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ハンニバル(上) の商品レビュー

3.9

67件のお客様レビュー

  1. 5つ

    16

  2. 4つ

    24

  3. 3つ

    19

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2017/07/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

連続殺人犯バッファロー・ビルの逮捕から十年後。FBI特別捜査官クラリス・スターリングは部下と共に麻薬組織との銃撃戦のなか、赤ん坊を抱いた組織の女ボスを射殺した。この事件でマスコミに叩かれ、上官ポール・クレンドラーの嫉妬と執着も加わり、FBI内部で窮地に陥る。 傷心のクラリスの元に、ハンニバル・レクター博士から慰めの手紙が届いた。イタリアのフィレンツェが博士の居所と知り、逮捕に備えて密かに調査を始める。 一方、レクター博士に恨みを抱く大富豪メイスン・ヴァージャーは、高額の懸賞金をかけて復讐を企てていた。 フィレンツェ警察のパッツィ刑事は、ひょんなことからレクター博士を発見し懸賞金に加えて手柄を立てようと試みるが、逆に博士に見破られ非業の死を遂げる。 イタリアから逃亡した博士とクラリスが必ず接触するであろうというメイスンの予想は的中し、博士を拉致する。捕らえられ拷問を受ける博士は痛みを堪えるべく色鮮やかな記憶の回廊に逃避する。そこへ博士を救出・逮捕すべく現れたクラリス。彼女の奮戦によって博士は窮地を脱するが、クラリスは怪我を負い博士の治療を受ける。 博士を殺害し損ねたメイスンは、博士によって心の枷を解かれた妹によって、性的虐待を受けた恨みで殺される。 メイスンと通じ、クラリスを窮地に追い込んだクレンドラーは博士の手に落ち、クラリスと博士と会話しながら、自身の脳を二人に食べられて知能が低下していく、という罰を受けて殺される。 クラリスは博士に治療を受ける中で、父の死という心の傷を博士によって癒され、博士も幼少時に失った妹の存在をクラリスに重ねることにより、彼の心の傷も癒された。クラリスは博士から二度と解けることのない暗示をかけられ、そのまま2人で暮らし始めるのだった。

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2017/04/09

名作「羊たちの沈黙」の続編。トマスハリスは寡作の作家で、この続編が出るまで何年も待たなければならなかった。 これも緊張感があって面白い作品ではあったが、ただ、期待が高すぎて少々アレだったかなというのが正直な感想。 やはり、囚われの身でありながらその頭脳で外に影響を与えるという構...

名作「羊たちの沈黙」の続編。トマスハリスは寡作の作家で、この続編が出るまで何年も待たなければならなかった。 これも緊張感があって面白い作品ではあったが、ただ、期待が高すぎて少々アレだったかなというのが正直な感想。 やはり、囚われの身でありながらその頭脳で外に影響を与えるという構図がレクターのカリスマ的魅力を生んでいたのであって、普通に動けちゃうとなるとちょっとね。その点を補うためのいくつかの新しい設定も、あまりうまくはいっていなかったような。前作と比べてしまうせいか、どうしても少し陳腐に思えた。

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2017/02/03

映画は見てない。 おい、レクターさん…というよりも、いやハリスおじさん…と言いたくなる。 ハリスおじさんは、最後の章を描きたさにそもそもの初めから設定したんじゃないだろうか。 クラリスは羊〜での活躍からFBI捜査官になれたわけだけど、ヒール役(もはや精神的SM相手)のクレンドラ...

