育った私にとっては、カトリックの筆者の視点で見た日本人観、仏教観が新鮮で興味深い。生涯をかけて宗教に向き合い続けた筆者だからこそ視える、人間の深層心理なのだろう。 面白くて、他の遠藤作品も買ってしまった。

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2023/03/14

「夫婦の一日」   「放っておくと、あんたの御主人に十一月には大きな不幸が来ますよ」 インチキ占い師の出鱈目な預言に妻はだまされた。妻は吉方のお水と砂をとりに鳥取に行きたいと言う。夫婦共にキリスト教信者である。作家である夫は大いに悩み、最後に神父に相談した。 「君がその迷信を信...

「夫婦の一日」   「放っておくと、あんたの御主人に十一月には大きな不幸が来ますよ」 インチキ占い師の出鱈目な預言に妻はだまされた。妻は吉方のお水と砂をとりに鳥取に行きたいと言う。夫婦共にキリスト教信者である。作家である夫は大いに悩み、最後に神父に相談した。 「君がその迷信を信じていない以上、行こうが行くまいが、君には問題ないだろ。むしろ奥さんの気持ちがそれですむなら、行くことで解決したまえよ」 神父様のこのアドバイスで夫は葛藤しながらも心に変化が訪れる。 宗教が絡むので複雑になるのかもしれないが、正しくなければ共感しづらい男性とは違う女性の立場から言わせていただくと、 ⁇と思いながらもそれであなたの心が晴れるならと優しく従っている、母なる心を持った女性たちは大いにいると思う。 だからこそ、夫の行動に嬉しさを、私は覚えたのかもしれない。 「夫婦の一日」他、四篇

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2022/04/10

『夫婦の一日』★1 占いを信じて必死になる妻がその行動一つで知らない人のように思える話。陳腐な設定に陳腐な行動や心情。何もなく終わった。つまらない。印象に残らない。 短編なので仕方ないと思うけど別人のように見える前の妻の描写があまりないので「私」が感じている感情(憤りとか怖さとか...

『夫婦の一日』★1 占いを信じて必死になる妻がその行動一つで知らない人のように思える話。陳腐な設定に陳腐な行動や心情。何もなく終わった。つまらない。印象に残らない。 短編なので仕方ないと思うけど別人のように見える前の妻の描写があまりないので「私」が感じている感情(憤りとか怖さとか)を読者があまり共有できないのではないかと思う。平たく言うともともとそういう人だったのでは?何をいまさらという感じ。こういうテーマは時代とともに陳腐化してしまうように思う。具体的には2chや小町、増田なんかでよくみかける話。「私」の妻への対応についても妻を理解することを放棄しているようにみえてあまり共感できない。もともと妻を少し下に見ているように感じる。 『授賞式の夜』★1 何か起こりそうな予兆はあるけどここからというところで終わる。印象に残らない。 『ある通夜』★1.5 国語の教科書にのりそうな話。お行儀の良い小説家の私と顔は似ているが品行は正反対の親戚、高さんの話。設定は陳腐だけど構成は王道。 『六十歳の男』★4 面白いし巧い短編。60歳というお年寄りの心情を書いた話はあまり読んだことがなく新鮮でリアルに感じた。主人公が抱くのは性欲ではなく若さへの嫉妬。著者の別小説『イエスの生涯』で、捉えられたイエスに対して掌を返した民衆がイエスをひどく虐めることを自分の言葉で噛み砕いて書けていないと感じており、その一つの答えとして、この短編の主人公で表現している。純粋なものへの嫉妬であると。 『日本の聖女』★4 ある程度面白さもあるし、歴史上の人物を登場させてとても巧く構成している。豊臣秀吉が表向きキリスト教を禁止した時代のお話。布教のためには教えを捻じ曲げることも厭わないパードレ(司祭)を上司に持つ信心の強い修道士目線の物語。『沈黙』で井上様やフェレイラが言っていた日本で魔改造されたキリスト教の話。修道士の考えは遠藤周作の考えなのではと思わされる。高山殿や細川ガラシャは魔改造されたキリスト教を信仰し棄教を拒絶し殉教をも厭わない。キリスト教徒の民衆はそれが美しく正義であると支持する。修道士はその考えに疑問を呈し、ガラシャの殉教は逃げであるとする。表向きは棄教して裏切り者扱いをされ裏ではキリスト教徒のために動きながらも最期まで報われなかった小西殿こそ美しい殉教だとする。嫉妬から、仕え主であるガラシャが不幸になることを悦びとする(と修道士が考える)小従徒は『六十歳の男』と少し繋がっている。実在の人物を上手く動かし、これが本当の話である可能性を100パーセント否定することはできない作りが巧い。

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2018/09/20

この短篇集含めて、僕が遠藤周作を好きなのは、高潔に生きたいという理想と情欲に溺れたいという堕落性、その双方が一人の人間の中に存在している矛盾について、認めて、許して、悩んでいるからです。 良い悪いの二元論で物事を切るのは明快かつ論理的で、一見逞しいけれども、空疎で断定的で、どこか...

この短篇集含めて、僕が遠藤周作を好きなのは、高潔に生きたいという理想と情欲に溺れたいという堕落性、その双方が一人の人間の中に存在している矛盾について、認めて、許して、悩んでいるからです。 良い悪いの二元論で物事を切るのは明快かつ論理的で、一見逞しいけれども、空疎で断定的で、どこか脆い。 誰かと戦っているわけでもないし、自分に正直に存分に苦しめば良いのではないか、そう伝えてくれているように思えるのです。

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2016/10/24

健やかなる時も病める時も、一緒の夫婦。 5話の短編集、と思ったら、連続もの? 最後のひとつだけ違いましたが、出てくる主人公の男性は 同じ人のようです。 何事もない日常ですが、そこから転がってみたり 言い合いをしてみたり。 主人公がキリスト教のようで、端々に出てきます。 結婚し...

健やかなる時も病める時も、一緒の夫婦。 5話の短編集、と思ったら、連続もの? 最後のひとつだけ違いましたが、出てくる主人公の男性は 同じ人のようです。 何事もない日常ですが、そこから転がってみたり 言い合いをしてみたり。 主人公がキリスト教のようで、端々に出てきます。 結婚したら相手の宗教に、が微妙です。

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