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ダックスフントのワープ の商品レビュー

3.6

59件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

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2010/08/23

●あらすじ● ダックスフントは、少女の信頼を裏切らないために、砂漠にワープしてみせたんだ…… 自閉症気味の少女の家庭教師をする、大学で心理学を専攻する「僕」が語る、異空間にワープしたダックスフントの話。 彼女はその話に少しずつ興味を持ち、症状は少しずつよくなっていったのですが… ...

●あらすじ● ダックスフントは、少女の信頼を裏切らないために、砂漠にワープしてみせたんだ…… 自閉症気味の少女の家庭教師をする、大学で心理学を専攻する「僕」が語る、異空間にワープしたダックスフントの話。 彼女はその話に少しずつ興味を持ち、症状は少しずつよくなっていったのですが… 表題作ほか三篇収録。 ●感想● 藤原伊織さんの作品で最初に読んだのが「テロリストのパラソル」、そしてこの間読んだのが「雪が降る」だったので、びっくりしました。 大沢在昌だと思って開いたら、村上春樹だった!みたいなびっくり具合。 村上春樹が好きなひとは、きっと好きであろうと思います。 「雪が降る」を読んで、収録されている「トマト」がなんとなく異色の作品に思えましたが、これを読むと納得だなぁ。 ひとつ読むと、その作者さんの傾向がわかってしまうような気がしてしまいますが、やっぱり色々読まないとだめですね。

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2010/02/09

 十歳の少女・マリは、年に見合わない飛びぬけた頭脳を持ち、そのために難しい性格をもてあましている。まだ二十歳にしかならない継母と反りが合わず、彼女を「新しいママ」と呼び、口を利こうとしない。そんなマリに、両親は家庭教師をつけることにした。勉強を教えるのではなく、カウンセラーとして...

 十歳の少女・マリは、年に見合わない飛びぬけた頭脳を持ち、そのために難しい性格をもてあましている。まだ二十歳にしかならない継母と反りが合わず、彼女を「新しいママ」と呼び、口を利こうとしない。そんなマリに、両親は家庭教師をつけることにした。勉強を教えるのではなく、カウンセラーとしての役割を期待して、心理学科の学生を雇い、高額の報酬を払って。  家庭教師のアルバイトを引き受けた「僕」は、でっちあげた架空の物語をマリに話し聞かせる。ひとりの少女を守り、彼女を悲しませないためだけに、命を懸けて戦い抜いた、年老いたダックスフントの物語。その話に興味を引かれたマリは、次第に継母への態度を変えるようになり、そして……  表題作を含む4作品が集まった短編集。純文学。これまで読んできた藤原さんの作品とは、少し毛色が違うというか、通じるものはあるんだけれども、ずいぶん感じが違いました。  本作を好きか嫌いかというと、けして好きな作品ではありません。  けれど、ひどく胸を引っ掻く。  遣る瀬無くて、収まりが悪くて、割り切れなくて、胸に残る。消化できない強い感情が、読み終えたあと、いつまでも居坐る。  そういう本でした。

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2009/12/26

藤原伊織の長編ハードボイルドも勿論良いが、 こちらの短篇集も味がある。 短篇であるがゆえに、心理ドラマを中心に展開しているように思われる。 不条理や、暗雲とした雰囲気もあり、切ない気持ちにもなる。 割り切れない答え、澄み渡らない気持ちも、人間なら当然あるのだろうと感じた。

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2009/11/21

全体的な感想は何とも言えない感じでした。 どの話も淡々としてます。 それでいて、妙に心に引っかかる短編でした。 表題作「ダックスフントのワープ」のダックスフントの物語は興味深く、面白かったです。 他の作品では「ノエル」が好きですね。 満足度は★★★☆☆。 何とも言えぬ短編集でした...

全体的な感想は何とも言えない感じでした。 どの話も淡々としてます。 それでいて、妙に心に引っかかる短編でした。 表題作「ダックスフントのワープ」のダックスフントの物語は興味深く、面白かったです。 他の作品では「ノエル」が好きですね。 満足度は★★★☆☆。 何とも言えぬ短編集でした。

Posted byブクログ

2009/10/04

難しい、でも考えさせられる。 一回では理解しきれない、何度も読みたくなる。 いつか傘を貸してもらえる人になりたい、いや、傘を貸せる人になりたいな。

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2009/10/04

優しくて哀しい話でした。 描写がとても繊細で美しい。 また、劇中に出てくるダックスフントの話はそれ単体でも本になって欲しいほどの秀逸な作品でした。

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2009/10/04

 題名が不思議でいいじゃないか。というのが初めの感想だった。恐らくはとてもファンタジーっぽい話なのだろうと思っていたのだが、その予想は見事に裏切られた(もちろん良い意味でだが)。  幼い子供相手の挿話(それがダックスフントがワープする話)と主人公の体験が良い具合に混じり合っている...

 題名が不思議でいいじゃないか。というのが初めの感想だった。恐らくはとてもファンタジーっぽい話なのだろうと思っていたのだが、その予想は見事に裏切られた(もちろん良い意味でだが)。  幼い子供相手の挿話(それがダックスフントがワープする話)と主人公の体験が良い具合に混じり合っている。少々、説教臭いというところもあるが、別に気になるほどではない。村上春樹が好きな人にはいいんじゃないかと思う。  表題作の他、「ネズミ焼きの贈りもの」「ノエル」「ユーレイ」の計4作品を収録。どれも不器用に生きている人間の話。

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2009/10/04

いつか必ず再読するぞ、と思う大好きな作品。 プレゼントした友人の「綺麗で残酷な作品」という表現が、とても素晴らしい。 すばる文学賞受賞作品。

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2009/10/04

短編集。不思議なタイトルに誘われて手に取りました。村上春樹風、ですがすこし優しい感じ。でも、時に毒がさらりと仕込まれています。中でも骨董品店の青年の元に少女の幽霊が尋ねてくる「ユーレイ」が気に入りました。この方、他の作品はちょっとこれとは違った作風っぽいです。どうしようかな。

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2009/10/04

人と接すること。ということへのひとつのアプローチ。優しく乾いた文体の中に隠された苦悩やらあきらめやら。多用される比喩も心地よく、読んでいて飽きない。結局、何が正しかったのかは、読んだ人にゆだねられているのかも。同時収録されてる作品も好きなものが多い。

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