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夫婦の一日 の商品レビュー

3.5

18件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    7

  3. 3つ

    5

  4. 2つ

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2014/09/29

遠藤周作の文章はお腹に優しい。うっすら塩味の効いたポトフみたいに、二日酔いにも、病み上がりの体にすっと入ってじわっと広がる。 木槌で杭を打つ、彼が悟ったのは、人間の業とそれを肯定する強さだったのかもしれない。

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2013/07/09

未読の遠藤の短編。「侍」から「スキャンダル」に移るその軌跡を見事に表している、とあとがきにあった。5つの短編からなる、短編集であるが、どれも心に響いた。晩年の遠藤は、人間の無意識に関心を非常に寄せており、そこに潜む悪とそこからの救いという観点から、宗教と信仰を深く見つめている。そ...

未読の遠藤の短編。「侍」から「スキャンダル」に移るその軌跡を見事に表している、とあとがきにあった。5つの短編からなる、短編集であるが、どれも心に響いた。晩年の遠藤は、人間の無意識に関心を非常に寄せており、そこに潜む悪とそこからの救いという観点から、宗教と信仰を深く見つめている。その辺の関心が、この五つの中にありありと描かれている。 個人的には「日本の聖女」が一番響いた。細川ガラシャを遠藤流に描いている。 13/7/9

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2012/11/30

深層心理がうまく描かれている。行動と理性と感情のバランスが見事。日本文化を深く観察された遠藤周作の晩期らしい作品。

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2011/08/24

日本の聖女が気に入った。他はいまいちだったが、後書きによって新しい側面を見たので、もう一度読み直す。 2011.8.24 再読 背徳的なものに快感を覚える悪魔の呼吸音に耳をすませながら

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2011/08/09

久しぶりの遠藤周作です。 遠藤周作の考えるキリスト教の世界観を久しぶりに味わいました。 短編の中で、「日本の聖女」が一番よかったです。 むか~し読んだ三浦綾子の「細川ガラシャ夫人」を読み返して、 遠藤周作と三浦綾子の世界観を比べてみたいなと思います。

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2012/01/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 5編を収めた短編集。『日本の聖女』が素晴らしい。修道士の独白体で細川ガラシャを描いている。  謀反人・明智光秀の娘であり、秀吉が禁制とした切支丹である彼女の危険な立場は、夫との確執を生み、彼女は厭世観を強くしていく。キリスト教への信仰を深めていくように見えるガラシャだが、現世の苦悩(十字架)を背負おうとはせず、むしろ死による救済を願う姿に、修道士はキリストの教えとの根源的な差異を感じ取る。  修道士はガラシャの死を「切支丹として死んだのではなく、日本人の宗教で亡くなったのだ」と語る。彼女の宗教観、人生観は本質的に変わることはなく、その死にいたるまで、極楽浄土を願う日本的な精神に支配されたままだった。

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2010/11/15

表題作の「夫婦の一日」と「日本の聖女」が個人的に好きな作品。 特に、「夫婦の一日」は、カトリック信者であるにもかかわらず、立て続けに起こった不幸から占い師を尋ね、その言葉に信心する妻の様子が印象的。カトリック信者なのだから、占い師の言葉など信じること自体おかしいと説く夫の気持ち...

表題作の「夫婦の一日」と「日本の聖女」が個人的に好きな作品。 特に、「夫婦の一日」は、カトリック信者であるにもかかわらず、立て続けに起こった不幸から占い師を尋ね、その言葉に信心する妻の様子が印象的。カトリック信者なのだから、占い師の言葉など信じること自体おかしいと説く夫の気持ちも分からないでもなかった。けれど、夫が1年で亡くなるといわれ、それまで続いた不幸のことも考えると、たとえカトリックといえども何かにすがりなんとしても夫を助けたいと思ってかたくなに実行する妻の心情も理解できた。きっと女性ならではなのかもしれない。

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2009/11/04

短編集。 表題作も印象深いのですが、この作品唯一の歴史小説の「日本の聖女」が一番印象的でした。 細川ガラシャの話です。 聖職者からみた、それも批判的?なガラシャ評価が心に残ります。

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