カントとヘーゲルの歴史哲学 の商品レビュー
歴史という営みをいかに理解するかという歴史哲学的問題を、カントとヘーゲルの歴史についての見解を参照して考えよう、という試み。カント実践哲学における「歴史」の重要性、そしてその限界とヘーゲルによる「歴史=哲学」のプロジェクトといった要素が彼らの著作に即して解明される。著者は最終的に...
歴史という営みをいかに理解するかという歴史哲学的問題を、カントとヘーゲルの歴史についての見解を参照して考えよう、という試み。カント実践哲学における「歴史」の重要性、そしてその限界とヘーゲルによる「歴史=哲学」のプロジェクトといった要素が彼らの著作に即して解明される。著者は最終的に、具体的内実を指定しないカントの「目的論」の方が、今日の我々にとっても議論の余地を残してくれているという点で哲学的に優れた立場なのではないか、と主張している。この点については、他の歴史主義的思想研究からも批判的反応があってしかるべきように思うが、カントにおける歴史の重要性を『判断力批判』の論理などから明らかにしてくれているという点で貴重な研究である。
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