頭のない鯨 の商品レビュー
田原氏がどこまで本当に書いてるのかは知らないが(笑)、少なくともこの「物語」の当事者として、この本が田原総一郎名で書かれるだけの理由は十分にある。 しかし、この文庫が出た当時、93年に始まった自民党政治の変革は未だ途上にあった。この一年後に起こる小泉革命も、今後起こるであろう政権...
田原氏がどこまで本当に書いてるのかは知らないが(笑)、少なくともこの「物語」の当事者として、この本が田原総一郎名で書かれるだけの理由は十分にある。 しかし、この文庫が出た当時、93年に始まった自民党政治の変革は未だ途上にあった。この一年後に起こる小泉革命も、今後起こるであろう政権交代も、未だ知らざる状態の「中間報告」に過ぎない。 しかし、そう考えた時、政治改革の熱狂が一瞬冷めた経世会の橋本・小渕時代に、この「振り返り」のインタビューが書かれた事は多いに意義があった。 すべては一瞬の熱狂だった―自民党の官僚・党人エリートたちが、そう思っていたその一年後から、日本は指導者の個性を強烈に押し出す政治に代わって行った。 そして、この話に出てきた登場人物のうち、一人、小沢一郎だけが、未だに政治の中心にいる。 「頭の無い鯨」、本当にこの題名は秀逸だと思う。
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