第八森の子どもたち の商品レビュー
第二次世界大戦中、お父さんと森の中の農家に疎開した少女の7か月間の経験。 戦時中の農家の暮らしが丁寧に細やかに描かれており、まるで自分も経験してきたかのような気持ちになる。ドラマティックな展開に頼らず淡々と描いているだけに、かえってリアリティーが増している。静かな感動を呼ぶ作品で...
第二次世界大戦中、お父さんと森の中の農家に疎開した少女の7か月間の経験。 戦時中の農家の暮らしが丁寧に細やかに描かれており、まるで自分も経験してきたかのような気持ちになる。ドラマティックな展開に頼らず淡々と描いているだけに、かえってリアリティーが増している。静かな感動を呼ぶ作品である。
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第二次大戦中のオランダ、主人公の少女ノーチェは街中の暮らしが危険になり、父と一緒にクラップヘクという農家に身を寄せる。 3つの家族が身を寄せ合って暮らす中、決して豊かではない食事、ドイツ軍宿営のために部屋や家畜小屋や納屋を明け渡した窮屈な家など戦争の影は少なからずノーチェの身にも...
第二次大戦中のオランダ、主人公の少女ノーチェは街中の暮らしが危険になり、父と一緒にクラップヘクという農家に身を寄せる。 3つの家族が身を寄せ合って暮らす中、決して豊かではない食事、ドイツ軍宿営のために部屋や家畜小屋や納屋を明け渡した窮屈な家など戦争の影は少なからずノーチェの身にも降りかかる。 しかしノーチェは柔軟な心と好奇心で、農家のささやかな暮らしに楽しみを見つけ、自分の仕事にもやりがいを感じておおらかに暮らす。 ある夜ノーチェは近くの第八森に隠れて暮らすユダヤ人一家のことを知り、秘密と責任を、さらにその後一家に起こった悲劇を知り、悲しみと怒りに心を強く揺さぶられることになる… 物語中にはたくさんの子ども、戦争で弱った人たちが出てくるが、人種、国、障がいなどに関係なく「自分と同じ人間である」というその人達に注がれる暖かい眼差しがこの物語の柱となり、ノーチェの7ヶ月の間の厳しい疎開生活をも明るいものにしている。 戦争が終わりお父さんと二人、アムステルダムの街中へ帰ることになったノーチェは、これまでになく激しく泣いて、クラップヘクを離れることに抵抗する。 ノーチェを通して人間の本当に豊かな生活とは何なのか問いかける。
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オランダの田舎に疎開した少女の眼から見た戦争。障害を持った子供にも、ドイツ兵も同じ人間としての目線で見つめる。
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第二次世界大戦中のオランダ。街から疎開してきたノーチェとその父親。『クラップヘク』と呼ばれる農家に住むことになるのです。エフォリンゲン一家は、ヤンナおばさんとおやじさん、息子のエバート、ヘリット、そして、知能障害を抱えた“おねえちゃん”。そのほか、使用人のヘンク、占領したドイツ軍...
第二次世界大戦中のオランダ。街から疎開してきたノーチェとその父親。『クラップヘク』と呼ばれる農家に住むことになるのです。エフォリンゲン一家は、ヤンナおばさんとおやじさん、息子のエバート、ヘリット、そして、知能障害を抱えた“おねえちゃん”。そのほか、使用人のヘンク、占領したドイツ軍への抵抗活動をしていた、テオ、今は結核を抱えています。クラップヘクの農家は、すくないながらも、食べ物を求める人には、分けてあげ、行き場所のない人を泊めてあげる一家でした。ノーチェは農家の中で、自然や動物の生活、戦争に対する恐怖と不安を体験します。 戦争は悪いことだ、と当然の理論の中、この時代は、生きる実感をほんとに体験していた時代だったのではないかと思います。対比されたドイツ兵の兵器と機械、農家の中の自然。自然と共に生きていく体験は、人間本来の生活の喜びなのかもしれません。
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