1,800円以上の注文で送料無料

フェリシアの旅 の商品レビュー

3

2件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2025/01/31

トレヴァー2作目。 この前、読んだ「リッツホテルの天使達」でも感じたのだが、トレヴァーを日本に紹介する流れで、ミスリードされたのか、かなり歪んだ取り扱いを受けている想いがする。 そもそも、文学に触れるとき、原則「視覚化された媒体」の前に読むことにしている私。 この作品の原作が出...

トレヴァー2作目。 この前、読んだ「リッツホテルの天使達」でも感じたのだが、トレヴァーを日本に紹介する流れで、ミスリードされたのか、かなり歪んだ取り扱いを受けている想いがする。 そもそも、文学に触れるとき、原則「視覚化された媒体」の前に読むことにしている私。 この作品の原作が出来たのは1994年、映画化されたのが1999年。 その頃、かなり映画浸りの日々だったこともあって、この映画ポスターは記憶の片隅にある(観なかったけど) 単行本ではなく、文庫本かだけされた原作、それだけでも結構扱いの寒さをを感じる。 裏表紙の解説の中身のお粗末さに呆れてしまった。 待機中に読んだ事もあって「猟奇的場面は」「人格変容は」「フェリシアは命が危ぶまれて・・」とやがて来る展開にハラハラし通しで読了した。 これって、結構、詐欺っぽい。 他の方が書いているようにヒルディッチ氏が回想する場面でぼんやり描かれた脳内世界をあたかもリアルの如く、断定するのは可笑しいでしょう。 アイルランドのぽっと出のうぶな女の子は知的?とまで感じさせる奥手気味、世間知らず。 読む方の小母さんも「おいおい、危ないやろ」と思う中での彼女の第一印象を膨らませの暴走。映画があって原作というお粗末な扱いは、トレヴァーにとって不運というか。。 映画評をサクッとみてみると「ヒルディッチ氏を演じた俳優の外見から来るイマジネーションと演技力が称えられており、ストーリーはその次」という感想く、さもあらんと思った。 母親が作った歪んだともいえるキャラクター、しかし、管理者責任者としては人望があり、人間が持つ「あるある多面性」として読んだ。

Posted byブクログ

2010/03/03

フェリシアの言動のみをみていると、とてもこれが現代の物語とは思えないほど。物語の最後で、“自分はまだ何かを選択できる”とつぶやく彼女が、やっと現代にはまってくる感じで、皮肉というか、苦さを感じさせる。題名にフェリシアの名が冠されてはいるが、彼女と出会うヒルディッチ氏の孤独と心の闇...

フェリシアの言動のみをみていると、とてもこれが現代の物語とは思えないほど。物語の最後で、“自分はまだ何かを選択できる”とつぶやく彼女が、やっと現代にはまってくる感じで、皮肉というか、苦さを感じさせる。題名にフェリシアの名が冠されてはいるが、彼女と出会うヒルディッチ氏の孤独と心の闇に、より強い印象を受ける。それにしても、文庫版のカバーの後ろにある、「家出娘たちを捜し出し、・・・助けの手をのべ・・・殺す。・・・彼女を追いつめていく」といった、まるで、サイコキラーもののようなあおり文句は腹立たしい。ペーパーバックでもサイコパスといった言葉を使っているけど、余計なお世話。映画が先行していたので、仕方ないのかもしれないが・・。殺すといっても、原作では、最後の方のヒルディッチ氏の回想のなかで暗示され、フェリシアの直感として描かれているにすぎず、追いつめられたのは、むしろ氏の方。そういう先入観なしに、作品で最初に描写されたままの(母亡き後、自分のお気に入りの小物で部屋を飾り、こぎれいに暮らし、食べることが何より好きで、町工場の食堂責任者としても人望がある)平凡な中年男としてヒルディッチ氏をとらえ、読み進めていくほうが、どんなに面白かっただろうと、残念に思う。――Felicia's Journey by William Trever

Posted byブクログ