映画は見てない。 おい、レクターさん…というよりも、いやハリスおじさん…と言いたくなる。 ハリスおじさんは、最後の章を描きたさにそもそもの初めから設定したんじゃないだろうか。 クラリスは羊〜での活躍からFBI捜査官になれたわけだけど、ヒール役(もはや精神的SM相手)のクレンドラーの妨害なんかもあって、出世どころかやりたい仕事もままならず、メイスンの件でだんだんとダークサイドに落ちていく。 羊〜ではあんなに重要ポジションだったクロフォードの存在感が薄れていき、レクター博士の存在が大きくなる。 (クロフォードの扱いが前作に比べてぞんざい過ぎて、出さなきゃいいのにレベルなのが個人的に悲しい) 父性に憧れ、また裏切られながら、問題の最終章に向かっていくクラリス。 ジョディー・フォスターが大成功を収めた羊〜の続編である本作の映画に出演しなかった理由の一つに、今作では彼女はモンスターになってしまった、と述べている理由がわかる気がする。 前作から一気読みしたせいで、最初のクラリスは何だったの…と思ってしまうけど、これはこれでハッピーエンドであることは間違いない。

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2018/05/15

逃亡中のレクター博士とそれを追う人々の話。 レクター博士だけでなく、それを追う周りの人たちのキャラもみんなたってて読みやすかった。

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2016/03/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

レクター博士のシリーズ。 賢くて文化もたしなむすごい人だけど、残忍な博士。 クラリスにとても興味を持っている。 セリフがすごく知的で、「コメンダトーレ、パッツィ」などカッコイイ。 音楽、香りの描写などが上手いと思います。 説明等が長いため、途中で文字を追ってるだけの時等があり、読むのが疲れます。

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2016/01/31

レクター4部作のうち、3作目。前作の「羊たちの沈黙」では、監獄の中にいて、自由のない牢の中でも、精神的な自由を謳歌していたレクター博士。そんな彼が外の世界に飛び出し、肉体的にも自由な生活を営んでいたのが今作だ。その天才性を存分に発揮し、自らの欲望をとことんにまで追求していく彼の姿...

レクター4部作のうち、3作目。前作の「羊たちの沈黙」では、監獄の中にいて、自由のない牢の中でも、精神的な自由を謳歌していたレクター博士。そんな彼が外の世界に飛び出し、肉体的にも自由な生活を営んでいたのが今作だ。その天才性を存分に発揮し、自らの欲望をとことんにまで追求していく彼の姿は、間違いなく「悪」なのであろうけれど、その中に「美」を感じてしまうのは、その彼のエゴイズムがあまりに純粋だからなのだろうか。 上下巻のうちの上巻である。前作よりもよりダイナミックにキャラクターが動きだし、エンターテイメント性は増している。初見でも問題ないと思うが、「羊たちの沈黙」を先に読んでおいてよかった、と思っている。だけれども、「レッドドラゴン」を読んでいた方がもっと面白いのだろうか?(上巻では、ウィル・グレアムの名前などは全然出てきていないが)

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2016/01/20

テレビドラマでハンニバルを見て、気になったので久しぶりに読み返してみる。 以前にも増して楽しめました^ ^

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2015/11/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

前作の7年後。クラリスが犯人の逮捕に失敗し射殺するところから始まり、過去にレクター博士に顔を削がれた狂人の金持ちの登場、イタリアで潜伏するレクター博士の追跡まで。 前作に比べ、周辺キャラクターが良い。

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2015/05/09

クラリス・スターリング FBI特別捜査官 第一部 ワシントンDC 「ふん。あたしの体液をくらえ、このクソアマ!」毛布が揺れ、空気が震えた。その刹那、クラリスは、イヴェルダ・ドラムゴの上唇を撃ち抜いた。イヴェルダの後頭部が吹っ飛んだ。 1990年代のタブロイド紙ブームで最大の...

