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生きる力 の商品レビュー

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2011/12/02

宮崎学と梁石日。二人の濃ゆい作家が数度にわたった対談と個別インタビューを収録したものです。人間はどんなことがあっても生きていけるのだとこの本を読んで確信がもてました。 この本は確か、2009年に読んでいたとは思いますが、記憶が少しあいまいになっているので、先日、もう一度読み直...

宮崎学と梁石日。二人の濃ゆい作家が数度にわたった対談と個別インタビューを収録したものです。人間はどんなことがあっても生きていけるのだとこの本を読んで確信がもてました。 この本は確か、2009年に読んでいたとは思いますが、記憶が少しあいまいになっているので、先日、もう一度読み直してここに記事を掲載する運びとなりました。改めて読んでみて、宮崎学と梁石日。両方とも僕の大好きな作家のうちの一人ですが、こうして二人が対談しているところを読んだり、お互いが個別にインタビューを受けている内容を読んでいると、 「いったいどうやってこの二人は生きてきたんだろうか?」 と首を傾げるぐらい、壮絶な人生を歩んでいてます。特に僕が衝撃を受けたのは金に関する話で、手形や小切手なる金融のシステムをはじめて知ったのは彼らの本からだったので、彼らをして「麻薬」と言わしめるくらい強力なシステムである手形や小切手の存在に戦慄を覚えるとともに、銀行が閉まる午後三時が資金繰りに追われていた当時の二人にとっては『魔の時間』だったことが赤裸々に語られていて、それまでに金をかき集めなきゃパンクする、という強迫観念が体から抜けるまでに約十年の歳月を要したという言葉の中に金という魔物に取り付かれた人間の恐ろしさを垣間見たような気がしました。 そして、彼らの生育環境も実に興味深いものがあって、その中でも二人の『母親』がしっかりしていたからこそ、生活が成り立っていた、というところが読んでいて面白かったです。父親はというと、大きく稼いだりもうけたりしてたお金を博打や女や酒に散在していた。ということらしいです。いま、草食系男子という言葉がはやっていますけれど、肉食系男子、というものの究極の存在が彼ら二人の父親のような気がして、女性にとってはどっちがいいのかね?と機会があったら聞いてみたいと思っています。

Posted byブクログ