永遠の都(上) の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
1900年に新世紀が始まると作者が勘違いしていたのか、ちょっとのっけから違和感がぬぐえない。 世界史が全く分かっていない私には、この作品におけるイタリアが、いったいいつのイタリア時代を指しているのか、Wikkipediaを見てもさっぱりわからない。 そもそも私は、バチカン市国って、ローマ市から独立してできた国だと思っていたのだけれど、それは逆で、もともとローマ法王の領地があったところに、イタリアの王軍が侵攻し、首都をローマと定め、もともとのローマ法王の領地の一部をバチカン市国として王国と別物であることを認めたということを、この作品で知った。 いくつかの地域ごと治めていた領主の力が強かったイタリアは、フランスやスペインなどから領土を狙われていて、それに危機感を抱いた国王が中央集権制を強化するために国土を統一し、カトリックの大国からイタリアを守るために、首都の中に法王領を作った、と。 それでも不安なイタリアは、食指を伸ばしてこないドイツやロシアに接近していく…という流れになるそうです。 連合国からの一方的な言い分ではわからないことでした。 ちなみにイギリスは中立を保ち、イタリアからの移民を受け入れていた模様。 主人公は、幼い時に両親を亡くし、里親から奴隷商人に売られ、イギリスで乞食の売り上げを大人たちに取り上げらるなどして、生きる希望も手段もなかったところを、イタリア移民の医師に拾われたデイビット・ロッシィ。 実は医師はイタリアの貴族だったのだが、世の中の不公平をなくすため、財産を貧しいものに分け与え、子どもたちに教育の機会を与え…という篤志家。 しかしそれは本国では犯罪に等しい行為で、結局国に呼び戻されて獄死してしまう。 ヒロインはその医師の娘・ローマ。 しかし幼かった彼女は、自分の両親のことを忘れ、辛い里親のもとでの暮らしの中で、自分は親に捨てられたのだと恨むようになる。 しかし彼女の正体を知った男爵が、彼女をイタリアの貴族社会に迎え入れ、彼女はその美貌と財産ですっかり社交界のアイドルとなる。 そんな時、イタリアで「パンに課税をすることを認めない」、貧しくても神の教えに沿った幸せな生活を求める議員が、民衆に熱い支持を受け、危機感を抱いた貴族たちは彼、デイビット・ロッシィを陥れようと画策する。 最初は話が全然見えなくて、ちんぷんかんぷんだったのだけど、読み進めるうちにこれは『モンテ・クリスト伯』のような面白い作品胃になるのではないかと思い始める。 が、とりあえず思い始めたところで、続く。 くう~。
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駆け足で10時間ほどでなんとか読了。 政治小説としても恋愛小説としても推理小説としても楽しめるのではないかと思います。 よくぞここまで絡ませてくるな、という作者の構成力に感服します。 苦手なカタカナの名前や、様々な人物の主義主張、複雑な人間模様についていくのがやっとでしたが、読み...
駆け足で10時間ほどでなんとか読了。 政治小説としても恋愛小説としても推理小説としても楽しめるのではないかと思います。 よくぞここまで絡ませてくるな、という作者の構成力に感服します。 苦手なカタカナの名前や、様々な人物の主義主張、複雑な人間模様についていくのがやっとでしたが、読み進めていくうちに徐々に慣れてきました。面白いのは、上中下と読み進めるにあたって、物語のスピード感がゴーゴーと凄まじい音を響かせながら増してくるように感じることです。 理想主義、夢想家といわれても、高い志を持ち続けなければ、偉業は達成できない。無血革命の難しさ、ロッシィの孤独、苦悩、無理解、さまざま考えさせられます。
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メロドラマとしてはそこそこ面白いが、革命劇としてはいま一つ。 民衆の生活や苦悩ににスポットが当たっておらず、主人公の訴えが心に響かない。作中の演説もアジビラ程度。ただ、1901年の作品であることを考慮すると、社会主義に夢を託すばかりでリアリティーがないのも仕方ないのかもしれないと...
メロドラマとしてはそこそこ面白いが、革命劇としてはいま一つ。 民衆の生活や苦悩ににスポットが当たっておらず、主人公の訴えが心に響かない。作中の演説もアジビラ程度。ただ、1901年の作品であることを考慮すると、社会主義に夢を託すばかりでリアリティーがないのも仕方ないのかもしれないとは思う。 20世紀初めのキリスト教的社会主義者が何を理想としていたかが少し分かるので、参考資料としては価値がある。
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人間共和の理念を掲げ、国家と教会の権力に戦いを挑む主人公のデイビッド・ロッシィ。 彼の生い立ちをめぐり様々な人物が色鮮やかに登場します。 複雑に絡み合う愛憎の中から人生の伴侶となることを誓い合う、美しき永遠の都(ローマ)の名前を持つドンナ・ローマ。 ロッシィの理念と人間性を心から...
人間共和の理念を掲げ、国家と教会の権力に戦いを挑む主人公のデイビッド・ロッシィ。 彼の生い立ちをめぐり様々な人物が色鮮やかに登場します。 複雑に絡み合う愛憎の中から人生の伴侶となることを誓い合う、美しき永遠の都(ローマ)の名前を持つドンナ・ローマ。 ロッシィの理念と人間性を心から愛し信頼しぬいたブルーノ。 ローマ国家の頂点に立つ野望を抱くボネリィ男爵。 心ならずも、銀行家の子息からカトリック信仰の頂点であるローマ法王に... 【開催案内や作品のあらすじ等はこちら↓】 http://www.prosecute.jp/keikan/025.htm 【読後の感想や読書会当日の様子などはこちら↓】 http://prosecute.way-nifty.com/blog/2007/04/post_0688.html
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学生時代に何度も挫折したけど、社会人になってようやく読破。とっつきにくさが若干あったが、はまり込むと、ロッシーの人間性にほれ込んでしまう。
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