偶然の祝福 の商品レビュー
時系列はバラバラですが、全ての話は繋がっていて 不思議な空間がそこには広がっています。 時に恐怖を感じるような場面でも、 とにかく表現が美しいのが印象的でした。 「涙腺水晶結石症」と「失踪者たちの王国」が好きだな。
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書くことに苦労をしている作家のおはなし。 途中まではエッセイかと思って読んでいました。 最後には、別の作品の登場人物が出てきます。 やっぱり小川洋子さんには魅かれるなあ、と思う一冊。
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「博士の愛した数式」とは、また一味違った作者の魅力が光る短編集(語り手は同一人物だけれど)。一つ一つのストーリーに、何か薄暗い影がつきまとっているみたいに感じた。ポケットだらけの服を纏い、死んだはずの「弟」であると名乗る男、雨に降り込まれた「私」と病気の犬を助けてくれた不思議な獣...
「博士の愛した数式」とは、また一味違った作者の魅力が光る短編集(語り手は同一人物だけれど)。一つ一つのストーリーに、何か薄暗い影がつきまとっているみたいに感じた。ポケットだらけの服を纏い、死んだはずの「弟」であると名乗る男、雨に降り込まれた「私」と病気の犬を助けてくれた不思議な獣医さん、南の島で出逢った、物理学ぎりぎりのバランスで果物の入ったかごを背負う老人。そして「私」の恋人であった指揮者。皆、どこかから来て、どこかへ去っていく登場人物たち。
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まるでエッセイ?と思うような短編集。小川さんの文章を読んでいつも感じるのは、透明な不幸感と、しんとした静けさ。
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作家の主人公の周りに起こるいろいろな話。連作短編集、と言うところか 小川洋子さんの小説を沢山読んだ人なら、どこかで聞いたような話が出てきた、と思うことが何度かあるのではないだろうか。そのせいか、エッセイのように感じることがあるかも。 わりかし、ほんのりする話が多い。もちろ...
作家の主人公の周りに起こるいろいろな話。連作短編集、と言うところか 小川洋子さんの小説を沢山読んだ人なら、どこかで聞いたような話が出てきた、と思うことが何度かあるのではないだろうか。そのせいか、エッセイのように感じることがあるかも。 わりかし、ほんのりする話が多い。もちろん、ちょっと不思議な世界でもある。
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2011.11.21. この本の持つ雰囲気は、小説というよりはエッセイに近いです。特に「キリコさんの失敗」が好き。 2007.03. 小川さんの文章は、やはりいい。この本はエッセイなのか小説なのか。その真ん中あたりをうまく漂っている感じ。本文に出てくる小説、それは「完璧な病室」...
2011.11.21. この本の持つ雰囲気は、小説というよりはエッセイに近いです。特に「キリコさんの失敗」が好き。 2007.03. 小川さんの文章は、やはりいい。この本はエッセイなのか小説なのか。その真ん中あたりをうまく漂っている感じ。本文に出てくる小説、それは「完璧な病室」でしょ?「ホテル・アイリス」のことでしょ?と思ったり。どこまでが本当のことなのか、最初は気になったけれど、読み進むうちに本の世界に吸い込まれていった。 ★5つ
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題名の割に不幸な主人公。文はやはり美しいけど、なにか物足りないなー。あ、でもその物足りなさが余計に不幸な雰囲気を出しているのかも。
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赤ん坊の息子とラブラドールのアポロと小説家の「私」を取り巻くあれこれである。 一瞬、エッセイかと思うように物語ははじめられる。しかし 読み進むうちに 不思議物語に吸い込まれてゆく。時計を巻き戻したり進めたりしながらも 筋は乱れることなくひとつに縒り合わされているように思える。そ...
赤ん坊の息子とラブラドールのアポロと小説家の「私」を取り巻くあれこれである。 一瞬、エッセイかと思うように物語ははじめられる。しかし 読み進むうちに 不思議物語に吸い込まれてゆく。時計を巻き戻したり進めたりしながらも 筋は乱れることなくひとつに縒り合わされているように思える。それが エッセイに見える理由のひとつかもしれない。 不思議で やさしく 魅力的な物語たちである。
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