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組織の不条理 の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2023/06/19

名著として名高い『失敗の本質』に衝撃を受け、こんな本を書きたい、という動機で執筆されたものだとあとがきに書いてある通り、結構似た印象だが、(執筆の2000年当時の)経営学、組織論の成果を太平洋戦争に当て嵌めたもので、まずまず面白かった。 加藤陽子さんの著作以来、「何故太平洋戦争...

名著として名高い『失敗の本質』に衝撃を受け、こんな本を書きたい、という動機で執筆されたものだとあとがきに書いてある通り、結構似た印象だが、(執筆の2000年当時の)経営学、組織論の成果を太平洋戦争に当て嵌めたもので、まずまず面白かった。 加藤陽子さんの著作以来、「何故太平洋戦争を回避出来なかったのか?」というテーマの本はそれなりに読んでいるが、行き着くところは、このままジリ貧になるより、一か八かに掛けてみたい、という権力者側の発想と、コテンパンにやられるまで事実に気付けない一般人と、景気のいい戦争記事を書いていると新聞が売れることに胡座を書いて、事実を提供しなかったマスコミの、協働の結果なのだろう。

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2022/07/02

著者の言うとおり、先に事例を読んでから、理論を読む方が分かりよい。 また、ゆっくり読むと飲み込みやすいので、ゆっくり読むのがオススメ。

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2021/06/17

人間の限定合理性を認め 批判的組織文化を形成する 違う意見を交わしながら、意思決定し、実行する そんな開かれた組織がますます求められているように感じます 20年以上前の本なんですが大切なことが書かれていますね

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2019/05/04

-勝間和代さん推薦本より借り読み- ?組織の不条理解明に向けて -時間なくてパス ?組織の不条理と条理の事例 -時間なくてパス ?組織の不条理を超えて ○人は、限定的な情報の中から合理的な 判断をくだす。 ○一見、不条理な判断が下った場合でも人は そのときに得...

-勝間和代さん推薦本より借り読み- ?組織の不条理解明に向けて -時間なくてパス ?組織の不条理と条理の事例 -時間なくてパス ?組織の不条理を超えて ○人は、限定的な情報の中から合理的な 判断をくだす。 ○一見、不条理な判断が下った場合でも人は そのときに得られる情報、もしくは、より都合のよい 方向へ判断をくだす。 ○比較 ・不条理にいたるパターン 非効率発見 → 新しい制度形成のコスト > 新しい制度形成のメリット → 「既存の組織制度を維

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2018/11/12

「漸次工学的アプローチ」(238) 小さなチャンスは多い  その小さなチャンスを繋げてビッグ・チャンスにしていくのが「経営」 経営は、永遠に継続する「変革経営」変革には終わりが無い 可能な限り各部門で目標を数値で示させ、その理由を十分説明させ、目標達成を促す 「不条理」→「進化...

「漸次工学的アプローチ」(238) 小さなチャンスは多い  その小さなチャンスを繋げてビッグ・チャンスにしていくのが「経営」 経営は、永遠に継続する「変革経営」変革には終わりが無い 可能な限り各部門で目標を数値で示させ、その理由を十分説明させ、目標達成を促す 「不条理」→「進化」 無謬性の官僚主義により、組織・制度が硬直化、進歩をやめた状態 衰退・崩壊あるのみ 集権主義の失敗  1人のリーダーによりデザインされた計画・作戦は長期合理性を持ち得ない どんな人間も完全合理的ではありえない 限定合理的であり、得意・不得意、差異がある K.Popper 誤りから学ぶ 開かれた組織を形成する →批判的合理的精神により組織は不条理を回避、絶えず組織は進化する(222)

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2015/01/15

ガダルカナル戦、インパール作戦と言えば、「失敗の本質」以来、様々な戦史において徹底的に批判されてきた。曰く、敵戦力の軽視、戦力の逐次投入、補給を無視した作戦計画・・・。現在の視点から戦史を語る場合には、敵味方双方の完全なる情報を得ているので、「合理的に」ああすれば良かった、こうす...

ガダルカナル戦、インパール作戦と言えば、「失敗の本質」以来、様々な戦史において徹底的に批判されてきた。曰く、敵戦力の軽視、戦力の逐次投入、補給を無視した作戦計画・・・。現在の視点から戦史を語る場合には、敵味方双方の完全なる情報を得ているので、「合理的に」ああすれば良かった、こうすれば良かったと自由に批判を加えることができる。しかしながら、敵の情報が入らない戦時下において、しかも味方についても客観的な評価が難しい状況で、そんな完全合理性を踏まえた判断ができたのか。筆者は「限定合理性」をキーワードに、これらの戦史を読み解いていく。 筆者はガダルカナル戦には「取引コスト」、インパール作戦には「エージェンシー理論」という制度派経済学の理論を持ち出している。簡単に言えば、ガダルカナルにおいて、これまで日本陸軍の必殺技とされてきた白兵戦重視を捨てる訳にはいかなかったし、インパール戦では役割分担の細分化が進んだ官僚組織において、上位に声の大きい者がいると、それを牽制すべき者たちが合理的に沈黙してしまう、ということだろうか。 これを現代企業社会に当てはめると、技術革新によりこれまでの商品や販売方法が通用しなくなっているのに、ガダルカナルのような悲惨な戦いを強いられる、とか、インパール作戦の牟田口のように名誉欲に駆られた役員・部長が主唱する無謀なプロジェクト巻き込まれる、ということだ。本書では戦史に続いて、今から15~20年ほど遡り、バブル期の放漫経営から来ているような破綻事例が多く採り上げられており、「なぜ企業は日本陸軍の轍を踏み続けるのか」という副題もそれなり首肯できる。 ここまでは、良くわかる。 人は限定合理的だから失敗や非効率は避けられないが、その解決策は完全合理性の追求ではなく、組織の中に批判的合理構造を備えることだと筆者は言う。そして巻末に至り、太平洋戦争の導火線になった北進・南進論をユートピアと批判した上で、「漸次改善」こそが目指す道と説く。この辺で、若干の論理的破綻が見え始める。 牟田口の作戦に異を唱える将校は多かったし、ガダルカナルで必要だったのは用兵思想の抜本的な転換と、制空権の確保だった。筆者は強いリーダーシップを解決策とすることに懐疑的だが、制空権を取れない中で連合艦隊が戦艦によるガダルカナル空港砲撃というイノベーティブな作戦を立てた際、実働の栗田艦長らは艦隊保存の立場から「合理的に」反対し、山本長官らが強引に押し切ったのではなかったか。ある組織において批判がタブー視される傾向があるとすれば、それが徒に意思決定を長引かせ、また批判の横行が組織風土に悪影響を与えるからでもある。 そもそも、佐藤優がこの本を薦めていたのは組織の不条理さを教えるためだった。不条理さの由来は良く分かった。「完全に合理的な」解決策まで求めるのは酷というものか。

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