クラリス・スターリング FBI特別捜査官 第一部 ワシントンDC 「ふん。あたしの体液をくらえ、このクソアマ!」毛布が揺れ、空気が震えた。その刹那、クラリスは、イヴェルダ・ドラムゴの上唇を撃ち抜いた。イヴェルダの後頭部が吹っ飛んだ。 1990年代のタブロイド紙ブームで最大の恩恵を蒙った『ナショナル・タトラー』紙は、同紙自体の基準に照らしても異様としか思えないような号外を発行した。 “死の天使。FBIの殺人機械、クラリス・スターリング”  キッチン・ナイフで封をあけて、すべすべした一枚の紙をとりだした。手紙の送り主がだれか、署名に目を走らせるより先に察しがついた。  親愛なるクラリス きみが名誉を失墜し、公然と辱めを受けた経緯を、熱心に見守ってきた。  エコロジーの観点から言えば、レクターの処理法はギロチンにも優った。が、ギロチンほど瞬時にケリがつくわけではなかった。 第二部 フィレンツェ  1487年4月26日のあの日曜日、ドォオーモ(大聖堂)におけるミサの場でジュリアーノ・デ・メディチを殺し、ロレンツォ豪華王を殺しそこなったのがたたって、パッツィ一族は残らず辱めを受けたのである。  ハンニバル・レクターはフィレンツェに逃亡していたのだ。  フェル博士こそ、ハンニバル・レクターだ。  まだ早い時刻に、ハンニバル・レクター博士は騒々しい街路からこの世でもっとも香しい場所の一つ、ファルマチーア・ディ・サンタ・マリーア・ノベェッラに入った。ここは七百余年の昔、ドメニコ会の修道僧たちによって創られた薬舗である。奥の内扉まで伸びている廊下で博士は立ち止り、両目を閉じて顔を仰向けると、名高い石鹸やローションやクリームの芳香、作業室に並ぶ各種の原料の香りを心ゆくまで吸い込んだ。用務員は博士とは顔馴染みであり、ともすれば日頃尊大な態度を隠さない店員たちも彼には大いなる敬意を抱いている。このフィレンツェで暮しはじめて以来、身嗜なみに気を配る博士がこの店で購った商品の総額は、それでも十万リラを超えないだろう。だが、それらの香料や香油はよくよく厳選され、しかも並はずれた感性によって組み合わされていた。その感性は、鼻によって生きている香りの商人たちの胸に驚きと敬意を植えつけずにはおかなかった。  このファルマチーアの、奥の売り場に通じる典雅な廊下。その天井を飾る大きなアール・デコ調のランプが放つ仄かな光の下に立って香りをかいでいると、レクター博士の頭にはさまざまな記憶の断片が、閃光のようによみがえってくる。その記憶の中に、牢獄につながるものは何ひとつない。ただ―あれは何だ?クラリス・スターリング。どうしてだろう?  ああ、サポーネ・ディ・マンドルレだ。このファルマチーアの名物でもあるアーモンド石鹸の香り。  ファルマチーア・ディ・サンタ・マリーア・ノベェッラはフィレンツェ駅に近いスカーラ通りにあって、修道院に隣接している。信心深いカルロは、そのファルマチーアの斜め向かいの建物の前にさしかかると、扉の上部の壁に嵌め込まれた聖母マリアの絵の下で思わず帽子を脱いだ。

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2015/02/05

今回の訳者さんは読みやすかったです! 作品の大部分を忘れていたにも関わらず、情景を思い描くことができました。 レクター博士が逃げてから10年?後くらいの話。 彼の被害者であるメイスンという富豪が、彼を残虐に殺すために懸賞金をかけており、その懸賞金を巡って密告者との話が進んでいく...

今回の訳者さんは読みやすかったです! 作品の大部分を忘れていたにも関わらず、情景を思い描くことができました。 レクター博士が逃げてから10年?後くらいの話。 彼の被害者であるメイスンという富豪が、彼を残虐に殺すために懸賞金をかけており、その懸賞金を巡って密告者との話が進んでいく、というストーリー。 レクター博士とイタリアというのがとてもしっくり来て、美しささえ感じました。 不思議なことに、レクターには無事に逃げおおせて欲しいと思ってしまう。 下巻が楽しみです。

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